併用方式における斟酌率の適用
取引相場のない株式の評価において、併用方式を採用する会社では、会社規模に応じて類似業種比準価額と純資産価額を組み合わせて評価します。
会社規模別の評価割合
大会社
- 類似業種比準価額 × 100%
中会社(大)
- 類似業種比準価額 × 90% + 純資産価額 × 10%
中会社(中)
- 類似業種比準価額 × 75% + 純資産価額 × 25%
中会社(小)
- 類似業種比準価額 × 60% + 純資産価額 × 40%
小会社
- 類似業種比準価額 × 50% + 純資産価額 × 50%
比準要素数1の会社
- 類似業種比準価額 × 25% + 純資産価額 × 75%
斟酌率の基本的な適用
併用方式を適用する場合、類似業種比準価額部分には会社規模に応じた斟酌率が適用されます:
- 大会社:0.7
- 中会社:0.6
- 小会社:0.5
比準要素数1の会社が併用方式を選択した場合も、類似業種比準価額の部分に会社規模に応じた斟酌率が適用されます。
所得税通達59-6・法人税法通達9-1-14の特例
個人から法人への譲渡、または法人から法人への譲渡において、中心的な同族株主に該当する場合は常に小会社として評価することとされています。 株式の評価は上がります。
特例の内容
この場合、中心的な同族株主に該当する場合 課税上弊害がなければ、純資産価額ではなく以下の計算方法を選択できます。
中心的な同族株主に該当しない場合には会社規模に応じて併用方式や配当還元法となります。
類似業種比準価額 × 50% + 純資産価額 × 50%
重要な注意点
この特例適用時の斟酌率について、誤解が多い点があります:
- ❌ 誤り:子会社の斟酌率0.5を適用
- ⭕ 正解:類似業種比準価額の部分に会社規模に応じた斟酌率(大会社0.7、中会社0.6、小会社0.5)を適用
評価ソフトの注意点
多くの取引相場のない株式の評価ソフトでは、この特例における斟酌率の適用が正しく対応できていないケースがあります。必ず計算結果を確認し、必要に応じて手動で調整してください。
権利落ちによる評価額の調整
直前期末から課税時期までの間に配当等の権利落ちがあった場合、評価額の調整が必要となります。
類似業種比準価額の調整
計算例
- 類似業種比準価額:100円
- 直前期末から課税時期までに支払われた1株当たり配当:10円
- 調整後の評価額:90円
権利落ち分を控除することで、評価額が減少します。
純資産価額の調整
純資産価額の計算においても、未払配当金の調整が必要となります。配当の支払いにより純資産が減少するため、これを評価に反映させます。
評価額引下げの戦略的活用
特に大会社では、直前期末から課税時期までの間に配当等の権利落ちを設定することで、株式の評価額を大きく引き下げることが可能です。
この手法は、相続税対策や事業承継対策において有効な選択肢となります。
免責事項 本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の税務相談に代わるものではありません。実際の取引や評価においては、必ず税理士等の専門家にご相談ください。
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