比準要素数1の会社の定義
取引相場のない株式の原則的な評価は、大会社・中会社・小会社に区分して類似業種比準価額方式・併用方式・純資産価額方式による計算を行いますが、配当・利益・純資産のうち一定の要件に該当する会社を「比準要素数1の会社」といいます。
具体的には、評価会社の直前期末の1株当たりの「配当金額」「利益金額」及び「純資産価額(帳簿価額により計算した金額)」のそれぞれの金額のうち、いずれか2要素がゼロであり、かつ、直前々期末を基準として上記3要素を計算した場合にいずれか2要素以上がゼロの会社をいいます。

評価方法
比準要素数1の会社は、通常の類似業種比準価額方式及び併用方式ではなく、原則として純資産価額方式で評価されます。
ただし、納税義務者の選択により、類似業種比準価額×0.25+純資産価額×0.75の計算式で評価することも可能です。
同族株主及び同族株主等は純資産価額方式又は類似業種比準価額×0.25+純資産価額×0.75の併用方式を選択でき
50%未満の同族株主等以外は純資産価額の計算上80%が認められ 同族株主及び同族株主等以外は配当還元法の特例評価となります。
代表的なケース
同族会社の場合は配当を行わないので、赤字が3年連続すると比準要素数1の会社に該当してしまいます。
類似業種比準価額方式で計算する比準要素は1株50円として1円以上の利益を出さないと1株(50円)当たりの年利益金額は0円となります。具体的に説明すると、資本等の金額が5千万円の場合、発行株式数は5千万円÷50円=100万株となるので、1株50円で1円以上の利益を出す場合は100万円以上の利益となりますので、少額の利益では赤字ではなくても利益金額は0円になり場合があり比準要素数1の会社に該当することになります。
失敗事例
贈与や相続対策で赤字を連続したことにより比準要素数1の会社に該当する可能性がありますので注意しておく必要があり、少額の配当を出すなど事前の対策が必要となります。
該当した場合の影響
大会社の場合は類似業種比準価額方式で評価され、中会社及び小会社は併用方式で評価されますが、比準要素数1の会社に該当すると、大会社は数倍、小会社でも数割の株式の評価が上がってしまいますので、否認されないように毎年少額の配当を出すなど対策をする必要があります。
否認事例
以下のようなケースでは税務上否認される可能性があります。
相続直前に決算期を変更し、比準要素数1の会社から外れる対策が行われたが、その意図が租税回避であると判断された場合、総則6項により時価純資産価額で評価される可能性があります。利益金額は1年間の利益金額で判定するために容易に外すことが可能となります。
その他、同族会社間の循環取引や仮想経理なども否認の対象となります。
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