贈与税の申告、自分でできるか不安に感じていませんか?
この記事では、30年以上の実務経験を持つ税理士が、贈与税申告書の書き方を初心者にも分かりやすく解説します。記事内には実際に使える計算ツールもご用意していますので、ぜひ最後までご覧ください。
贈与税申告が必要なケースとは?
まず、どのような場合に贈与税の申告が必要になるのか確認しましょう。
申告が必要な主なケース
- 1年間(1月1日~12月31日)に110万円を超える贈与を受けた場合
- 相続時精算課税制度を選択している場合(金額に関わらず申告必要)
- 住宅取得等資金の非課税制度を利用する場合
- 教育資金、結婚・子育て資金の一括贈与の特例を利用する場合
⚠️ 申告期限
贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までです。
例:2024年中に贈与を受けた → 2025年3月15日までに申告
贈与税の計算方法
贈与税は以下の手順で計算します。
一般贈与(暦年課税)の計算式
(贈与財産の価額 – 基礎控除110万円)× 税率 – 控除額 = 贈与税額
税率表
贈与税には「一般税率」と「特例税率(直系尊属からの贈与)」の2種類があります。
一般税率(兄弟間、夫婦間、親から未成年の子など)
| 基礎控除後の課税価格 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 200万円以下 | 10% | — |
| 300万円以下 | 15% | 10万円 |
| 400万円以下 | 20% | 25万円 |
| 600万円以下 | 30% | 65万円 |
| 1,000万円以下 | 40% | 125万円 |
| 1,500万円以下 | 45% | 175万円 |
| 3,000万円以下 | 50% | 250万円 |
| 3,000万円超 | 55% | 400万円 |
特例税率(18歳以上の子・孫が直系尊属から受ける贈与)
| 基礎控除後の課税価格 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 200万円以下 | 10% | — |
| 400万円以下 | 15% | 10万円 |
| 600万円以下 | 20% | 30万円 |
| 1,000万円以下 | 30% | 90万円 |
| 1,500万円以下 | 40% | 190万円 |
| 3,000万円以下 | 45% | 265万円 |
| 4,500万円以下 | 50% | 415万円 |
| 4,500万円超 | 55% | 640万円 |
計算例
例1:父から25歳の息子へ300万円の贈与
・課税価格:300万円 – 110万円 = 190万円
・税額:190万円 × 10% = 19万円(特例税率適用)
例2:兄から弟へ500万円の贈与
・課税価格:500万円 – 110万円 = 390万円
・税額:390万円 × 20% – 25万円 = 53万円(一般税率適用)
贈与税計算ツール(すぐに使える!)
💡 このツールの使い方
下記のフォームに贈与金額と贈与の種類を入力すると、自動で贈与税額が計算されます。複雑な計算は不要です!
暦年贈与 計算ツール
贈与税額を自動計算します
📝 入力項目
✓ 計算結果
📌 ワンポイントアドバイス
基礎控除額110万円は、すべての贈与者からの贈与の合計に対して適用されます。複数の人から贈与を受けた場合は、すべて合算して計算してください。
税率表(参考)
一般贈与財産
| 課税価格の区間 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 200万円以下 | 10% | — |
| 300万円以下 | 15% | 10万円 |
| 400万円以下 | 20% | 25万円 |
| 600万円以下 | 30% | 65万円 |
| 1,000万円以下 | 40% | 125万円 |
| 1,500万円以下 | 45% | 175万円 |
| 3,000万円以下 | 50% | 250万円 |
| 3,000万円超 | 55% | 400万円 |
特例贈与財産
| 課税価格の区間 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 200万円以下 | 10% | — |
| 400万円以下 | 15% | 10万円 |
| 600万円以下 | 20% | 30万円 |
| 1,000万円以下 | 30% | 90万円 |
| 1,500万円以下 | 40% | 190万円 |
| 3,000万円以下 | 45% | 265万円 |
| 4,500万円以下 | 50% | 415万円 |
| 4,500万円超 | 55% | 640万円 |
※ 計算結果は参考値であり、不動産や株式など財産の種類によっては評価額の計算が必要になる場合があります。
📌 ワンポイントアドバイス
基礎控除額110万円は、すべての贈与者からの贈与の合計に対して適用されます。複数の人から贈与を受けた場合は、すべて合算して計算してください。
注意 計算シートは一般贈与と特例贈与を併用して申告書を作成する場合には使用できません。
一般贈与と特例贈与を併用する場合の計算方法は下記のとおりですがポイントは一般贈与と特例贈与の合計額を
一般贈与税率で計算した贈与税額と特例贈与税率で計算した贈与税額を加重平均します、
下記の事例の場合
①一般贈与で計算した贈与税X(一般贈与の贈与金額/(一般贈与の贈与金額+特例贈与の贈与金額の合計)=
②特例贈与で計算した贈与額X(特例贈与の贈与金額/(一般贈与の贈与金額+特例贈与の贈与金額の合計)=
③ ①+③=
上記の計算シートから計算する場合には再計算をしてください。ただし計算シートは課税価格および贈与税額に千円未満と百円未満の切り捨ての端数処理をしていますのでご注意ください。
実際に申告する際には税務署の申告会場などあるいは税理士に相談してください。
「一般贈与財産用」と「特例贈与財産用」の両方の計算が必要な場合
No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
国税庁https://www.nta.go.jp › shiraberu › taxanswer › zoyo
2025/04/01 — (3) 「一般贈与財産用」と「特例贈与財産用」の両方の計算が必要な場合 例えば、財産の贈与を受けた年の1月1日現在において18歳以上の方が、配偶者と自分
例えば、財産の贈与を受けた年の1月1日現在において18歳以上の方が、配偶者と自分の両親の両方から贈与を受けた場合などに、この計算となります。
この場合には、次のとおり計算します。
① すべての財産を「一般税率」で計算した税額に占める「一般贈与財産」の割合に応じた税額を計算します。
② すべての財産を「特例税率」で計算した税額に占める「特例贈与財産」の割合に応じた税額を計算します。
③ 納付すべき贈与税額は、①と②の合計額です。
(例) 一般贈与財産が100万円、特例贈与財産が400万円の場合の計算
① この場合、まず、合計価額500万円を基に次のように計算します。
(すべての贈与財産を「一般贈与財産」として税額計算)
500万円 - 110万円 = 390万円
390万円 × 20% - 25万円 = 53万円
(上記の税額のうち、一般贈与財産に対応する税額(一般税率)の計算)
53万円 × 100万円 / (100万円+400万円) = 10.6万円…①
次に「特例贈与財産」の部分の税額計算を行います。
② この場合も、まず、合計価額500万円を基に次のように計算します。
(すべての贈与財産を「特例贈与財産」として税額計算)
500万円 -110万円 = 390万円
390万円 × 15% - 10万円 = 48.5万円
(上記の税額のうち、特例贈与財産に対応する税額(特例税率)の計算)
48.5万円 × 400万円 / (100万円 + 400万円) = 38.8万円…②
(贈与税額の計算)
③ 贈与税額 = ①一般贈与財産の税額 + ②特例贈与財産の税額
上記の場合 ①10.6万円 + ②38.8万円 = 49.4万円…贈与税
贈与税申告書の書き方(ステップ別解説)
必要な書類
- 贈与税の申告書(第一表)
- 贈与税の申告書(第一表の二)(特例税率の適用がある場合)
- 本人確認書類(マイナンバーカードの写しなど)
- 贈与を証明する書類(預金通帳のコピー、契約書など)
- 受贈者の戸籍謄本(特例税率を適用する場合)
Step1:申告書の入手
国税庁ホームページから申告書をダウンロードするか、税務署で入手します。
国税庁HP:https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/sozoku-zoyo/annai/zoyo.htm
Step2:申告書第一表の記入
基本情報欄
・氏名、住所、マイナンバー
・提出先税務署名
・贈与者の情報
財産の明細欄
贈与を受けた財産の内容を記載します。
現金の場合:
・種類:現金
・細目:贈与
・価額:贈与金額
不動産の場合:
・種類:土地・建物
・細目:所在地
・価額:評価額
税額計算欄
- 贈与財産の合計額を記入
- 基礎控除額(110万円)を引く
- 税率を適用して税額を計算
- 配偶者控除などの特例がある場合は適用
Step3:申告書第一表の二の記入(該当者のみ)
18歳以上の方が直系尊属から贈与を受けた場合、特例税率を適用するためこの用紙も必要です。
・贈与者ごとの財産の明細
・特例税率による税額計算
Step4:添付書類の準備
・戸籍謄本または戸籍の記載事項証明書(特例税率適用の場合)
・贈与契約書や振込明細書のコピー
・マイナンバー確認書類
Step5:提出
提出方法は3つ:
- 税務署窓口へ持参
- 郵送(控えが必要な場合は返信用封筒を同封)
- e-Tax(電子申告)
よくある間違いと注意点
❌ 間違い1:複数の贈与者からの贈与を合算していない
複数の人から贈与を受けた場合、すべて合算して110万円を超えるか判断します。
例:父から50万円、母から70万円 → 合計120万円で申告必要
❌ 間違い2:配偶者控除の要件を満たしていない
居住用不動産の配偶者控除(最高2,000万円)は、婚姻期間20年以上などの要件があります。
❌ 間違い3:相続時精算課税の申告漏れ
一度選択すると、以後すべての贈与が申告対象になります。110万円以下でも申告が必要です。
❌ 間違い4:評価額の誤り
不動産の場合、路線価や固定資産税評価額を基に計算する必要があります。
❌ 間違い5 一般贈与税と特例税率の間違い
未成年の子や孫に贈与する場合は一般税率になります、又 一般贈与と特例贈与を併用する場合には加重平均の
特殊な計算になるので注意してください。
自分で申告するか、税理士に依頼するか
✅ 自分で申告できるケース
・現金のみの贈与
・贈与者が1~2名
・特例制度を使わない
👨💼 税理士への依頼を検討すべきケース
・不動産の贈与がある(評価が必要)
・相続時精算課税を選択する
・配偶者控除などの特例を使う
・贈与者が複数で計算が複雑
・将来の相続対策も含めて検討したい
まとめ
贈与税の申告は、基本的な知識があれば自分でも十分に対応可能です。この記事のポイントをまとめます。
重要ポイント:
- 年間110万円超の贈与で申告が必要
- 申告期限は翌年3月15日まで
- 特例税率と一般税率を正しく適用
- 複数の贈与者からの贈与は合算
- 不動産や複雑なケースは専門家へ相談
計算ツールを活用して、まずはご自身で税額を試算してみてください。不明点や複雑なケースの場合は、お気軽に専門家にご相談ください。
税理士法人松野茂税理士事務所へのご相談
当事務所では、贈与税申告のサポートはもちろん、将来の相続対策を見据えた総合的なアドバイスを提供しています。
こんなご相談を承っています:
・贈与税申告書の作成代行
・不動産の評価が必要な贈与
・相続時精算課税制度の選択相談
・生前贈与を活用した相続対策
・配偶者控除などの特例適用
30年以上の実績と専門知識で、お客様一人ひとりに最適な提案をいたします。
お問い合わせ
税理士法人松野茂税理士事務所
📍 〒660-0861 兵庫県尼崎市御園町24 尼崎第一ビル7F
🚃 阪神尼崎駅徒歩1分
📞 06-6419-5140
📠 06-6423-7500
初回相談は無料です。お気軽にお問い合わせください。
関連記事
・相続税申告の基礎知識
・小規模宅地等の特例を徹底解説
・相続時精算課税制度のメリット・デメリット
・生前贈与を活用した相続対策
このブログ記事と計算ツールが、贈与税申告を検討されている方のお役に立てば幸いです。






