スタッフとの会話形式で解説
スタッフA: 松野先生、居住用財産を売却したお客様から相談があったのですが、ご夫婦で共有名義の場合、3,000万円控除はどうなるんでしょうか?
松野税理士: いい質問だね。まず基本から整理しよう。居住用財産の3,000万円特別控除は、所有者が実際に居住していた家屋とその敷地を譲渡した場合に適用される特例だ。
スタッフB: ということは、共有名義の場合でも適用できるということですか?
松野税理士: そのとおり。ただし、重要なポイントがある。共有者それぞれが要件を満たせば、各人が3,000万円ずつ控除できるんだ。つまり夫婦共有なら、最大6,000万円の控除が可能になる。
適用要件の整理
スタッフA: では、具体的にどんな要件が必要なんでしょうか?
松野税理士: 主な要件を整理するとこうだ:
1. 家屋の所有について 共有者が家屋を所有し、かつ実際に居住していることが基本だね。ただし、家屋の所有権がなくても、その土地が自分が住んでいる家屋の敷地であれば、土地の共有持分についてこの特例を使える場合があるんだ。
2. 居住実態 譲渡の直前まで実際に住んでいたこと。別居や単身赴任などの場合は注意が必要だ。
3. 譲渡のタイミング 住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡すること。
スタッフB: 先生、よくある質問なんですが、奥様が専業主婦で収入がない場合はどうなりますか?
松野税理士: 収入の有無は関係ないよ。要件は「所有」と「居住」だからね。奥様が共有持分を持っていて、実際に住んでいれば、ご主人と同様に3,000万円控除が使える。
実務上の注意点
スタッフA: 実務で気をつけるべきポイントはありますか?
松野税理士: いくつか重要な点がある:
持分割合と控除額 共有持分が1/2ずつなら、譲渡益も1/2ずつ。それぞれの譲渡益に対して3,000万円まで控除できる。たとえば譲渡益が4,000万円で持分1/2ずつなら、各自2,000万円の譲渡益に対して、それぞれ3,000万円控除できるから、結果的に全額非課税だね。
家屋と土地の所有形態 よくあるケースだが、家屋は夫名義、土地は共有というパターン。この場合、妻は家屋の所有権はないけれど、その土地が自分が実際に住んでいる家屋の敷地であれば、土地の持分に対応する譲渡益について控除が使える。これは実務上、非常に重要なポイントだ。
スタッフB: なるほど。では、家屋は夫名義のみで、土地だけ共有の場合は?
松野税理士: その場合、夫は家屋と土地の両方について3,000万円控除が使える。妻は家屋の所有権はないが、その家屋に実際に居住していて、土地の共有持分を持っているから、土地の持分についてのみ控除が使えるという形になる。
よくある質問への回答
スタッフA: お客様からよく聞かれる質問をまとめてもいいですか?
松野税理士: もちろん。整理しておこう。
Q1: 共有者の一方が先に亡くなった場合は? 相続により取得した持分について、相続人が居住を開始し、その後譲渡した場合、相続人も要件を満たせば控除を受けられる。
Q2: 離婚による財産分与の場合は? 財産分与で譲渡した側は、通常の譲渡として3,000万円控除が使える可能性がある。ただし、受け取った側については別の検討が必要だ。
Q3: 賃貸に出していた期間がある場合は? 住まなくなってから3年以内という要件があるから、その期間内であれば適用できる。ただし、事業用として使っていた期間がある場合は慎重に判断する必要がある。
スタッフB: 本当に複雑ですね。お客様への説明も丁寧にしないと…
松野税理士: そうだね。この特例は節税効果が大きいから、適用要件をしっかり確認することが大切だ。特に共有の場合は、登記簿謄本で所有関係を確認し、居住実態も含めて総合的に判断する必要がある。不明な点があれば、私たち専門家に早めに相談してもらうのが一番だよ。
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