安定株主として長期間保有してももらうためには従業員持ち株会がベストです。
長年経営を続け同族株主のいる会社の場合は株式が分散している会社は多くあります。
分散している株式は無議決権株式にしていれば会社の経営に影響はほとんどありませんが過度に分散しすぎると社長として気がかりになることもあると思います。
時間をかけて 株式の保有からか原則法で買い取る方法 同族株主以外の従業員や取引先に買い取ってもらう方法 など交渉していくことになりますが一般社団法人を設立する方法が多く採用されています。
一般社団法人の課税関係
1)配当還元法による取得が可能となる条件
①課税時期において取得後の議決権割合が5%未満で②他に中心的な同族株主がいて ③評価対象者が中心的な同族株主でなく ④会社の役員又は役員見込み者でなく ⑤その他の株主に該当そる場合は
売主が【その他の株主】 買主が一般社団法人である場合は 一般社団法人はご存じの通り持ち分が無いことから【同族株主以外の株主】に該当しますので配当還元法による取得が可能となります。
2)一般社団法人が同族株主とみなされる場合は
平成17年10月12日 東京地裁判決
会長(同族株主)から、取引先の会長(非同族株主)への株式譲渡において、実質的な支配関係に基づき譲渡先法人(K社)を「同族関係者」として取り扱い、配当還元方式でなく原則的評価方式による株価評価が適用された事例。
この判決では、形式的にはK社が同族関係者でない場合でも、支配関係や意思決定に強く関与している場合には、通達の解釈を超えて実質で「同族株主」と認定される可能性が指摘された。
令和4年11月21日 裁決(TAINS:F0-1-1578)
同族株主が保有する同族会社株式を一般社団法人に譲渡したケースで、「中心的な同族株主」と認定され、配当還元方式が否認された事例。
社団法人設立に関与し、その時の社団法人理事が譲渡元株主グループで占められていたため、税務当局は「純然たる第三者間」取引とは認めず、同族株主の譲渡として取り扱った。
判例・裁決のポイント
形式的な出資割合や役員構成だけではなく、実質的な支配や意思決定への影響力も重視される。
一般社団法人等の第三者性を主張しても、実際に支配構造や親族・関係者が理事に多い場合は「同族株主」とみなされる。
これにより株価評価方法や課税区分が大きく変わるため、特に「中小会社判定」や「原則的評価方式」適用時に実務で注意喚起されている。
このような判例は、株式譲渡・事業承継、同族会社税務における実質判定の重要性を示しています示しています。
この判決を受け 一般社団法人が【同族株主とみなされる】危険性が増していいます。
ポイントは 節税を目的として 中心的な同族株主から 同族株主以外のもの(一般社団法人)への株式の移転は NGとなります。
節税を目的としない場合 同族株主以外の株主又は 同族株主でも 中心的な同族株主でなく 役員又は役員見込み者でもない【その他の株主】から 一般社団法人へ株式を移転した場合ではありません。 しかしながら一般社団法人事態を 同族株主とみなしていることから大きなリスクが存在しています。
ハイリスク
判決が出るまでは 会社の社長が一般社団法人の理事長を兼任していないなど リスクを回避する方法が 色々な書籍で説明がなされていますが同族株主とみなされた場合は 一般社団法人の保有する株式の評価が配当還元法ではなく原則法で評価されてしまい。 純資産の一部が 一般社団法人に相続税が課税されてしまいます。
理事に高齢者を入れない 理事の数を増やして純資産の課税割合を減らすなどの方法が検討されていますが明確な答えはありません。
非営利型の一般社団法人の提案
多くの税理士法人では 理事の構成員を慎重に判断して 非営利型の一般法人を設立して少数株主から一時的な受け皿のみに利用して 従業員持ち株会や役員が買い戻す一時的に保有させるなど実際に一般社団法人を活動させています。 第3社としての独立性を確保させることが非常に重要です。 リスクを多くとることは勧められません。
ペーパー上の知事にして理事の意見が常に中心的な同族株主と一致しているかなどしていれば 非営利型の一般社団法でも同族株主とみなされますので慎重に非営利型の一般社団法人を運営する必要があります。
実態重視の税務判断
第三者性・独立性
一般社団法人が形式だけでなく、実際に独立した意思決定を行い、社長や同族株主の支配から離れて運営されていれば、租税回避のスキームとはされません。
主体性のある活動
実際に譲渡された株式を法人自身の判断で管理・運用し、理事構成も同族以外で独立していれば、税務上の否認リスクは低くなります。
一時的保有で運営と管理の実態が伴えば問題ないと考えられる
ペーパーカンパニーや「節税だけが目的」と判断されなければ、実態のある受け皿会社による株式保有は合法的な事業承継の一手段となります。
実務上のポイント
税務当局は形式ばかりではなく、理事の構成や日常的な運営、株式管理の実態を詳細にチェックします。
実態が明確なら、租税回避目的ではなく「事業承継や安定株主の確保」という本来目的による利用であると説明できれば、否認リスクも低減します。







