過去の医療費控除は何年遡れる?確定申告の有無で変わる期限を詳しく尼崎の税理士が解説

過去の医療費控除は何年遡れる?確定申告の有無で変わる期限を詳しく尼崎の税理士が解説

※この記事は2026年1月時点の情報を基にしています


目次

【緊急】2020年に確定申告をされた方へ。4月15日が本当のラストチャンスです!

2020年(令和2年)に確定申告(または住宅ローン控除・ふるさと納税などのための還付申告)をされた方で、医療費控除を申告し忘れている可能性がある方は、令和8年(2026年)4月15日までが期限です。この日を過ぎると、6年分遡れる最後のチャンスが永久に失われます。


「去年の医療費、控除し忘れてた…」そんなお悩みありませんか?

こんにちは。税理士法人松野茂税理士事務所です。

確定申告の時期が近づくと、よくこんなご相談をいただきます。

「先生、実は去年(あるいはもっと前)、医療費がたくさんかかっていたのに、医療費控除の申告をし忘れていたんです。今からでも間に合いますか?」

結論から申し上げますと、過去の分をさかのぼって申告することができます

でも、ちょっと待ってください。実は「当時確定申告をしていたかどうか」によって、さかのぼれる年数と手続きの方法が変わってくるんです。

  • 確定申告をしていなかった人 → 今年の確定申告含めて5年分(2025〜2021年分)
  • 確定申告をしていた人 → 今年の確定申告含めて最大6年分(2025〜2020年分)
    • ただし6年分にするには令和8年4月15日までに2020年分の更正の請求が必要です

※「確定申告をしていた」には、住宅ローン控除やふるさと納税のための還付申告も含まれます

今回は、そのあたりを会話形式でわかりやすくご説明していきますね。


Q1: そもそも、医療費控除って何年前までさかのぼれるんですか?

A: 実は「確定申告をしていたかどうか」で、さかのぼれる年数が変わります!

これ、とても重要なポイントなんです。

今が2026年1月だとして、具体的に見てみましょう。

パターン1: 当時確定申告をしていなかった場合

→ 今年の確定申告を含めて5年分さかのぼれます

  • 2025年分(令和7年分)← 今年2-3月の確定申告
  • 2024年分(令和6年分)← 2026年12月31日まで
  • 2023年分(令和5年分)← 2026年12月31日まで
  • 2022年分(令和4年分)← 2026年12月31日まで
  • 2021年分(令和3年分)← 2026年12月31日まで

合計5年分です。

注意: 2020年分(令和2年分)は、2025年12月31日で時効になってしまいました。

パターン2: 当時確定申告をしていた場合

→ 今年の確定申告を含めて6年分さかのぼれます

【重要】住宅ローン控除やふるさと納税のために「還付申告」をした方も、こちらのパターンです!

  • 2025年分(令和7年分)← 今年2-3月の確定申告
  • 2024年分(令和6年分)← 2027年3月15日まで
  • 2023年分(令和5年分)← 2027年3月15日まで
  • 2022年分(令和4年分)← 2027年3月15日まで
  • 2021年分(令和3年分)← 2027年3月15日まで
  • 2020年分(令和2年分)← 2026年4月15日まで(コロナ特例)

合計6年分です。

重要! 2020年分を含めて6年分にするには、令和8年(2026年)4月15日までに2020年分の更正の請求をする必要があります。この期限を過ぎると、2021年分以降の5年分になります。

なぜこんな違いが出るの?

確定申告(還付申告を含む)をしていた人の方が、期限の起算日が遅い(3月15日から)ので、その分長く遡れるんです。

ただし! ここで重要なのが、当時あなたが「確定申告をしていたかどうか」なんです。


Q2: 「確定申告をしていたかどうか」で何が違うんですか?

A: 手続きの名前、期限の計算方法、そして遡れる年数が違います

パターン1: 当時確定申告をしていなかった場合

→「還付申告」という手続きになります

会社員の方で年末調整だけで終わっていた、という方はこちらのパターンです。

期限の考え方:

  • その年の翌年1月1日から5年間

たとえば2021年分(令和3年分)なら:

  • 2022年1月1日〜2026年12月31日まで申告できます

つまり、今年いっぱいまで余裕があるということですね。

でも、2020年分(令和2年分)は:

  • 2021年1月1日〜2025年12月31日
  • もう時効です

パターン2: 当時確定申告をしていた場合

→「更正の請求」という手続きになります

「確定申告はしたけど、医療費控除だけ忘れていた」という方はこちらです。

【重要】サラリーマンの方も要注意!

当時、住宅ローン控除やふるさと納税のために「還付申告」をした方も、税務上は「確定申告をしていた」ことになります。つまり、こちらの「更正の請求」に該当しますので、4月15日まで間に合います!

「自分は納税じゃないから関係ない?」と思われるかもしれませんが、還付申告も確定申告の一種です。

期限の考え方:

  • 法定申告期限(通常3月15日)から5年間

たとえば2021年分(令和3年分)なら:

  • 法定申告期限: 2022年3月15日
  • 更正の請求期限: 2027年3月15日まで

そして2020年分(令和2年分)は:

  • 法定申告期限: 2021年4月15日(コロナ特例で延長)
  • 更正の請求期限: 2026年4月15日まで
  • まだ間に合います!

「還付申告」よりも長く遡れるんですね。


Q3: 令和8年4月15日を過ぎるとどうなりますか?

A: 確定申告をしていた人も、5年分しか遡れなくなります

2020年分については、新型コロナウイルスの影響で特別な扱いになっているため、確定申告の有無による違いがハッキリ出ています。

パターン1: 当時確定申告をしていなかった場合(還付申告)

→残念ながら、期限切れです

  • 申告可能期間: 2021年1月1日 〜 2025年12月31日
  • 2026年の年明けとともに時効を迎えてしまいました

「あと数週間早く気づいていれば…」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。残念ですが、この場合は2021年分以降で検討しましょう。

パターン2: 当時確定申告をしていた場合(更正の請求)

→まだ間に合います!2026年4月15日までです

  • 通常の法定申告期限: 3月15日
  • 2020年分の法定申告期限: 4月15日(コロナによる一律延長)
  • 更正の請求期限: 2021年4月15日 + 5年 = 2026年4月15日

これが「遡れる年数の違い」の実例です

同じ2020年分の医療費控除でも:

  • 確定申告していなかった人 → もう間に合わない
  • 確定申告していた人 → あと約3ヶ月弱チャンスがある!

ただし、2026年4月15日を過ぎると…

確定申告をしていた人も、2020年分は時効になり、2021年分以降の5年分しか遡れなくなります。つまり:

  • 2026年4月15日まで → 6年分(2025〜2020年分)
  • 2026年4月16日以降 → 5年分(2025〜2021年分)

今すぐ確認すべき方

2020年に確定申告をしていて、以下に該当する方は、今すぐ2020年分の医療費を確認してください:

  • 入院や手術をした
  • 出産した
  • 歯科で高額な治療を受けた
  • 家族全員の医療費を合計すると10万円を超えそう

4月15日までが6年分申告できるラストチャンスです!


Q4: 実際に申告するには、何が必要ですか?

A: 主に2つのものが必要です

1. 医療費控除の明細書

以前は領収書を提出していましたが、現在(2017年分以降)は**「医療費控除の明細書」の作成・提出が必須**となっています。

過去の年分をさかのぼって申告する場合も、現在のルールに従って明細書を作成します。

2. 領収書(自宅保管)

領収書は提出不要になりましたが、自宅で5年間保管する必要があります。

税務署から「確認させてください」と言われた時のために、きちんと取っておきましょう。


Q5: 書類はどうやって作ればいいですか?

A: 国税庁の「確定申告書等作成コーナー」がオススメです

国税庁のホームページにある「確定申告書等作成コーナー」では、過去の年分も選択して申告書を作成できます。

手順:

  1. 作成コーナーにアクセス
  2. 申告する年分を選択(例: 令和3年分)
  3. 画面の指示に従って入力
  4. 印刷して税務署に提出、またはe-Taxで送信

初めての方は少し戸惑うかもしれませんが、画面の指示に従えば比較的スムーズに作成できますよ。


Q6: 医療費控除の対象になる医療費って、どんなものですか?

A: 意外と幅広いんです

対象になる主な医療費

  • 病院や診療所での診察・治療費
  • 薬局で購入した処方薬
  • 入院費用
  • 歯科治療費(保険適用外の治療も一部対象)
  • 出産費用
  • 通院のための交通費(公共交通機関)

対象にならないもの

  • 美容目的の治療
  • 健康診断や人間ドックの費用(病気が見つからなかった場合)
  • マイカー通院のガソリン代や駐車場代
  • ビタミン剤などの健康増進目的のもの

迷った時は、「治療目的かどうか」が判断のポイントになります。


Q7: 家族の分もまとめて申告できますか?

A: できます!生計を一にする家族なら合算可能です

同じ財布で生活している家族(配偶者、子ども、同居の親など)の医療費は、まとめて申告できます。

たとえば:

  • あなた: 15万円
  • 配偶者: 8万円
  • お子さん: 5万円

合計28万円として申告できるので、控除額が大きくなる可能性があります。

ポイント: 収入が多い方が申告した方が、税率が高い分、還付金も多くなる傾向があります。


Q8: 10万円以下でも申告できますか?

A: できる場合があります

医療費控除の対象は、原則として「年間の医療費 – 10万円」を超える部分です。

ただし、総所得金額等が200万円未満の方は、「年間の医療費 – 総所得金額等の5%」となります。

例:

  • 総所得金額等が150万円の場合
  • 医療費が10万円かかった場合
  • 控除額: 10万円 – (150万円×5%) = 2.5万円

意外と少額でも対象になるケースがありますので、あきらめずに計算してみましょう。

【重要】税金が0円だった方への注意

医療費控除は、あくまで「払った税金(または払う予定の税金)を減らす」制度です。

住宅ローン控除などで、当時の所得税がすでに0円だった場合:

  • 所得税の還付は受けられません
  • ただし、住民税が減額される可能性はあります

こんな方はご注意を:

  • 住宅ローン控除で所得税が全額還付されていた
  • その他の控除で所得税が0円になっていた

ご不安な場合は、当時の源泉徴収票確定申告書の控えをご用意の上、税理士にご相談ください。「医療費控除を申請したけど、還付金が思ったより少ない(またはゼロ)」というケースを避けることができます。


【緊急】2020年に確定申告・還付申告をした方へ

もし2020年に確定申告(または住宅ローン控除・ふるさと納税などのための還付申告)をしていて、医療費控除を申告し忘れている可能性がある方は、今すぐ行動してください

4月15日を過ぎると、この機会は永久に失われます。

該当する可能性がある方

2020年(令和2年)に以下のいずれかに該当する方:

  • 入院や手術をした
  • 出産した
  • 歯科で高額な治療を受けた
  • 家族全員の医療費が合計10万円を超えていた可能性がある

そして、2020年に確定申告をしていた方(住宅ローン控除・ふるさと納税の還付申告を含む)

4月15日までにやるべきこと

  1. 2020年の医療費を確認
    • 領収書やクレジットカードの明細を確認
    • 家族全員の医療費を合計
  2. 10万円(または総所得の5%)を超えるか確認
    • 超えている場合は還付の可能性あり
  3. 更正の請求書を作成・提出
    • 国税庁の確定申告書等作成コーナーで作成可能
    • 税務署への提出または e-Tax で送信

迷っている時間はありません!

「10万円を少し超える程度だから…」と思っても、還付金が数万円になることも珍しくありません。4月15日を過ぎると、6年分遡れる最後のチャンスが永久に失われます。

「自分の場合はどうなんだろう?」と少しでも迷ったら、お早めに税理士にご相談ください。当事務所では、無料で簡易診断も承っております。


まとめ:過去の医療費控除、諦める前にまずチェック!

最後に、今回のポイントをおさらいしましょう。

押さえておきたいポイント

  1. 遡れる年数が違う!
    • 確定申告をしていなかった → 今年の確定申告含めて5年分
    • 確定申告をしていた(還付申告を含む) → 今年の確定申告含めて最大6年分
    • ただし6年分にするには令和8年(2026年)4月15日までに2020年分の更正の請求が必要
  2. 確定申告をしていなかった → 還付申告(その年の翌年1月1日から5年間)
  3. 確定申告をしていた(住宅ローン控除・ふるさと納税の還付申告を含む) → 更正の請求(法定申告期限から5年間)
  4. 2020年分は特別:
    • 未申告だった場合 → 2025年12月31日で期限切れ
    • 申告済みだった場合 → 2026年4月15日まで間に合う!(ラストチャンス)
  5. 2021年分以降は、まだ十分チャンスがある
  6. 住宅ローン控除などで所得税が0円だった場合は、所得税の還付は受けられない可能性あり

こんな方は、ぜひ検討を!

【最優先】2020年に確定申告・還付申告をした方(2026年4月15日までに行動を!)

  • 「2020年に入院や手術をした」
  • 「2020年に出産した」
  • 「2020年に歯科で高額な治療を受けた」
  • 「2020年に住宅ローン控除やふるさと納税で還付申告をした」 → 6年分申告できるラストチャンス!今すぐご確認を

【まだ余裕があります】2021年分以降の方

  • 「医療費がかかったけど、面倒で申告していなかった」
  • 「確定申告はしたけど、医療費控除だけ忘れていた」
  • 「家族の医療費を合算したら、けっこうな額になりそう」 → まだ1年以上の猶予がありますが、早めの対応がオススメです

迷ったら、お気軽にご相談ください

「自分の場合はどうなんだろう?」 「計算がよくわからない…」 「手続きが不安…」

そんな時は、お気軽に税務署などにご相談ください。

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TEL: 06-6419-5140


この記事が、過去の医療費控除でお悩みの方のお役に立てれば幸いです。少しでも還付を受けられる可能性があるなら、諦める前にぜひ一度ご確認くださいね!

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