中古車両を取得した際の「簡便法による耐用年数」の計算方法を、条文の根拠から実際の計算シートまで一通り解説します。記帳・申告作業で迷ったときに、このページを見返してください。
1なぜ中古資産は耐用年数を短くできるのか
中古資産はすでに使用された分、新品より使用可能期間が短いため、法定耐用年数ではなく短い年数を適用できます。個別の見積りは手間がかかるため、実務では機械的に計算できる「簡便法」が広く使われています。
2簡便法の計算式(条文の根拠)
根拠となるのは「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」第3条です。
耐用年数 =(法定耐用年数-経過年数)+経過年数×0.2
【法定耐用年数の全部を経過した資産】
耐用年数 = 法定耐用年数×0.2
算出された年数に1年未満の端数があるときは切り捨て、結果が2年に満たない場合は2年とします(下限2年)。この2つの式は、経過年数を法定耐用年数で頭打ちにすれば1本の式にまとめられます。
経過年数 = 3+6/12 = 3.5年
(6-3.5)+3.5×0.2 = 2.5+0.7 = 3.2年
1年未満切り捨て → 耐用年数 3年
3経過年数の求め方と端数処理
経過年数は「初年登録年月(または製造日)から、中古資産を取得した日の前日まで」の期間です。経過年数は年月を基に月数で計算すると分かりやすく、耐用年数の1年未満の端数は最後に切り捨てます。
年計算と月計算は同じ結果になる
経過年数を「月数のまま計算」しても「年の小数に換算して計算」しても、数学的に完全に同じ結果になります。ミスを減らすには、月を12で割って年にそろえる方法(例:3年6か月=3.5年)がおすすめです。
4車両の法定耐用年数
減価償却資産の耐用年数等に関する省令 別表第一「車両及び運搬具」(一般用のもの)より、実務でよく使う区分です。
| 区分 | 法定耐用年数 |
|---|---|
| 普通車(その他のもの=一般の普通乗用車) | 6年 |
| 軽自動車(総排気量0.66リットル以下) | 4年 |
| 貨物自動車-ダンプ式のもの | 4年 |
| 貨物自動車-その他のもの | 5年 |
※運送事業用・貸自動車業用・自動車教習所用等は別区分。二輪・三輪自動車は3年、自転車は2年。
5償却率表(定額法・定率法)
簡便法で算定した耐用年数に応じて、以下の償却率を使います(平成24年4月1日以後取得分・200%定率法)。
| 耐用年数 | 定額法 | 定率法(200%) |
|---|---|---|
| 2年 | 0.500 | 1.000 |
| 3年 | 0.334 | 0.667 |
| 4年 | 0.250 | 0.500 |
| 5年 | 0.200 | 0.400 |
| 6年 | 0.167 | 0.333 |
6個人と法人の法定償却方法
税務署に届出をしなかった場合に自動的に適用される「法定償却方法」は、事業者区分によって異なります。
- 個人事業主 → 原則定額法(定率法にするには届出が必要)
- 法人 → 原則定率法(定額法にするには届出が必要)
- 建物・建物附属設備・構築物 → 個人・法人とも定額法のみ(届出不要・変更不可)
7計算シート(実際に計算してみる)
車両の種類と経過年数を入力すると、簡便法による耐用年数と2種類の償却率、初年度の減価償却費・未償却残高までを自動計算します。実際の記帳作業ではこのシートをそのまま使ってください。
経過月数は0〜11の範囲で入力してください。
期末までの月数は1〜12の範囲で入力してください。
| 方法 | 償却率 | 減価償却費 | 未償却残高 |
|---|---|---|---|
| 定額法 | 0.334 | ¥0 | ¥0 |
| 定率法 | 0.667 | ¥0 | ¥0 |








