スタッフとの会話で分かる!創業融資をスムーズに進める方法
スタッフA:「所長、創業資金の借入れって、どこに申し込めばいいんですか?」
所長:「創業融資なら、まず国民政策金融公庫を検討すべきだね」
スタッフB:「国民政策金融公庫?銀行じゃないんですか?」
所長:「民間の銀行は、実績のない創業者への融資に消極的なんだ。でも国民政策金融公庫は、創業者支援が使命だから、積極的に融資してくれるんだよ。今日はその申込みの流れを教えよう」
国民政策金融公庫とは
スタッフA:「国民政策金融公庫って、どんな機関なんですか?」
所長:「政府系の金融機関で、中小企業や創業者を支援することが目的なんだ」
国民政策金融公庫の特徴
創業者にとってのメリット:
- ✅ 実績がなくても融資を受けられる可能性が高い
- ✅ 金利が低い(1〜2%程度)
- ✅ 無担保・無保証人の制度もある
- ✅ 返済期間が長い(運転資金7年、設備資金10〜20年)
- ✅ 創業計画書の書き方を相談できる
民間銀行との違い:
- 民間銀行:実績重視、担保・保証人必須
- 国民政策金融公庫:将来性重視、創業支援が目的
スタッフB:「創業者には本当に心強いですね」
所長:「そう。だから創業融資は、まず国民政策金融公庫から検討すべきなんだ」
【ステップ1】初回問い合わせ
所長:「じゃあ、具体的な申込みの流れを説明しよう。まずは初回の問い合わせからだ」
スタッフA:「どこに連絡すればいいんですか?」
所長:「初めて融資を申し込む場合は、国民政策金融公庫に電話して、借入申込書類を一式郵送してもらうんだ」
問い合わせ先
事業資金相談ダイヤル(総合窓口):
0120-154-505(行こうよ!公庫)
受付時間:
- 平日 9:00〜19:00
- 土日祝日は除く
スタッフB:「『行こうよ!公庫』って覚えやすいですね」
所長:「そう。この番号に電話して『創業融資を受けたい』と伝えれば、必要な書類を郵送してもらえるんだ」
インターネットでの入手も可能
所長:「書類はインターネットでもダウンロードできるよ」
ダウンロード方法:
- 国民政策金融公庫のホームページにアクセス
- 「創業をお考えの方」のページへ
- 「借入申込書」「創業計画書」をダウンロード
スタッフA:「ネットの方が早いですね」
所長:「そうだね。ただし、初めての人は電話で相談しながら進めた方が安心かもしれないよ」
【ステップ2】必要書類の準備
スタッフB:「どんな書類が必要なんですか?」
所長:「主に3つの書類を準備する必要があるんだ」
必要書類
1. 借入申込書
- 申込金額
- 資金の使い道
- 返済期間の希望
- 代表者の情報
2. 創業計画書
- 創業の動機
- 経営者の経歴
- 取扱商品・サービス
- 取引先・取引条件
- 必要な資金と調達方法
- 事業の見通し(売上・経費の予測)
3. 企業概況書
- 事業内容の詳細
- 従業員数
- 事業所の概要
その他必要な書類:
- 本人確認書類(運転免許証等)
- 自己資金の確認資料(通帳のコピー)
- 見積書(設備資金の場合)
- 不動産の登記簿謄本(担保提供の場合)
スタッフA:「結構たくさんありますね」
所長:「そう。特に創業計画書が重要なんだ。これをしっかり作らないと融資は受けられないよ」
創業計画書の書き方のポイント
スタッフB:「創業計画書って、どう書けばいいんですか?」
所長:「これが一番の難関なんだ。ポイントを教えよう」
創業計画書の重要ポイント
1. 創業の動機(なぜこの事業をやるのか)
- 具体的で説得力のある理由
- 「儲かりそうだから」はNG
- 自分の経験や想いを書く
2. 経営者の経歴(なぜあなたにできるのか)
- 関連業種での勤務経験
- 習得した技能・ノウハウ
- 業界での人脈
3. 取扱商品・サービス(何を売るのか)
- 具体的な商品・サービス内容
- セールスポイント(独自性)
- ターゲット顧客
4. 必要な資金と調達方法
- 設備資金と運転資金の内訳
- 自己資金の金額
- 借入希望額
5. 事業の見通し(本当に返済できるのか)
- 売上高の根拠
- 経費の積算
- 利益の見込み
- ここが最重要!
所長:「特に事業の見通しが甘いと、融資は通らないんだ」
よくある失敗例
❌ 悪い例:
- 売上:月500万円(根拠なし)
- 経費:月300万円(ざっくり)
- 利益:月200万円(楽観的)
✅ 良い例:
- 売上:月300万円(客単価3000円×客数100人×営業日数30日)
- 経費:月250万円(家賃50万円、人件費120万円、仕入100万円など詳細に)
- 利益:月50万円(保守的な見積もり)
スタッフA:「具体的な根拠が必要なんですね」
所長:「そう。『なんとなく』『多分』では絶対に通らない。根拠のある数字が必要なんだ」
【ステップ3】書類の提出
スタッフB:「書類ができたら、どうするんですか?」
所長:「管轄の支店に郵送するんだ」
提出方法
郵送する書類:
- 借入申込書
- 創業計画書
- 企業概況書
- その他添付書類
提出先:
- 事業所の所在地を管轄する支店
- 尼崎市の場合:神戸支店または大阪支店
提出方法:
- 郵送
- または窓口持参
- ※最近はオンライン申込みも可能
所長:「書類を提出すると、公庫の担当者が内容を確認して、面談の日程を決めてくれるんだ」
【ステップ4】面談(一番重要!)
スタッフA:「面談って、何を聞かれるんですか?」
所長:「これが融資の成否を分ける最重要ステップなんだ」
面談で聞かれること
基本的な質問:
- なぜこの事業を始めようと思ったのですか?
- この業界での経験はありますか?
- 自己資金はどのように貯めましたか?
- 売上の見込みの根拠は?
- 競合はどこですか?競合との違いは?
- 顧客は誰ですか?どうやって集客しますか?
- 家族は賛成していますか?
- 借入金の返済計画は?
数字に関する質問:
- 売上の根拠を詳しく説明してください
- 固定費はいくらですか?
- 損益分岐点は把握していますか?
- 最悪のシナリオも考えていますか?
スタッフB:「結構厳しく聞かれるんですね」
所長:「そう。でも意地悪で聞いているわけじゃない。本当に返済できるか確認しているんだよ」
面談のポイント
✅ 好印象を与えるポイント:
- 誠実に、正直に答える
- 準備してきた資料を見せる
- 具体的な数字で説明する
- 熱意と覚悟を示す
- 家族の理解があることを伝える
❌ 悪い印象を与えること:
- 曖昧な答え方
- 準備不足
- 楽観的すぎる見通し
- 質問に答えられない
- やる気が感じられない
所長:「面談は準備が9割なんだ。想定される質問に対する答えを、事前に用意しておくことが大切だよ」
【ステップ5】審査・融資実行
スタッフA:「面談の後はどうなるんですか?」
所長:「公庫が審査を行って、融資の可否を決定するんだ」
審査期間と結果
審査期間:
- 通常2〜3週間
- 場合によっては1ヶ月程度
結果の通知:
- 承認の場合:融資額と条件の通知
- 否認の場合:理由の説明
融資実行まで:
- 契約書の取り交わし
- 1週間程度で入金
スタッフB:「申込みから融資まで、1ヶ月以上かかるんですね」
所長:「そう。だから創業の2〜3ヶ月前には申し込む必要があるんだ。直前に申し込んでも間に合わないよ」
税理士の支援で金利優遇
スタッフA:「所長、税理士が関わると何かメリットがあるんですか?」
所長:「良い質問だ。実は税理士が責任をもって作成した書類があると、金利などが優遇される場合があるんだ」
中小企業会計の確認書
正式名称: 「中小企業の会計に関する指針」の適用に関する確認書
これは何か:
- 税理士が決算書の適正性を確認する書類
- 中小企業会計指針に従って作成されていることを証明
メリット:
- ✅ 金利が0.1〜0.2%程度優遇される
- ✅ 融資審査がスムーズになる
- ✅ 公庫からの信頼度が上がる
対象:
- 既存企業(決算書がある場合)
- 創業時は該当しないが、2期目以降で活用可能
スタッフB:「税理士に依頼するメリットは大きいんですね」
所長:「そう。特に創業計画書の作成支援や面談同席は、融資の成功率を大きく上げるんだよ」
税理士に依頼するメリット
スタッフA:「具体的に、税理士に何を手伝ってもらえるんですか?」
所長:「創業融資では、税理士がこんなサポートをするんだ」
税理士の創業融資サポート
1. 創業計画書の作成支援
- 売上予測の立て方をアドバイス
- 経費の積算を手伝う
- 損益分岐点の計算
- 説得力のある計画書に仕上げる
2. 必要書類の準備サポート
- 何が必要か教える
- 書き方をアドバイス
- 不備がないかチェック
3. 面談の練習
- 想定質問をリストアップ
- 回答の準備を手伝う
- 模擬面談で練習
4. 面談への同席
- 税理士が一緒に面談に参加
- 数字の説明をサポート
- 公庫からの信頼度が上がる
5. 創業後のサポート
- 記帳代行
- 決算・申告
- 経営相談
所長:「税理士に依頼すると費用はかかるけど、融資の成功率が大きく上がるんだ。自己流で失敗するより、専門家に頼む方が結果的に得なんだよ」
よくある質問
スタッフB:「お客様からよく聞かれる質問はありますか?」
所長:「よし、よくある質問をまとめよう」
Q&A
Q1:自己資金がゼロでも借りられますか? **A:**難しいです。最低でも総資金の1/10、できれば1/3は自己資金が必要です。
Q2:自己資金はいくら必要ですか? **A:**借入希望額の1/3〜1/2が目安です。例えば300万円借りたいなら、自己資金は100〜150万円必要です。
Q3:自己資金はどうやって証明するんですか? **A:**通帳のコピーで証明します。計画的に貯めた履歴があることが重要です。
Q4:融資を断られたら、もう申し込めませんか? **A:**再申込みは可能です。ただし、最低6ヶ月は空けて、計画を見直してから再挑戦しましょう。
Q5:保証人は必要ですか? **A:**新創業融資制度なら、無担保・無保証人で借りられます。ただし金額に上限があります。
Q6:いくらまで借りられますか? **A:**新創業融資制度は3,000万円まで(うち運転資金1,500万円)。ただし自己資金とのバランスで実際の融資額は決まります。
Q7:金利はどのくらいですか? **A:**1〜2%程度です。条件によって変わります。
Q8:返済期間はどのくらいですか? **A:**運転資金は7年以内、設備資金は10〜20年以内が一般的です。
まとめ:創業融資成功の5つのポイント
所長:「最後に、創業融資を成功させるポイントをまとめよう」
創業融資成功の5つのポイント
1. 早めに準備を始める
- 創業の2〜3ヶ月前に申込み
- 書類作成に時間をかける
- 自己資金を計画的に貯める
2. 現実的な創業計画書を作る
- 売上は保守的に見積もる
- 経費は詳細に積算する
- 根拠のある数字を示す
3. 面談の準備を万全にする
- 想定質問への回答を用意
- 資料を充実させる
- 模擬面談で練習する
4. 自己資金を確保する
- 総資金の1/3は自己資金
- 計画的に貯めた履歴が重要
- 見せ金はNG
5. 専門家(税理士)に相談する
- 創業計画書の作成支援
- 面談同席で成功率アップ
- 創業後もサポート
スタッフA:「やっぱり準備が大切なんですね」
所長:「その通り。準備8割、実行2割。これは創業融資でも同じなんだ」
スタッフB:「お客様にしっかりアドバイスします!」
所長:「それでいい。創業は人生の大きな決断だ。私たちがしっかりサポートして、お客様の夢を実現する手助けをしよう」
創業融資をお考えの方へ
当事務所では、国民政策金融公庫の創業融資を全面的にサポートしています。
当事務所の創業融資サポート:
- ✅ 創業計画書の作成支援
- ✅ 事業計画の数字作成・シミュレーション
- ✅ 必要書類の準備アドバイス
- ✅ 面談の想定質問と回答準備
- ✅ 面談への同席(ご希望の場合)
- ✅ 自己資金の作り方アドバイス
- ✅ 融資後の記帳代行・決算申告
- ✅ 創業後の経営相談(随時)
初回相談は無料です!
阪神尼崎駅徒歩1分というアクセスの良い立地で、お気軽にご相談いただけます。
創業融資でお悩みの方、これから創業をお考えの方は、まずはお気軽にご相談ください。
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国民政策金融公庫 事業資金相談ダイヤル:
0120-154-505(行こうよ!公庫)
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