社会保険・労働保険の年間業務カレンダー|月別の手続き・期限・実務ポイントを解説

社会保険・労働保険の年間業務カレンダー|月別の手続き・期限・実務ポイントを解説

社会保険(健康保険・厚生年金保険・介護保険)と労働保険(労災保険・雇用保険)は、毎月の定例業務、毎年決まった時期の手続、そして従業員のライフイベントに応じて発生する随時手続から成り立っています。手続の漏れは保険料の追徴・延滞金・助成金不支給などの実害につながるため、年間スケジュールを俯瞰して把握しておくことが欠かせません。本記事では、月別の手続一覧と実務ポイントをまとめました。

期日は法定の原則を示しており、その日が土日・祝日に当たる場合は原則として翌営業日が期限となります。
(松野社会保険労務士事務所)

目次

制度の全体像と所管

制度内容所管・提出先保険料の負担
健康保険業務外の傷病・出産・死亡に対する給付。協会けんぽまたは健康保険組合。年金事務所/健康保険組合労使折半
介護保険40歳以上65歳未満の被保険者から徴収(第2号被保険者)。年金事務所/健康保険組合労使折半
厚生年金保険老齢・障害・遺族に対する年金給付。保険料率18.3%で固定。年金事務所労使折半
子ども・子育て支援金労使折半で徴収される支援金。料率は年度ごとに見直される。年金事務所/健保組合労使折半
労災保険業務上・通勤途上の災害に対する補償。1人でも雇えば原則加入。労働基準監督署全額事業主負担
雇用保険失業給付・育児休業給付・各種助成金の原資。ハローワーク労使で按分(事業主多め)
労基法上の協定36協定・1年単位変形労働時間制協定などの労使協定の届出。労働基準監督署

毎月の定例業務

期日業務内容・留意点
毎月10日源泉所得税・住民税の納付前月分の源泉徴収税額を納付(特例適用事業所は年2回)。住民税は給与天引きの特別徴収分を納付。
毎月10日雇用保険資格取得届前月中に新たに被保険者となった者について、資格取得日の属する月の翌月10日までにハローワークへ届出。
毎月20日頃社会保険料納入告知書の受領日本年金機構から前月分の保険料納入告知書が事業所に送付される。金額確認のうえ末日までに納付。
毎月末日社会保険料の納付健康保険・介護保険・厚生年金保険・子ども子育て支援金。前月分を翌月末日までに納付(口座振替が原則推奨)。
給与計算時社会保険料・雇用保険料の控除社会保険料は翌月控除が原則。雇用保険料は支給額に料率を乗じて毎月控除。賞与は支給時に賞与額で計算。
随時被保険者資格取得・喪失届入社・退職があった日から5日以内に年金事務所へ届出。雇用保険は10日以内。
随時月額変更届(随時改定)固定的賃金の変動から3か月間の平均で標準報酬月額に2等級以上の差が生じた場合、速やかに提出。変動月から4か月目の保険料に反映。
賞与支給時賞与支払届支給日から5日以内に年金事務所へ。標準賞与額の上限は健保573万円(年度累計)、厚年150万円(月)。

給与控除の原則

  • 社会保険料は「翌月控除」が原則(4月分保険料を5月支給給与から控除)。締日・支払日と保険料発生月の関係に注意。
  • 入社月の保険料は資格取得日に関わらず1か月分を徴収(日割計算なし)。同月得喪の場合は厚生年金は還付。
  • 退職月の保険料は、月途中退職なら前月分まで、月末退職なら退職月分まで徴収(最終給与で2か月分控除のケースあり)。
  • 賞与は「支給時の料率」で計算。料率改定月と賞与支給月が重なる場合は要注意。
  • 社会保険料の納付期限が休日の場合、翌営業日が期限。延滞すると延滞金が課される。

月別 年間カレンダー

各月の手続きを「時期/区分/手続き/提出先・備考」で整理します。区分は色分けし、視認性を高めています。

社保労保雇保労基税共通

1月|法定調書・給与支払報告書の提出月

時期区分手続き・業務内容提出先/備考
1月10日源泉所得税の納付(前年12月分)税務署。納期特例適用事業所は1月20日までに7-12月分をまとめて納付。
1月10日雇保雇用保険資格取得届(前月分)ハローワーク。
1月31日給与支払報告書の提出従業員の住所地の市区町村。前年中に給与を支払った全員分を提出。
1月31日法定調書合計表の提出税務署。給与所得・退職所得・報酬料金等の支払調書を集約して提出。
1月31日労保労働保険料 第3期分の納付延納(3期分割)申請をしている事業所のみ。
1月末日社保前月(12月)分社会保険料の納付金融機関/口座振替。

1月の実務ポイント

  • 12月支給の冬季賞与に係る賞与支払届の提出を完了しているか(支給日から5日以内)。
  • 年末調整の還付・徴収を1月給与で完了させる。
  • マイナンバーの管理体制の年初点検(保管・廃棄の記録)。
  • 給与支払報告書は eLTAX による電子提出が事実上の標準。法定調書は e-Tax と連携。

2月|保険料率改定の準備期間

時期区分手続き・業務内容提出先/備考
2月10日源泉所得税の納付(1月分)税務署。
2月10日雇保雇用保険資格取得届(前月分)ハローワーク。
2月末日社保前月(1月)分社会保険料の納付金融機関/口座振替。
下旬頃社保協会けんぽ 新保険料率の公表確認毎年2月中旬に翌年度(3月分以降)の保険料額表が公表される。給与計算ソフトの料率更新準備。

2月の実務ポイント

  • 協会けんぽの健康保険料率・介護保険料率は毎年3月分(4月納付分)から改定される。2月中に新料率を確認しソフトに反映する。
  • 健康保険組合に加入している事業所は、組合からの料率改定通知(時期は組合により異なる)を確認。
  • 4月起算で1年単位の変形労働時間制を採用している場合は、年間カレンダー案を作成し従業員代表との協議を始める。
  • 3月決算法人は決算賞与の支給時期に応じて賞与計算と賞与支払届の準備。

3月|保険料率改定・年度末手続が集中

時期区分手続き・業務内容提出先/備考
3月10日源泉所得税の納付(2月分)税務署。
3月10日雇保雇用保険資格取得届(前月分)ハローワーク。
3月分から社保健康保険料率・介護保険料率の改定協会けんぽは3月分(4月納付分)から新料率を適用。
3月支給分から社保賞与は新料率で計算3月1日以降に支給する賞与は新料率を適用。給与は4月支給分(3月分保険料控除)から新料率。
3月31日労基36協定の届出(4月起算の場合)労働基準監督署。起算日の前日までに必着。新様式(法人番号・労働保険番号記載)を使用。
3月31日労基1年単位変形労働時間制協定の届出労働基準監督署。年間カレンダーを添付。
3月31日労基労使協定の更新(賃金控除等)事業場内備え付け。所定の協定は届出不要だが書面で締結。
3月末労保労災・雇用保険の賃金集計準備4月~翌3月の賃金台帳をもとに年度更新(6月)用の集計開始。
3月末日社保前月(2月)分社会保険料の納付金融機関/口座振替。
退職時共通退職者の各種手続資格喪失届(5日以内)、離職証明書(10日以内)、退職所得の受給に関する申告書の受領、退職金からの源泉徴収。

3月の実務ポイント

  • 最重要料率改定の反映漏れに注意。給与計算ソフトの料率設定を「3月分保険料」から切り替える。賞与計算は支給日基準なので3月1日以降の賞与は新料率。
  • 36協定は4月起算が一般的。起算日の前日までに提出していないと、4月1日からの時間外労働は労基法違反。電子申請推奨(混雑回避)。
  • 退職者が集中する月。健康保険証の回収・任意継続加入の案内・離職票交付を漏れなく。
  • 3月31日付退職の場合、社会保険料は3月分まで徴収。最終給与で2か月分控除になるケースあり。
  • 育児休業中の社会保険料免除や産前産後休業中の保険料免除の対象者がいる場合は申出書の継続提出を確認。

4月|新年度開始・新入社員の加入手続

時期区分手続き・業務内容提出先/備考
4月1日雇保雇用保険料率の確認雇用保険料率は年度ごとに見直されるため、毎年4月時点で改定の有無を確認し、変更があれば給与計算ソフトに反映する。
4月1日労保労災保険料率の確認原則3年ごとの改定。事業の種類別料率を確認。
4月1日~社保新入社員の資格取得届入社日から5日以内に年金事務所へ。被扶養者異動届も同時提出。
4月1日~雇保新入社員の雇用保険資格取得届資格取得日の属する月の翌月10日まで。
4月10日源泉所得税の納付(3月分)税務署。
4月~6月社保算定基礎届のための報酬集計4月・5月・6月の3か月の報酬(支払基礎日数17日以上の月)を集計する。
4月分から社保子ども・子育て支援金の取扱い確認料率は年度ごとに見直されるため、給与計算ソフトの設定確認を毎年実施。
4月末日社保前月(3月)分社会保険料の納付新料率による初回納付月。納付額が変動するため確認。

4月の実務ポイント

  • 最重要算定基礎届の対象期間が始まる月。4-6月の給与は標準報酬月額(9月以降1年間適用)を左右するため、残業時間の異常値や非定期手当の支給時期に注意。
  • 新入社員の社会保険・雇用保険資格取得届を漏れなく。マイナンバー・基礎年金番号を取得時に確実に取得。
  • 給与改定(昇給)を4月に実施した場合は、その後3か月の平均で2等級以上の差が出れば7月に月額変更届の対象となる。
  • 雇用保険料率は年度ごとに見直されるため、毎年4月時点で改定の有無を確認。変更があれば給与計算ソフトの設定を更新する。
  • 子ども・子育て支援金の料率は年度ごとに見直される。給与計算ソフトの設定を毎年確認。

5月|労働保険年度更新の準備月

時期区分手続き・業務内容提出先/備考
5月10日源泉所得税の納付(4月分)税務署。
5月10日雇保雇用保険資格取得届(前月分)ハローワーク。
下旬頃労保労働保険年度更新申告書の到着労働局より緑(または青)の封筒で事業所に申告書一式が送付される。電子申請義務化対象事業場(資本金1億円超等)には紙の申告書ではなく、電子申請情報通知書(茶封筒)が送付される。
下旬頃社保算定基礎届関連書類の到着日本年金機構から算定基礎届の様式・対象者一覧が事業所に到着。
5月末日社保前月(4月)分社会保険料の納付金融機関/口座振替。

5月の実務ポイント

  • 労働保険年度更新の前倒し作業を開始。前年4月~当年3月の賃金総額を集計(雇用保険対象賃金、労災保険対象賃金)。
  • 役員報酬の取扱いに注意。労災保険は労働者性のある兼務役員のみ、雇用保険は使用人兼務役員の労働者部分のみが対象賃金。
  • 算定基礎届の対象月(4-6月)はあと1か月。臨時の手当・非固定的賃金の発生をモニタリング。
  • 5月支給給与は4月分保険料の控除。新料率反映後の初回給与なので手取り変動を従業員に事前周知。

6月|年度更新・住民税切替・ロクイチ報告

時期区分手続き・業務内容提出先/備考
6月1日労保労働保険年度更新の受付開始労働局/労基署。6月1日~7月10日が申告・納付期間。
6月1日基準日労基高年齢者雇用状況等報告の基準日常用労働者31人以上の事業所が対象。6月1日時点の雇用状況を7月15日までにハローワークへ報告。
6月1日基準日労基障害者雇用状況報告の基準日常用労働者37.5人以上の事業所が対象(法定雇用率2.7%)。6月1日時点の雇用状況を7月15日までにハローワークへ報告。
6月10日源泉所得税の納付(5月分)税務署。
6月10日雇保雇用保険資格取得届(前月分)ハローワーク。
6月支給給与から住民税の特別徴収切替市区町村から事業所に「特別徴収税額決定通知書」が5月中に送付。6月支給給与から新年度税額(6月~翌5月)を控除。
夏季賞与支給時社保賞与支払届の提出支給日から5日以内に年金事務所へ。賞与額に賞与料率(保険料率と同じ)を適用。
6月末日社保前月(5月)分社会保険料の納付金融機関/口座振替。

6月の実務ポイント

  • 最重要労働保険年度更新がスタート。前年度確定保険料の算定+当年度概算保険料の算定を一体で行う。
  • 年度更新申告書には『確定保険料・一般拠出金算定基礎賃金集計表』を添付。雇用保険被保険者と非対象者を区分集計。
  • 一般拠出金(石綿健康被害救済法)は業種を問わず一律 0.02/1000。
  • 住民税の特別徴収開始月。普通徴収から特別徴収への切替、退職予定者の一括徴収等を確認。
  • 夏季賞与は6月下旬~7月上旬支給が一般的。算定基礎届の対象賃金には含めない(賞与は別途賞与支払届で処理)。
  • ロクイチ報告(6月1日基準)は2種類ある。高年齢者雇用状況等報告は「常用労働者31人以上」、障害者雇用状況報告は「常用労働者37.5人以上」(法定雇用率2.7%)。対象事業所には用紙が送付される。

7月|1年で最も忙しい月(労保+社保+ロクイチ)

時期区分手続き・業務内容提出先/備考
7月1日~10日社保算定基礎届の提出年金事務所。7月1日時点の被保険者全員(6月1日以降の取得者は除く)。4-6月支給給与の平均で標準報酬月額を決定。
7月10日労保労働保険年度更新の申告・納付期限労働局・労基署。確定保険料の精算と概算保険料の納付。延納申請する場合は6月1日~7月10日に申請。
7月10日源泉所得税の納期特例分の納付1月~6月分の源泉徴収税額を一括納付(納期特例の承認を受けた事業所のみ)。
7月10日源泉所得税の納付(6月分)通常事業所。
7月10日雇保雇用保険資格取得届(前月分)ハローワーク。
7月15日労基高年齢者雇用状況等報告書の提出ハローワーク(一部地域は労働局)。常用労働者31人以上の事業所。電子申請可(GビズID)。
7月15日労基障害者雇用状況報告書の提出ハローワーク。常用労働者37.5人以上の事業所(法定雇用率2.7%)。
7月15日労基外国人雇用状況報告書の確認雇入れ・離職の都度ハローワークに届出(雇用保険資格取得・喪失届と一体)。
7月末日社保前月(6月)分社会保険料の納付金融機関/口座振替。

7月の実務ポイント

  • 最重要算定基礎届と労働保険年度更新が同時期。電子申請(e-Gov・GビズID)を活用し、業務を分散させる。
  • 算定基礎届は支払基礎日数17日以上の月の平均で算定(短時間労働者は11日、特定適用事業所の短時間労働者は11日)。
  • 4-6月のいずれも17日未満の場合は『従前報酬月額』を継続。15日以上17日未満が含まれる場合の取扱いに注意。
  • 算定基礎届と月額変更届の対象が重なる場合(7月改定対象者)は、月額変更届を優先(算定基礎届の対象外)。
  • 労働保険料は概算保険料額が40万円以上(労災・雇用片方なら20万円以上)の場合、3期分納可能。第1期分(7/10)、第2期分(10/31)、第3期分(1/31)。
  • ロクイチ報告(高年齢者・障害者)は未提出・虚偽報告の場合、企業名公表や30万円以下の罰金あり。対象規模はそれぞれ31人以上・37.5人以上と異なる点に注意。

8月|随時改定の対応月

時期区分手続き・業務内容提出先/備考
8月10日源泉所得税の納付(7月分)税務署。
8月10日雇保雇用保険資格取得届(前月分)ハローワーク。
随時社保月額変更届(5月昇給者の随時改定)5月に昇給して5-7月平均で2等級以上差が出た場合、8月から新標準報酬月額を適用するため8月中に提出。
8月末日社保前月(7月)分社会保険料の納付金融機関/口座振替。算定基礎届の結果はまだ反映前。

8月の実務ポイント

  • 夏季休暇期間の業務集中に注意。社保関連の届出は窓口より電子申請が機能する月。
  • 5月昇給者の随時改定対象判定。5月・6月・7月の3か月平均と従前標準報酬月額を比較。
  • 算定基礎届に基づく『標準報酬月額決定通知書』が日本年金機構から事業所に送付される時期。
  • 最低賃金改定(10月発効)の答申が中央最低賃金審議会から出る時期。地域別最低賃金の引上げ額を確認。

9月|新標準報酬月額の適用開始

時期区分手続き・業務内容提出先/備考
9月10日源泉所得税の納付(8月分)税務署。
9月10日雇保雇用保険資格取得届(前月分)ハローワーク。
9月分から社保新標準報酬月額の適用開始算定基礎届で決定された新標準報酬月額が9月分保険料(10月納付分)から適用。
9月分から社保厚生年金保険料率の確認厚生年金保険料率は18.3%で固定(平成29年9月以降)。料率変更なし。
9月末日社保前月(8月)分社会保険料の納付新料率反映前の最終月。

9月の実務ポイント

  • 最重要9月分保険料(10月給与から控除=10月末日納付)から新標準報酬月額が反映される。給与計算ソフトへの一括反映を確認。
  • 『標準報酬月額決定通知書』を従業員に交付。給与明細書での周知も望ましい。
  • 当月控除を採用している事業所は、9月支給給与から新標準報酬月額を反映。翌月控除事業所は10月支給給与から。
  • 10月施行の地域別最低賃金が官報公示される時期。賃金台帳の改定準備。

10月|最低賃金改定・労働保険第2期納付

時期区分手続き・業務内容提出先/備考
10月1日頃労基地域別最低賃金の改定都道府県別に発効日が異なる(多くは10月初旬)。兵庫県の改定額・発効日を確認し賃金台帳・給与計算を改定。
10月10日源泉所得税の納付(9月分)税務署。
10月10日雇保雇用保険資格取得届(前月分)ハローワーク。
10月31日労保労働保険料 第2期分の納付延納(3期分割)申請をしている事業所のみ。
10月末日社保前月(9月)分社会保険料の納付新標準報酬月額が反映された初回納付月。納付額が変動する。

10月の実務ポイント

  • 最低賃金改定は時間額のみ。月給制・日給制でも時間単価に換算して下回らないか必ず検算。違反は罰金。
  • 家族手当・通勤手当・時間外手当・賞与は最低賃金の対象外として扱う点に注意。
  • 社会保険の適用拡大(特定適用事業所=51人以上)の対象事業所は、短時間労働者の加入要件(週20時間以上・月額88,000円以上・2か月超見込・学生でない)を再点検。
  • 雇用保険料率が年度途中で改定される場合があるため、官報・厚労省告示を随時確認。

11月|年末調整準備・冬季賞与準備

時期区分手続き・業務内容提出先/備考
11月10日源泉所得税の納付(10月分)税務署。
11月10日雇保雇用保険資格取得届(前月分)ハローワーク。
中旬年末調整資料の配付扶養控除等申告書(次年度分)、保険料控除申告書、住宅借入金等特別控除申告書を従業員に配付・回収。
11月末日社保前月(10月)分社会保険料の納付金融機関/口座振替。

11月の実務ポイント

  • 年末調整は税理士業務だが、社会保険料控除(被保険者本人+家族分)は給与天引き分が自動計算対象となるため給与計算データと整合性を取る。
  • 国民年金・国民健康保険料の控除証明書、生命保険料控除証明書の提出を従業員から回収。
  • 冬季賞与(12月支給)の試算開始。標準賞与額の年度累計が573万円(健保)を超えないか確認。
  • 育児休業からの復帰者・育休取得予定者の社会保険料免除手続・養育期間標準報酬月額特例申出の確認。

12月|年末調整・冬季賞与

時期区分手続き・業務内容提出先/備考
12月10日源泉所得税の納付(11月分)税務署。
12月10日雇保雇用保険資格取得届(前月分)ハローワーク。
12月支給時年末調整の実施本人・配偶者・扶養親族の確定、各種控除の適用、過不足税額の還付・徴収を12月給与に反映。
冬季賞与支給時社保賞与支払届の提出支給日から5日以内に年金事務所へ。標準賞与額の年度累計上限573万円(健保)に注意。
12月末日社保前月(11月)分社会保険料の納付金融機関/口座振替。

12月の実務ポイント

  • 年末調整での社会保険料控除は『本人が支払った』分のみ。給与天引き分は給与計算上自動反映。家族の国民年金・国民健康保険料を本人が支払った場合は別途控除証明書で控除。
  • 12月退職者の年末調整は『その年の最後の給与を支払うとき』に実施するか、退職時に源泉徴収票を交付して本人が確定申告。
  • 冬季賞与の賞与支払届は5日以内。年度(4月~翌3月)累計の標準賞与額が573万円を超える場合、超過分は健康保険料の対象外(厚生年金は月150万円が上限)。
  • 翌年の36協定(4月起算でない場合)の更新時期を確認。電子申請の準備。

随時発生する手続(ライフイベント別)

以下は被保険者のライフイベントや事業所の状況変動に応じて随時発生する手続です。年間カレンダーには載らないが、発生時の対応漏れは事故になりやすい類型です。

イベント必要な手続期限
入社健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届/健康保険 被扶養者(異動)届/国民年金第3号被保険者関係届/雇用保険 被保険者資格取得届社保:5日以内
雇保:翌月10日まで
退職健康保険・厚生年金保険 被保険者資格喪失届/健康保険被保険者証の回収/雇用保険 被保険者資格喪失届/雇用保険 被保険者離職証明書(離職票交付の場合)社保:5日以内
雇保:10日以内
氏名・住所変更原則として届出不要(マイナンバー紐付けで自動更新)/健保組合加入の場合は組合所定の届出速やかに
昇給・降給月額変更届(2等級以上の差で対象)/変動月から3か月の平均で判定速やかに(変動月から4か月目に反映)
賞与支給健康保険・厚生年金保険 被保険者賞与支払届/賞与不支給の場合は『賞与不支給報告書』支給日から5日以内
産前産後休業産前産後休業取得者申出書/保険料免除申出書/出産育児一時金支給申請書休業中・出産後速やかに
育児休業育児休業等取得者申出書(保険料免除)/育児休業給付金支給申請書/養育期間標準報酬月額特例申出書育休開始時・2か月ごと等
介護休業介護休業給付金支給申請書介護休業終了後2か月以内
業務上・通勤災害労災保険給付関係請求書/第三者行為災害届(交通事故等の場合)事故発生後速やかに
私傷病で連続休業健康保険 傷病手当金支給申請書(連続3日待期+4日目以降が対象)労務不能期間ごと
被保険者死亡資格喪失届/健康保険埋葬料支給申請書/遺族年金・未支給年金請求5日以内/給付は2年・5年以内
事業所所在地変更適用事業所 所在地・名称変更届5日以内
事業所廃止適用事業所 全喪届/労働保険 確定保険料申告書5日以内/50日以内
代表者変更事業主(代表者)変更届5日以内

電子申請の義務化と紙申告書送付廃止

資本金1億円超の法人・相互会社・投資法人・特定目的会社等は、社会保険・労働保険の主要な手続について電子申請で行うことが義務付けられています。

電子申請義務化対象の事業場には、労働保険年度更新の紙の申告書が送付されません。代わりに、労働保険番号やアクセスコードなど電子申請に必要な情報を記載した『電子申請情報通知書』(定型郵便サイズの茶封筒)が送付されます。義務化対象外の事業場には、従来どおり緑色(または青色)の封筒で紙の申告書が送付されます。

電子申請が義務化されている主な手続は以下のとおりです。

  • 健康保険・厚生年金保険:被保険者賞与支払届、被保険者報酬月額算定基礎届、被保険者報酬月額変更届
  • 労働保険:継続事業の年度更新申告書、増加概算保険料申告書
  • 雇用保険:被保険者資格取得届、被保険者資格喪失届、被保険者転勤届、高年齢雇用継続給付支給申請、育児休業給付支給申請

義務化対象外の中小企業等であっても電子申請は利用可能であり、窓口混雑回避・控えの電子保管の観点から積極的な活用が推奨されます。

押さえておくべき重要期日(早見表)

期日手続根拠/対象
毎月10日源泉所得税の納付(前月分)所得税法
毎月10日雇用保険被保険者資格取得届雇用保険法
毎月末日前月分社会保険料の納付健保法・厚年法
3月1日以降賞与から新健康保険料率を適用協会けんぽ年度切替
3月分から健康保険・介護保険の新料率適用協会けんぽ年度切替
3月31日36協定(4月起算)の届出労基法36条
3月31日1年単位変形労働時間制協定(4月起算)の届出労基法32条の4
4月1日雇用保険料率の確認(年度ごとに改定の有無を確認)雇用保険法
4月1日労災保険料率の確認(原則3年改定)労災保険法
4月分から子ども・子育て支援金の徴収(協会けんぽ・健保組合)子ども・子育て支援法
6月1日~7月10日労働保険年度更新労働保険徴収法
6月1日(基準日)高年齢者雇用状況等報告(31人以上)の基準日高年齢者雇用安定法
6月1日(基準日)障害者雇用状況報告(37.5人以上)の基準日障害者雇用促進法
6月支給給与から住民税特別徴収の新年度税額に切替地方税法
7月1日~10日算定基礎届の提出健保法・厚年法
7月10日源泉所得税 納期特例分(1-6月)の納付所得税法
7月10日労働保険料 年度更新分(または第1期分)の納付労働保険徴収法
7月15日高年齢者雇用状況等報告書の提出(31人以上)高年齢者雇用安定法
7月15日障害者雇用状況報告書の提出(37.5人以上)障害者雇用促進法
9月分から新標準報酬月額の適用開始健保法・厚年法
10月1日頃地域別最低賃金の改定最低賃金法
10月31日労働保険料 第2期分の納付(延納)労働保険徴収法
1月20日源泉所得税 納期特例分(7-12月)の納付所得税法
1月31日給与支払報告書・法定調書合計表の提出地方税法・所得税法
1月31日労働保険料 第3期分の納付(延納)労働保険徴収法
賞与支給日から5日以内賞与支払届の提出健保法・厚年法
入社・退職から5日以内社会保険資格取得・喪失届健保法・厚年法
翌月10日まで雇用保険資格取得届雇用保険法
離職日から10日以内雇用保険資格喪失届・離職証明書雇用保険法

※ 期日が土日・国民の祝日に当たる場合は、原則として翌営業日が期限となります。
※ 保険料率・最低賃金・上限額・適用要件等は法改正により随時変動するため、最新情報は厚生労働省・日本年金機構等のウェブサイトで必ずご確認ください。

おわりに

社会保険・労働保険の手続代行は社会保険労務士の独占業務(社労士法2条1項1号・1号の2)です。当事務所では、社会保険・労働保険の新規適用から日常の届出、年度更新・算定基礎届、各種助成金申請まで、ワンストップでお引き受けしています。給与計算のクラウド化、e-Gov電子申請の導入支援も対応可能です。年間スケジュールの管理や手続の漏れにご不安のある事業主様は、お気軽にお問い合わせください。

松野社会保険労務士事務所 電話 06-6419-5140

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