税理士事務所スタッフ必見!暦年贈与税の計算を効率化する無料エクセルツール。特例贈与・一般贈与・併用パターンの3種類に対応。計算ミスを防ぎ、正確な贈与税額を算出。詳しい使い方と実務のポイントを解説。
はじめに:贈与税計算の効率化と正確性向上のために
このたび、暦年贈与の税額計算を効率化し、計算ミスを防ぐため、3つのパターンに対応したExcelシミュレーションシートを作成しました。贈与税の計算は、特例贈与と一般贈与の区分、税率の適用、併用時の按分計算など、複雑な要素が多く、手計算では誤りが生じやすい分野です。このツールを活用することで、スタッフの皆様の計算確認作業を効率化し、正確な税額計算を実現できます。
贈与税計算の基本構造と重要ポイント
贈与税の計算は、以下のステップで行います。
ステップ1:贈与財産の分類 まず、受贈した財産を「特例贈与財産」と「一般贈与財産」に分類します。この分類が税額計算の出発点となるため、正確な判定が不可欠です。
ステップ2:基礎控除の適用 贈与財産の合計額から基礎控除110万円を差し引きます。この基礎控除は、特例・一般の区分に関わらず、受贈者1人につき年間110万円です。
ステップ3:税率の適用と税額計算 基礎控除後の課税価格に対して、該当する税率を適用します。特例贈与と一般贈与では税率表が異なるため、注意が必要です。
贈与税シミュレーションシート3つの計算パターン詳細解説

暦年贈与の特例贈与及び一般贈与のエクセルシートをダウンロードできます。 税理士事務所での検算などにお使いください。
1. 特例贈与財産のみの場合の計算方法
特例贈与財産とは、贈与の年の1月1日において18歳以上の者が、直系尊属(父母、祖父母など)から贈与により取得した財産です。
計算例:25歳の子が父から500万円の贈与を受けた場合
- 贈与財産:500万円
- 基礎控除後:500万円 – 110万円 = 390万円
- 特例税率による税額:390万円 × 15% – 10万円 = 48.5万円
2. 一般贈与財産のみの場合の計算方法
特例贈与財産以外のすべての贈与が該当します。配偶者間、兄弟間、18歳未満の子への贈与などが含まれます。
計算例:妻が夫から500万円の贈与を受けた場合
- 贈与財産:500万円
- 基礎控除後:500万円 – 110万円 = 390万円
- 一般税率による税額:390万円 × 20% – 25万円 = 53万円
3. 特例贈与と一般贈与併用時の按分計算
同一年中に特例贈与と一般贈与の両方を受けた場合、最も複雑な計算となります。この場合、按分計算が必要です。
計算手順の詳細:
- すべての贈与財産を合計
- 合計額から基礎控除110万円を控除
- 課税価格全体に一般税率を適用した税額(A)を計算
- 課税価格全体に特例税率を適用した税額(B)を計算
- 次の算式で最終税額を算出:
- 一般贈与対応分 = A × 一般贈与財産 ÷ 贈与財産の合計
- 特例贈与対応分 = B × 特例贈与財産 ÷ 贈与財産の合計
- 納付税額 = 一般贈与対応分 + 特例贈与対応分

ダウンロードしてお使いください。 画像のエクセルシートがダウンロードでき贈与計算の検算などに使えます。
No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)国税のリンク先 贈与税の計算方法
国税庁https://www.nta.go.jp › shiraberu › taxanswer › zoyo
2025/04/01 — 贈与税の計算は、まず、その年の1月1日から12月31日までの1年間に贈与によりもらった財産の価額を合計します。 続いて、その合計額から基礎控除額110万円 …
税理士事務所での実務計算確認ポイント
年齢要件の確認方法
贈与の年の1月1日時点での年齢で判定します。誕生日が1月2日以降の場合、その年に18歳になっても、その年の贈与は一般贈与となる点に注意が必要です。
直系尊属の範囲と判定基準
養父母も含まれますが、配偶者の父母(義父母)は含まれません。叔父叔母からの贈与も一般贈与となります。
税率表の適用誤り防止策
特例税率表と一般税率表は似ているため、取り違えやすいポイントです。特に200万円超~400万円以下の区分で、特例15%、一般20%と差が大きくなります。
速算表の控除額の確認
速算表の控除額も特例と一般で異なります。必ず該当する表の控除額を使用してください。
エクセル贈与税計算ツールの使用方法
入力項目
- 贈与者の氏名と続柄
- 贈与財産の金額
- 特例贈与・一般贈与の区分
自動計算項目
- 基礎控除後の課税価格
- 適用税率
- 速算控除額
- 贈与税額
- 併用の場合の按分計算
確認機能
- 税率表の自動判定
- 計算過程の表示
- 手計算との照合用の詳細表示
よくある贈与税計算ミスと防止策
ミス1:贈与時期と年齢判定
12月31日に贈与を受けても、年齢判定は1月1日時点で行います。
ミス2:複数の贈与者からの贈与
基礎控除110万円は受贈者単位であり、贈与者ごとではありません。
ミス3:併用時の按分計算
一般贈与分だけに一般税率を適用するのではなく、全体に両方の税率を適用してから按分します。
贈与税申告書作成時のチェックリスト
シミュレーションシートで計算後、以下を確認してください。
□ 贈与者と受贈者の関係性(戸籍謄本で確認)
□ 受贈者の年齢(1月1日時点)
□ 贈与財産の評価額の妥当性
□ 他の贈与者からの贈与の有無
□ 相続時精算課税を選択していないか
□ 贈与契約書の日付と贈与の実行日
今後のツール改良予定
このシミュレーションツールは、今後以下の機能を追加予定です。
- 相続時精算課税制度との比較機能
- 複数年の贈与計画シミュレーション
- 相続税の生前加算を考慮した有利不利判定
- 申告書への転記用データ出力機能
まとめ:正確な贈与税計算のために
贈与税の計算は複雑ですが、このシミュレーションシートを活用することで、確実な計算が可能になります。特に併用パターンの計算では、手計算との照合にこのツールを必ず使用してください。不明な点がございましたら、遠慮なくご質問ください。
このツールを日々の業務で積極的に活用し、正確で効率的な贈与税計算を実現していきましょう。
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事務所概要
税理士法人松野茂税理士事務所
代表税理士:松野 茂
社員税理士:山本 由佳
所属税理士:近畿税理士会 尼崎支部
法人登録番号:第6283号
法人番号:4140005027558
適格請求書発行事業者登録番号(インボイス番号):T4140005027558
所在地:〒660-0861 兵庫県尼崎市御園町24 尼崎第一ビル7F
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営業時間:平日 9:00〜18:00








