完全ガイド
個人事業主として事業が順調に成長し、所得が1,000万円を超えてくると「法人成り」を検討される方が多くなります。税理士法人松野茂税理士事務所では、これまで数多くの法人成り支援を行ってまいりました。今回は、法人成りの際に必要な手続きを分かりやすく解説いたします。
法人成りのタイミング
法人成りを検討すべきタイミングは以下の通りです: 売上や節税だけでなく ①事業の信用など融資条件よくなる②社保に加入することで従業員に採用が行いやすい。 会社の方が信用されやしすいことと思います。
売上基準での目安(重視しないで)
- 年間売上高で5千マ円を越えたら法人成りを検討しても良いが慎重に判断してください。
- 消費税の課税事業者となるタイミング 2割特例の利用
- 事業拡大により従業員を雇用する予定がある場合
税務上のメリットが出る目安
- 所得金額が多い方
- 家族への給与支払いを検討している場合 などがありますが シュミレーションしておくことが重要です。
- 保険度で繰延ができます。
- 旅費規程などで節税機出ます。
- 税金が多いなどの理由のみで法人成りをしてしまうと後で 社会保険の負担が増えるので慎重に~
法人成りの手続き一覧
1. 法人設立前の準備
会社の基本事項決定
- 商号(会社名)の決定
- 事業目的の設定
- 本店所在地の決定
- 資本金額の決定
- 決算月の設定
- 役員構成の決定
必要書類の準備
- 発起人の印鑑証明書
- 役員就任承諾書
- 本店所在地の使用承諾書(賃貸の場合)
2. 法務局での手続き
定款作成・認証
- 公証人による定款認証(株式会社の場合)
- 認証手数料:約5万円
- 定款印紙代:4万円(電子定款の場合は不要)
設立登記申請
- 設立登記申請書の提出
- 登録免許税:最低15万円(資本金額×0.7%)
- 登記完了まで約1~2週間
3. 税務署・都道府県税事務所・市町村役場での手続き
法人設立届出書の提出
- 提出期限:設立から2ヶ月以内
- 提出先:本店所在地の税務署
- 都道府県税事務所、市町村役場にも提出
青色申告承認申請書
- 提出期限:設立から3ヶ月以内または第1期事業年度終了日のいずれか早い日
- 青色申告の特典を受けるために必須
給与支払事務所等の開設届出書
- 役員報酬や従業員給与を支払う場合に必要
- 提出期限:給与支払開始から1ヶ月以内
4. 労働保険・社会保険関係の手続き
社会保険(健康保険・厚生年金)
- 法人は強制加入
- 提出先:年金事務所
- 提出期限:設立から5日以内
労災保険
- 従業員を雇用する場合に必要
- 提出先:労働基準監督署
- 提出期限:従業員雇用から10日以内
雇用保険
- 従業員を雇用する場合に必要
- 提出先:ハローワーク
- 提出期限:従業員雇用から10日以内
5. 個人事業主廃業関係の手続き
個人事業の廃業等届出書
- 提出先:所轄税務署
- 提出期限:廃業から1ヶ月以内
所得税の青色申告取りやめ届出書
- 青色申告を行っていた場合に必要
- 提出期限:取りやめようとする年の翌年3月15日まで
消費税の事業廃止届出書
- 消費税課税事業者だった場合に必要
- 提出期限:廃業後速やかに
国民健康保険・国民年金の資格喪失手続き
- 法人の社会保険加入と同時に手続き
6. その他の重要な手続き
法人名義の銀行口座開設
- 登記簿謄本が必要
- 法人印鑑証明書が必要
- 代表者の身分証明書が必要
許認可の承継手続き
- 建設業許可、宅建業免許など
- 個人から法人への承継が必要な場合
各種契約の名義変更
- 事務所賃貸借契約
- リース契約
- 保険契約など
法人成り時の税務上の注意点
資産・負債の承継
簿価での承継
- 個人事業時の帳簿価額で法人に承継
- 減価償却資産は簿価で承継します。
時価での
- 時価で法人に譲渡
- 土地などは時価となるので通常は承継しません。
消費税の注意点
基準期間の特例
- 個人事業時の売上も基準期間に含まれるません
- 設立1期目は 資本金が1千万円を越えない場合は 原則 免税ですが インボイスを登録するので2割特例で申告することが多いです。
役員報酬の決定
定期同額給与の原則
- 3月以内に金額を決めます
- 期中での変更は原則不可
- 適正な金額設定が重要
- ボーナスを出す場合には事前届け出給与の届出書を税務署に提出します。
よくあるご質問
Q: 法人成りの最適なタイミングはいつですか? A: 所得金額が1千万円を超えた時点が一般的な目安です。ただし、事業内容や将来の計画により異なるため、個別にご相談ください。
Q: 資本金はいくらに設定すべきですか? A: 1,000万円未満に設定することで、設立1期目の消費税納税義務を回避できます。事業規模に応じて300万円~900万円程度が一般的です。建設業の場合には建設業の許認可の関係から500万円いすることが多いです。
Q: 決算月はいつに設定すべきですか? A: 繁忙期を避けた月に設定することをお勧めします。多くの法人が3月決算ですが、個人事業時の状況を考慮して最適な時期を選択しましょう。毎年スタートダッシュができる月を選ぶとよいと思います。
まとめ
法人成りは単なる手続きではなく、事業の成長戦略の一環です。適切なタイミングで、必要な手続きを漏れなく行うことで、税務上のメリットを最大限に活用できます。
税理士法人松野茂税理士事務所では、法人成りの検討から設立後のサポートまで、ワンストップでお手伝いいたします。
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