【2025-2026年版】住宅ローン控除の大改正を徹底解説 – 令和7年から令和8年度改正へ | 尼崎の税理士が解説

【2025-2026年版】住宅ローン控除の大改正を徹底解説 - 令和7年から令和8年度改正へ | 尼崎の税理士が解説
目次

はじめに

住宅ローン控除制度は、令和7年(2025年)に続き、令和8年度(2026年度)税制改正大綱により大きな変更が盛り込まれました。特に買取再販住宅以外の既存住宅における控除期間の延長は、住宅購入を検討されている方にとって見逃せない改正です。

税理士法人松野茂税理士事務所では、30年以上にわたり不動産税務に携わってきた経験から、この改正が実務に与える影響を詳しく解説いたします。

※本記事は令和8年度税制改正大綱(2025年12月26日閣議決定)に基づく内容です。正式な法令化は2026年春頃の予定です。


令和7年(2025年)の住宅ローン控除制度

まずは、令和7年(2025年)時点での制度内容を整理します。

1. 新築住宅

(1) 省エネ基準適合が必須条件に

2024年1月1日以降に建築確認を受ける新築住宅は、省エネ基準に適合していないと住宅ローン控除の対象外となります。

ただし、以下の経過措置があります:

  • 2023年12月31日以前に建築確認を受けた住宅
  • 2024年6月30日以前に建築された住宅

これらは「その他の住宅」として借入限度額2,000万円、控除期間10年で控除が受けられる場合があります。

(2) 住宅区分別の控除限度額(2025年入居)

住宅区分借入限度額控除期間最大控除額子育て等世帯※
認定長期優良住宅・低炭素住宅4,500万円13年409.5万円5,000万円(455万円)
ZEH水準省エネ住宅3,500万円13年318.5万円4,500万円(409.5万円)
省エネ基準適合住宅2,000万円13年182万円3,000万円(273万円)
その他の住宅(省エネ非適合)対象外0円対象外

※子育て等世帯:19歳未満の子を有する世帯または40歳未満の若者夫婦世帯
※経過措置により一部対象となる場合があります

(3) 2028年(令和10年)以降の重要な変更

2028年(令和10年)以降に建築確認を受ける新築住宅は、「省エネ基準適合住宅」が控除対象外となります(一定の経過措置あり)。実質的に、認定長期優良住宅・低炭素住宅またはZEH水準省エネ住宅の取得が必須となります。

2. 買取再販住宅

(1) 買取再販住宅とは

不動産会社(宅建事業者)が築10年以上の中古住宅を買い取り、一定のリフォーム工事を施して再販売する住宅のことです。

(2) 認定要件

  • 新築後10年以上経過
  • 宅建事業者の取得から再販売までが2年以内
  • リフォーム工事費が建物価格(税込)の20%以上、または300万円以上
  • 特定増改築等に該当する工事(一定額以上)
  • 新耐震基準への適合

(3) 控除限度額(2025年入居)

住宅区分借入限度額控除期間最大控除額子育て等世帯
認定長期優良住宅・低炭素住宅4,500万円13年409.5万円5,000万円(455万円)
ZEH水準省エネ住宅3,500万円13年318.5万円4,500万円(409.5万円)
省エネ基準適合住宅2,000万円13年182万円3,000万円(273万円)
その他の住宅(認定なし)2,000万円10年140万円2,000万円(140万円)

重要ポイント: 増改築等工事証明書の取得が必要となります(詳細は個別にご確認ください)。この証明書がなければ一般既存住宅扱いとなります。

3. 買取再販住宅以外の既存住宅

(1) 令和7年(2025年)時点の制度

住宅区分借入限度額控除期間最大控除額
認定住宅等※3,000万円10年210万円
その他の既存住宅2,000万円10年140万円

買取再販要件を満たさない既存住宅の場合:

※認定長期優良住宅・低炭素住宅・ZEH水準省エネ住宅・省エネ基準適合住宅等

該当するケース:

  • 個人から個人への売買(仲介物件)
  • 不動産会社からの購入でも、買取再販要件(リフォーム工事費等)を満たさない場合

(2) 適用要件

  • 床面積40㎡以上(合計所得1,000万円以下の場合)
  • 建築時期または耐震基準:
    • 昭和57年(1982年)1月1日以後に建築された住宅、または
    • 耐震基準に適合することが証明されたもの(耐震基準適合証明書等)
    • ※一般に、木造は築20年以内、耐火建築物は築25年以内が目安ですが、法令上の要件は建築時期または耐震証明です
  • 返済期間10年以上の住宅ローン
  • 合計所得金額2,000万円以下(40㎡以上50㎡未満は1,000万円以下)
  • 購入後6ヶ月以内に入居し、引き続き居住
  • 生計を一にする親族や特別な関係がある者からの取得でないこと

(3) 令和7年時点での課題

省エネ性能を有する既存住宅でも、控除期間は10年に限定されていました。これは買取再販住宅(13年)との大きな格差となっていました。


令和8年度(2026年度)税制改正大綱の内容

※以下は令和8年度税制改正大綱(2025年12月26日閣議決定)に盛り込まれた内容です。正式な法令化は2026年春頃を予定しています。

最大の変更点:既存住宅の控除期間延長

令和8年度税制改正大綱により、2026年以降に入居する省エネ性能の高い既存住宅について、控除期間を13年間に拡充する方針が盛り込まれました。

改正後の買取再販住宅以外の既存住宅の控除限度額(見込み)

住宅区分借入限度額控除期間最大控除額子育て等世帯
認定長期優良住宅・低炭素住宅3,500万円13年318.5万円4,500万円(409.5万円)
ZEH水準省エネ住宅3,500万円13年318.5万円4,500万円(409.5万円)
省エネ基準適合住宅2,000万円13年182万円3,000万円(273万円)
その他の住宅(認定なし)2,000万円10年140万円2,000万円(140万円)

控除額の差の拡大

この改正により、認定のある既存住宅と認定のない既存住宅の間に最大178.5万円の控除額差が生じることになります。

具体例:買取再販住宅以外の既存住宅を購入(2026年以降入居の場合)

項目認定長期優良住宅認定なし(一般住宅)差額
借入限度額3,500万円2,000万円
控除期間13年10年
最大控除額318.5万円140万円178.5万円

令和7年と令和8年度改正の主な変更点まとめ

変更点の全体像

項目令和7年(2025年)令和8年度改正大綱(2026年以降)※
新築住宅省エネ基準適合が必須変更なし(2028年以降さらに厳格化)
買取再販住宅省エネ認定で13年適用変更なし
その他の既存住宅(省エネ認定あり)控除期間10年控除期間13年 ⬆️
その他の既存住宅(認定なし)控除期間10年変更なし

※法令化を前提とした内容

最も重要な3つのポイント

1. 売主属性から省エネ性能への重視転換

従来の考え方(令和7年):

  • 買取再販住宅(不動産会社がリフォームして再販) → 13年
  • その他の既存住宅(買取再販要件を満たさない) → 10年

新しい考え方(令和8年度改正):

  • 省エネ性能あり → 13年(買取再販か否かを問わず)
  • 省エネ性能なし → 10年

2. 認定の有無による控除額差の拡大

既存住宅における控除額比較(改正後):

  • 認定長期優良住宅: 最大318.5万円(13年)
  • 認定なし: 最大140万円(10年)
  • 差額: 178.5万円

3. 2028年以降の新築と既存住宅の扱いの違い

2028年(令和10年)以降、新築の「省エネ基準適合住宅」は控除対象外となる一方(経過措置あり)、既存住宅の「省エネ基準適合住宅」は13年控除が継続される見込みです。既存住宅の利活用と省エネ改修を促進するという政策意図が明確です。


Q&A – よくある質問

Q1. 改正はいつから適用されますか?

A: 令和8年度税制改正大綱に盛り込まれた内容は、2026年以降に入居する住宅からの適用が見込まれます。正式な法律の成立・施行は2026年春頃となる予定です。

法令化までは内容が変更される可能性もありますので、最新情報を確認してください。

Q2. 省エネ認定がないと、住宅ローン控除は一切受けられないのですか?

A: いいえ。住宅の種類によって異なります。

  • 新築住宅: 原則として省エネ基準適合が必須です(経過措置を除く)。認定なしは対象外となります。
  • 買取再販住宅以外の既存住宅: 認定なしでも10年間、借入限度額2,000万円で控除が受けられます。
  • 買取再販住宅: 認定なしでも10年間、借入限度額2,000万円で控除が受けられます。

ただし、認定がある場合は控除期間が13年に延長され、控除額が大幅に増加します。

Q3. 買取再販住宅と「その他の既存住宅」はどう違うのですか?

A: 以下のような違いがあります。

買取再販住宅:

  • 不動産会社が買取→リフォーム→再販売
  • リフォーム工事費が建物価格の20%以上または300万円以上
  • 増改築等工事証明書が必要
  • 省エネ認定ありの場合、借入限度額4,500万円(最大455万円控除)

その他の既存住宅:

  • 買取再販要件を満たさない既存住宅全般
  • 個人から個人への売買(仲介物件)
  • 不動産会社からの購入でも、リフォーム工事費等の要件を満たさない場合
  • 省エネ認定ありの場合、令和8年度改正後は借入限度額3,500万円(最大318.5万円控除)

Q4. 「省エネ認定」とは具体的に何を指しますか?

A: 以下のいずれかの認定・証明を指します。

  1. 認定長期優良住宅 – 耐震性・省エネ性・維持管理容易性などの基準を満たし、所管行政庁の認定を受けた住宅
  2. 認定低炭素住宅 – CO2排出削減に資する省エネ性能を有し、所管行政庁の認定を受けた住宅
  3. ZEH水準省エネ住宅 – ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)相当の省エネ性能を有する住宅
  4. 省エネ基準適合住宅 – 建築物省エネ法の省エネ基準に適合する住宅

いずれも証明書(認定書または住宅性能評価書等)の取得が必要です。

Q5. 既存住宅で築年数が古い場合、控除は受けられますか?

A: 建築時期または耐震基準による制限があります。

法令上の要件:

  • 昭和57年(1982年)1月1日以後に建築された住宅、または
  • 耐震基準適合証明書等により新耐震基準への適合が証明されたもの

一般的な目安:

  • 木造住宅: 築20年以内
  • 耐火建築物(鉄筋コンクリート造など): 築25年以内

これらの年数を超える場合は、耐震基準適合証明書の取得が必須です。証明書があれば築年数に関わらず控除が受けられます。

Q6. 省エネ認定を取得するにはどうすればよいですか?

A: 以下の方法があります。

新築時に取得する場合:

  • 建築士や住宅メーカーに設計段階から省エネ基準対応を依頼
  • 認定申請を所管行政庁または登録住宅性能評価機関に行う

既存住宅(中古)の場合:

  • 建築士による調査で既に基準を満たしているか確認
  • 満たしていない場合は、省エネ改修工事を実施
  • 住宅性能評価または証明書を取得

費用: 認定取得費用は10万円〜30万円程度ですが、控除額増加(最大178.5万円の差)を考えると、十分に元が取れます。

Q7. 購入後に省エネ認定を取得しても控除は受けられますか?

A: 原則として、入居前に認定を取得する必要があります。

ただし、以下の場合は例外的に認められることがあります:

  • 購入時に既に工事契約があり、入居前に工事完了・認定取得が確実な場合
  • リフォーム一体型ローンを組んでいる場合

税務上の取扱いは複雑ですので、購入前に税理士にご相談ください。

Q8. 子育て等世帯とは具体的にどのような世帯ですか?

A: 以下のいずれかに該当する世帯です。

  1. 19歳未満の子を有する世帯 – 扶養親族である子が19歳未満(入居年の12月31日時点)
  2. 40歳未満の若者夫婦世帯 – 夫婦のいずれかが40歳未満(入居年の12月31日時点)

該当する場合、借入限度額が上乗せされ、控除額が大幅に増加します。

Q9. 不動産会社から購入してもリフォーム工事がない場合はどうなりますか?

A: 買取再販住宅として認定されず、その他の既存住宅扱いとなります。

不動産会社から購入=買取再販住宅ではありません。以下の要件を満たす必要があります:

  • リフォーム工事費が建物価格の20%以上、または300万円以上
  • 特定増改築等に該当する工事(一定額以上)
  • 増改築等工事証明書の取得

証明書がなければ、借入限度額2,000万円、控除期間10年となります。

Q10. 2028年(令和10年)以降、新築の省エネ基準適合住宅が対象外になるのはなぜですか?

A: 政策的に、より高い省エネ性能の普及を促進するためです。

2028年(令和10年)以降に建築確認を受ける新築住宅は、認定長期優良住宅・低炭素住宅またはZEH水準省エネ住宅の取得が実質的に必須となります(一定の経過措置あり)。

一方、既存住宅の「省エネ基準適合住宅」は引き続き13年控除が適用される見込みです。これは既存住宅の利活用促進と省エネ改修の推奨を目的としています。

Q11. 床面積40㎡以上50㎡未満の住宅を購入する場合の注意点は?

A: 以下の制限があります。

  • 所得制限: 合計所得金額が1,000万円以下の年のみ控除適用
  • 所得が1,000万円を超える年: その年は控除が受けられません

通常の床面積要件(50㎡以上)では所得制限が2,000万円以下ですので、より厳しい制限となります。

Q12. 親族から住宅を購入した場合も控除は受けられますか?

A: いいえ、生計を一にする親族や特別な関係がある者からの取得は控除対象外です。

親族間での名義変更や資産移転を税制優遇の対象から除外するためです。

Q13. 既存住宅で省エネ認定を取得するメリットは?

A: 令和8年度改正により、メリットが大幅に拡大する見込みです。

令和7年(2025年):

  • 認定あり: 借入限度額3,000万円、控除期間10年、最大210万円
  • 認定なし: 借入限度額2,000万円、控除期間10年、最大140万円
  • 差額: 70万円

令和8年度改正後(2026年以降入居見込み):

  • 認定あり: 借入限度額3,500万円、控除期間13年、最大318.5万円
  • 認定なし: 借入限度額2,000万円、控除期間10年、最大140万円
  • 差額: 178.5万円

認定取得費用(10万円〜30万円)を大きく上回るメリットがあります。

Q14. 耐震基準適合証明書とは何ですか?取得は必須ですか?

A: 新耐震基準(1981年6月1日以降の基準)に適合していることを証明する書類です。

必須となる場合:

  • 昭和57年(1982年)1月1日より前に建築された住宅

取得方法:

  • 建築士による調査・証明
  • 登録住宅性能評価機関による評価

費用: 5万円〜15万円程度

証明書がない場合、住宅ローン控除は受けられません。既存住宅購入時は必ず確認してください。

Q15. 改正により実務上、何を確認すべきですか?

A: 住宅購入時に以下を必ず確認してください。

購入前の確認事項:

  • [ ] 新築・買取再販・その他の既存住宅のいずれか
  • [ ] 省エネ認定の種類(長期優良住宅、ZEH水準、省エネ基準適合)
  • [ ] 認定書または住宅性能評価書の取得状況
  • [ ] 建築確認日(新築の場合)
  • [ ] 建築年月日(昭和57年1月1日以後か)
  • [ ] 耐震基準適合証明書の有無(昭和57年より前の建築の場合)
  • [ ] 床面積(40㎡以上)
  • [ ] 買取再販の場合:増改築等工事証明書の有無
  • [ ] 子育て等世帯に該当するか
  • [ ] 入居予定時期(2025年か2026年以降か)

購入後の確認事項:

  • [ ] 入居日(6ヶ月以内に入居)
  • [ ] 住宅ローンの返済期間(10年以上)
  • [ ] 合計所得金額(2,000万円以下、または1,000万円以下)

税理士にご相談いただければ、適切な控除額を試算し、必要書類をご案内いたします。


まとめ – 改正のポイント

3つの重要な変化

  1. 既存住宅でも省エネ性能で13年控除へ(法令化前提)
    • これまで10年に限定されていた既存住宅の控除期間が、省エネ性能があれば13年に延長される見込みです
  2. 売主属性から省エネ性能重視へ
    • 「買取再販か否か」よりも「省エネ性能があるか」が重要な判断基準になります
  3. 認定の有無で最大178.5万円の差
    • 既存住宅において、認定があるかないかで控除額に大きな差が生じます

住宅購入を検討されている方へ

この改正により、省エネ性能の証明取得が住宅ローン控除額を最大化する鍵となります。

  • 新築購入の場合: 省エネ基準適合が必須。2028年以降はさらに高い基準が求められます
  • 既存住宅購入の場合: 省エネ認定の有無を必ず確認してください
  • リフォーム予定の場合: 省エネ改修で認定を取得することで、控除額が大幅に増加します

税務相談のご案内

住宅ローン控除は複雑な制度です。以下のようなケースでは、専門家へのご相談をお勧めします:

  • 省エネ認定の取得可否や費用対効果の判断
  • 買取再販住宅の要件該当性の確認
  • 築年数が古い住宅の耐震基準適合証明書の必要性
  • 控除額の具体的な試算
  • 必要書類の準備と確定申告のサポート
  • 2025年入居か2026年以降入居かの判断
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執筆: 税理士法人松野茂税理士事務所
最終更新日: 2025年1月

※重要な注意事項
本記事は令和8年度税制改正大綱(2025年12月26日閣議決定)に基づく内容です。正式な法令化は2026年春頃を予定しており、内容が変更される可能性があります。実際の適用にあたっては、最新の法令および通達をご確認ください。

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