令和8年度税制改正大綱:住宅ローン控除が大幅拡充!5年延長と中古住宅への優遇措置を解説

令和8年度税制改正大綱:住宅ローン控除が大幅拡充!5年延長と中古住宅への優遇措置を解説

こんにちは。尼崎の税理士、松野です。

令和7年12月19日に公表された「令和8年度税制改正大綱」において、住宅ローン控除(正式には「住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除」)について、延長・見直しの方向性が示されました。
適用期限の延長だけでなく、既存住宅(中古住宅)取得者への優遇拡充、子育て世帯等への上乗せ措置の拡大など、これから住宅取得を検討される方に影響が大きい内容が含まれています。

本記事では、実務上つまずきやすい「区分判定」「必要書類」「入居時期」の観点を中心に、わかりやすく整理します。
(注)税制改正大綱は今後の法案化・成立過程で内容が修正される可能性があるため、最終的には確定情報(成立法令・国税庁等の公表)で確認が必要です。

   下記図 注[1]特例個人とは子育て世帯の増加した借入限度です

令和8年 税制大綱 住宅ローン表
目次

1. まず押さえたい:適用期限が5年延長

令和8年 税制大綱 住宅ローン表

令和8年度税制改正大綱では、住宅ローン控除の適用期限を令和12年12月31日まで延長する方向性が示されています。
これにより、令和8年から令和12年までの入居を想定して住宅取得計画を立てやすくなる点が重要です。

2. 控除の基本:控除率と控除期間

控除率は0.7%の枠組みとされています。
控除期間は区分により整理されますが、環境性能区分(認定住宅・ZEH水準・省エネ基準適合)では「13年」が柱として示されています。

3. 【新築・買取再販】借入限度額(大綱ベースの枠組み)

令和8年度税制改正大綱ベースでは、新築・買取再販住宅の借入限度額は、住宅の環境性能区分に応じて整理されています。
特例対象個人(子育て世帯等)については上乗せ枠が設けられる整理です。

借入限度額(例:大綱資料の整理)

  • 認定長期優良住宅・認定低炭素住宅
    • 通常:4,500万円
    • 特例対象個人:5,000万円
  • ZEH水準省エネ住宅
    • 通常:3,500万円
    • 特例対象個人:4,500万円

※「省エネ基準適合住宅」等の他区分の取扱いも含め、最終的には確定情報での確認が必要です。

下記図 注[1]特例個人とは子育て世帯の増加した借入限度です

令和8年 税制大綱 住宅ローン表

4. 【既存住宅(中古)】優遇措置の拡充(大綱ベース)

今回の見直しで特に注目されるのは、既存住宅(中古住宅)について、省エネ性能区分ごとの取扱いが明確化され、条件によっては13年控除が見込まれる点です。
中古の借入限度額も、性能区分・特例対象個人の該当有無で変わる整理になっています。

既存住宅の借入限度額(大綱ベース)

認定長期優良住宅・認定低炭素住宅(既存住宅)

  • 控除期間:13年
  • ZEH水準省エネ住宅(既存住宅)
    • 通常:3,500万円
    • 特例対象個人:4,000万円
    • 控除率:0.7%
    • 控除期間:13年
  • 省エネ基準適合住宅(既存住宅)
    • 通常:2,000万円
    • 特例対象個人:3,000万円
    • 控除率:0.7%
    • 控除期間:13年

既存住宅購入時の注意点(実務)

  • 物件がどの性能区分に該当するかで、借入限度額が大きく変わります
  • 物件ごとに「性能区分の根拠資料(証明書類)が取得できるか」を、購入前に売主・仲介業者へ確認することが重要です。

5. 子育て世帯等への上乗せ措置(特例対象個人)

今回の特徴の一つとして、子育て世帯等(特例対象個人)に該当する場合、借入限度額が上乗せされる整理が示されています。
ご家族構成や年齢要件の該当性により、同じ物件でも上限が変わるため、早めの判定が大切です。

下記図 注[1]特例個人とは子育て世帯の増加した借入限度です

令和8年 税制大綱 住宅ローン表

6. 床面積40㎡以上50㎡未満の住宅(コンパクト住宅)

床面積が40㎡以上50㎡未満の住宅についても、一定の要件のもとで住宅ローン控除の対象となり得ます。
適用可否は「所得要件」「入居年」「床面積」などの組合せで決まるため、購入前に条件整理をおすすめします。

7. 令和10年以降の新築:省エネ基準が実質必須となる方向

令和10年(2028年)以降の新築については、一定の省エネ基準を満たさない住宅が住宅ローン控除の対象外となる方向性が示されています。
新築を検討される方は、建築確認時期等も含めて「いつの基準が適用されるか」を事前に確認することが重要です。

8. 災害レッドゾーンでの新築:対象外となる方向

災害危険区域等(いわゆる災害レッドゾーン)での新築について、一定時期以降の入居で住宅ローン控除の対象外とする方向性が示されています。
立地によっては税制以前にリスク評価が重要になるため、ハザード情報も含めて慎重に検討しましょう。

9. その他:認定住宅(新築・既存)以外の住宅の取得等

ここまでご説明した「認定住宅(新築)」および「認定住宅等の既存住宅(中古)」に当てはまらない場合でも、住宅ローン控除の対象となるケースがあります。
令和8年度税制改正大綱では、この“その他”区分についても、制度の枠組みを維持しつつ適用期限を延長する方向性が示されています。

認定住宅(新築・既存)以外の“その他区分”

認定住宅(新築・既存)以外の“その他区分とは、買取再販住宅の取得既存住宅の取得又は住宅の増改築等をいう。
この区分については、適用期限が延長された上で借入限度額・控除率・控除期間ともに現行制度が維持される。

実務上の注意点(購入・工事の前に確認)

買取再販住宅は、物件の性質や必要書類の有無によって、区分判定が実務上の争点になりやすいため、契約前確認が重要です。

  • 増改築等は、工事内容・床面積要件・ローン要件・書類(工事証明等)の準備が可否を左右するため、着工・契約前の確認をおすすめします。

まとめ:計画的な住宅取得を

今回の大綱ベースの見直しで、特に重要なポイントは次のとおりです。

  • 適用期限が5年延長され、令和12年12月31日まで利用できる方向。
  • 既存住宅(中古)の優遇が拡充され、性能区分によっては控除期間13年・上限見直しが見込まれる。
  • 子育て世帯等(特例対象個人)への上乗せ措置が整理され、上限が増えるケースがある。
  • 令和10年以降の新築は、省エネ基準の充足が実質的に必須となる方向。
  • 災害レッドゾーンでの新築は、一定時期以降に対象外となる方向。
  • 認定住宅(新築・既存)以外の“その他区分”(買取再販・増改築等)は、適用期限延長の上で現行制度維持の方向。

住宅の取得は人生で最も大きな買い物の一つです。税制優遇を最大限活用するためには、購入時期、住宅の性能、必要書類、ご家族構成(特例対象個人該当性)などを総合的に考慮した計画が重要です。

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事務所概要

税理士法人松野茂税理士事務所
代表税理士:松野 茂
社員税理士:山本 由佳
所属税理士:近畿税理士会 尼崎支部
法人登録番号:第6283号
法人番号:4140005027558
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