婚姻前の株式贈与は配当還元法で評価!贈与税87.5%削減の事業承継戦略|尼崎の税理士が解説 9回目

税理士法人松野茂税理士事務所 婚姻前の株式贈与

婚姻前は親族ではないため配当還元法で株式評価が可能。原則法1株20万円→配当還元法2.5万円で贈与税を大幅削減。尼崎の税理士が事例で解説|税理士法人松野茂税理士事務所

目次

社長と税理士の会話で学ぶ株式贈与の実務

尼崎市の税理士法人松野茂税理士事務所の応接室でのこと。創業社長が事業承継について相談に訪れました。
【前提条件】
資本金:1千万円
発行株式:普通株式200株(1株5万円)
原則法による評価:1株20万円
配当還元法による評価:1株25,000円 (無配なの5万円の半分)

婚姻前は親族ではないため配当還元法で株式評価が可能。原則法1株20万円→配当還元法2.5万円で贈与税を大幅削減。尼崎の税理士が事例で解説|税理士法人松野茂税理士事務所


社長:「先生、私は今60歳です。妻との間に35歳の長男がいましてね。長男はサラリーマンだったんですが、会社を継いでくれることになったんです。暦年贈与で毎年株式を贈与しようと思うんですが、贈与税はいくらになるんでしょうか?」

先生:「社長の会社は業績が良いので、今年の取引相場のない株式の原則的な評価は1株当たり20万円になります。発行株式数が200株ですから、20万円×200株で単純計算すると評価額は4千万円ですね。社長は70歳過ぎまで現役でいらっしゃるでしょう。毎年贈与する暦年贈与と、相続時精算課税制度で一括贈与する2パターンが考えられます。また、社長が70歳を超えた時に役員退職金を多めに取ると株価が下がりますから、社長が退任した時に多くを贈与した方が良いと思いますよ」

先生:「まずは毎年、贈与税の基礎控除の範囲内で贈与しましょうか。贈与契約書はこちらで用意します」

社長:「実は先生、長男は来年結婚するんです。うちの会社は家族経営なので、長男の嫁にも手伝ってもらうつもりです。長男の嫁の分も贈与契約書を作っておいてください」

先生:「少し考えて……社長は何をするにも決断が速いですね。ただ、長男さんはまだ結婚していないので、婚約者の方はまだ親族ではありません。ここがポイントなんです」

婚姻前は親族ではない!配当還元法が使える理由

先生:「親族以外の者へ会社の株式を贈与する場合は、課税時期における議決権数が50%未満なら配当還元法で評価できるんです。社長の会社は1株5万円ですよね。配当金は出したことがないので、配当還元法の評価は1株25,000円になります」

社長:「そうか!それなら長男には会社の株を100株、嫁に50株、残りは自分で持っておきます。長男の嫁には50株先に贈与します。問題ありますか?」

先生:「そうですね。会社の経営を社長が生きているうちは乗っ取られないようにしましょう。会社の株式200株は現在すべて普通株式ですが、そのうち10株を普通株式のままにして、190株を無議決権株式に変更することをお勧めします。無議決権株式は株主総会の決議に参加できませんから、社長が持っている普通株式が非常に重要な役割を果たします」

具体的な贈与税の計算

社長:「長男の嫁には25,000円×50株を贈与するよ。贈与税はいくらになるんだい?」

先生:「計算しますと、125万円−基礎控除110万円=15万円、税率10%で贈与税は1万5千円です」

社長:「そんなに安くできるのか!」

先生:「贈与税の契約書は先に作っておきますが、その前に司法書士の先生に無議決権株式への変更を依頼しておきましょう」


事業承継における株式贈与のポイント

【前提条件】

  • 資本金:1千万円
  • 発行株式:普通株式200株(1株5万円)
  • 原則法による評価:1株20万円
  • 配当還元法による評価:1株25,000円

【重要なルール】

同族株主のいる会社の場合:

  • 親族へ贈与:会社の経営権の有無で原則法または配当還元法
  • 親族以外へ贈与:50%未満までは配当還元法で贈与可能
  • 婚姻前の者はまだ親族ではないため、課税時期における議決権割合50%未満までの株式は配当還元法で贈与できる

【この事例の賢いポイント】

  1. 婚姻前に贈与することで配当還元法(1株25,000円)を適用
  2. 無議決権株式を活用して経営権を守る
  3. 贈与税を大幅に抑えられる(原則法なら1株20万円のところ、25,000円で評価)

まとめ

婚姻前の贈与は「まだ親族ではない」という点を活用できる貴重な機会です。事業承継を計画している経営者の方は、結婚のタイミングも含めて戦略的に考えることで、大きな節税効果が期待できます。

ただし、株式の種類変更や贈与契約書の作成など、専門的な手続きが必要になります。事業承継でお悩みの方は、ぜひ専門家にご相談ください。


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