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相談事例から見えた落とし穴
先日、相続不動産の譲渡に関する相談で、空き家特例の適用可否について興味深い事例がありました。空き家特例は代襲相続人にも適用されることは広く知られていますが、二次相続が絡むケースでは注意が必要です。
事例の概要
相続関係
- 被相続人:甲(空き家の所有者)
- 相続人:AとB(甲の子)
- Bは甲の相続開始後2ヶ月で死亡
- Bの相続人:C(Bの子)
経緯 甲が亡他し、相続人AとBが空き家を相続しました。ところが、その空き家を譲渡する前に、Bが亡くなってしまいました。Bの相続人Cが、Bの持分を相続し、その後AとCが共同で空き家を譲渡しました。
空き家特例の適用可否
Aの場合:適用あり
Aは甲から直接相続により取得し、譲渡しているため、空き家特例の適用を受けることができます。
Cの場合:適用なし
Cは甲から直接相続したわけではなく、Bからの相続により取得しています。つまり、Cにとってこの不動産は「甲の相続により取得した」ものではないため、空き家特例は適用できません。
代襲相続との違いに注意
空き家特例は代襲相続人にも適用されます。しかし、今回のケースは代襲相続ではありません。
代襲相続の場合
- 甲の相続開始「前」にBが死亡
- CはBを代襲して甲から直接相続
- → Cにも空き家特例の適用あり
二次相続の場合(今回のケース)
- 甲の相続開始「後」にBが死亡
- CはBから相続(甲→B→Cという二段階の相続)
- → Cには空き家特例の適用なし
実務上の留意点
このような二次相続が発生するケースでは、相続登記や譲渡のタイミングによって税負担が大きく変わる可能性があります。
相続不動産の譲渡を検討されている方で、相続人の中に高齢の方や健康上の不安がある方がいらっしゃる場合は、早めの対策が重要です。空き家特例の適用要件は複雑ですので、専門家にご相談されることをお勧めします。
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