スタッフとの会話調Q&Aで分かる!未来を描く魔法の書
スタッフA:「所長、事業計画書とか経営計画書って、作らないといけないんですか?」
所長:「義務ではないけど、作るべきだね。長年やってきて、成功している経営者は必ず事業計画書を持っているんだ」
スタッフB:「でも、作るのって難しそうです…」
所長:「確かに簡単ではない。でも、作る過程そのものに大きな価値があるんだよ。今日は、事業計画書・経営計画書の重要性と作り方を教えよう」
事業計画書・経営計画書とは
スタッフA:「そもそも、事業計画書と経営計画書って何ですか?」
所長:「良い質問だ。まず基本から説明しよう」
決算書と事業計画書の違い
決算書:
- 過去の数値
- すでに起きた事実
- 結果の記録
- 税務署への報告
事業計画書・経営計画書:
- 未来の方向性
- これから実現すること
- 目標と戦略
- 自分たちのための羅針盤
スタッフB:「過去と未来の違いなんですね」
所長:「その通り。決算書が『どこから来たか』を示すなら、事業計画書は『どこへ行くのか』を示すものなんだ」
なぜ事業計画書を作るべきなのか
スタッフA:「でも、頭の中で考えていればいいんじゃないですか?」
所長:「それが違うんだ。書くことに意味があるんだよ」
事業計画書を作る5つの理由
理由1:問題点が見えてくる
- 書くことで頭が整理される
- 現在の課題が明確になる
- 改善点が浮かび上がる
理由2:融資が通りやすくなる
- 銀行は計画性を評価する
- 説得力が増す
- 融資がスムーズに進む
理由3:社員の士気が上がる
- 会社の方向性を共有できる
- 社員が目標を理解する
- 一体感が生まれる
理由4:実現する可能性が高まる
- 書いた目標は達成率が高い
- 「魔法の書」と呼ばれる理由
- 書いたら、その通りになる
理由5:PDCAが回せる
- 計画(Plan)があるから実行できる
- 検証(Check)ができる
- 改善(Action)につながる
所長:「特に重要なのが、『書いたら、その通りになる』という効果なんだ」
「経営計画書は魔法の書」の意味
スタッフB:「『魔法の書』って、どういうことですか?」
所長:「長年の経験から言えることなんだけど、書いた目標は不思議と実現するんだよ」
なぜ書くと実現するのか
1. 意識が変わる
- 目標を書くと、脳が認識する
- 無意識に目標を意識するようになる
- 行動が変わる
2. 判断基準ができる
- 迷った時に計画に立ち戻れる
- ブレない経営ができる
- 無駄な投資を避けられる
3. 社員が動く
- 全員が同じ方向を向く
- それぞれが自分の役割を理解
- チームワークが生まれる
4. 検証と改善ができる
- 計画と実績を比較できる
- 何がうまくいったか分かる
- 次の計画に活かせる
スタッフA:「書くだけで、そんなに効果があるんですか?」
所長:「本当だよ。私が見てきた成功している経営者は、全員が事業計画書を持っていた。そして、驚くほど計画通りに事業が進んでいるんだ」
事業計画書作成の6つのポイント
スタッフB:「じゃあ、どうやって作ればいいんですか?」
所長:「作り方にはポイントがあるんだ。順番に説明しよう」
ポイント1:社長自身が作る
所長:「これが最も重要なポイントだ。社長自身が作ること」
スタッフA:「税理士に作ってもらってはダメなんですか?」
所長:「ダメだね。他人が作った計画書には、何の意味もないんだ」
なぜ社長自身が作るべきか:
- 考える過程に価値がある
- 自分の言葉でないと実行できない
- 覚悟が決まる
- 社員に伝わる熱量が違う
税理士の役割:
- 数字の部分をサポート
- 実現可能性をチェック
- アドバイスをする
- でも、書くのは社長
所長:「私たちはサポート役。主役は社長なんだ」
ポイント2:何度も何度も書き直す
所長:「最初から完璧な計画書は作れない。何度も書き直すことが大切なんだ」
書き直しのプロセス:
第1稿:
- とにかく書いてみる
- 完璧を目指さない
- 思いつくまま書く
第2稿:
- 数字を入れる
- 具体性を持たせる
- 実現可能性を考える
第3稿:
- 矛盾を修正する
- 優先順位をつける
- 戦略を練る
第4稿以降:
- さらに磨き上げる
- 社員に見せられるレベルに
- 銀行に提出できる品質に
スタッフB:「何回くらい書き直すんですか?」
所長:「人によるけど、5回〜10回は書き直すことが多いね。書き直すたびに計画が良くなっていくんだ」
ポイント3:現在の問題点・改善点が見えてくる
所長:「書き直しを繰り返すうちに、現在の問題点や改善点が見えてくるんだ」
見えてくる問題の例:
売上の問題:
- 「新規顧客が少ない」
- 「リピート率が低い」
- 「客単価が上がっていない」
経費の問題:
- 「無駄な経費がある」
- 「人件費率が高すぎる」
- 「固定費が重い」
組織の問題:
- 「役割分担が不明確」
- 「後継者が育っていない」
- 「社員のモチベーションが低い」
商品・サービスの問題:
- 「競争力が弱い」
- 「差別化ができていない」
- 「時代に合っていない」
スタッフA:「書いているうちに、自然と気づくんですね」
所長:「その通り。これが事業計画書を作る最大の効果なんだ。書くことで、今まで見えていなかった問題が見えてくる」
ポイント4:さらに練り直す
所長:「問題点が見えたら、さらに練り直すんだ」
練り直しのポイント:
問題への対策を書く:
- 「新規顧客を増やすために、SNS広告を始める」
- 「リピート率を上げるために、ポイント制度を導入する」
- 「人件費率を下げるために、業務効率化を図る」
数値目標を設定する:
- 「売上を前年比120%にする」
- 「新規顧客を月10件獲得する」
- 「経費率を5%削減する」
具体的なアクションを決める:
- 「いつまでに」
- 「誰が」
- 「何をするのか」
スタッフB:「どんどん具体的になっていくんですね」
所長:「そう。最初は漠然としていた計画が、練り直すごとに実行可能な計画に変わっていくんだ」
ポイント5:2つの使い道
所長:「ここまで作った事業計画書には、2つの使い道があるんだ」
使い道1:融資資料として提出
銀行への提出:
- 事業計画書は融資審査で重視される
- 「計画性のある会社」と評価される
- 融資がスムーズに進む
- 金利優遇の可能性も
銀行が見るポイント:
- 売上計画は現実的か
- 返済計画は無理がないか
- 問題点を認識しているか
- 改善策は具体的か
所長:「計画性のある会社だと思われれば、銀行は安心して融資できるんだ」
使い道2:社員に見せて公表(経営計画書)
社員への公表:
- 会社の方向性を共有
- 各自の役割を明確化
- 目標達成への意識統一
- 一体感の醸成
公表の方法:
- 経営計画発表会を開く
- 全社員に配布する
- 定期的に進捗を報告する
- 達成時には祝う
スタッフA:「社員に見せるのって、勇気がいりそうです」
所長:「確かにね。でも、公表することで会社の士気が上がるんだ。社員は『社長が真剣に考えている』ことを知って、ついてきてくれるようになるんだよ」
ポイント6:会社の士気が上がる
所長:「経営計画書を社員に公表すると、会社の士気が劇的に上がるんだ」
士気が上がる理由:
1. 目標が明確になる
- 何を目指しているのか分かる
- 自分の役割が理解できる
- やるべきことが明確
2. 社長の本気度が伝わる
- 「社長は本気だ」
- 「この会社は成長する」
- 「ついていこう」
3. 達成感を共有できる
- 計画を達成したら全員で喜べる
- 一体感が生まれる
- モチベーションが上がる
4. 透明性が高まる
- 隠し事がない
- 信頼関係が築ける
- 離職率が下がる
スタッフB:「社員にとっても、計画書があった方がいいんですね」
所長:「そう。社員は『この会社はどこへ向かっているのか』を知りたいんだ。経営計画書があれば、安心してついてこられる」
事業計画書の作成プロセスまとめ
スタッフA:「作成のプロセスを、もう一度まとめてください」
所長:「よし、フローチャートで整理しよう」
事業計画書作成の流れ
ステップ1:社長自身が書き始める ↓
- まずは思いつくまま書く
- 完璧を目指さない
- 時間をかけて
ステップ2:何度も何度も書き直す ↓
- 数字を入れる
- 具体化する
- 矛盾を修正する
ステップ3:問題点・改善点が見えてくる ↓
- 現状の課題を認識
- 「なぜうまくいかないのか」が分かる
- 「何を変えるべきか」が明確に
ステップ4:さらに練り直す ↓
- 問題への対策を書く
- 数値目標を設定する
- 具体的なアクションを決める
ステップ5-A:融資資料として提出
- 銀行への提出
- 計画性のある会社と評価される
- 融資がスムーズに進む
ステップ5-B:社員に公表(経営計画書) ↓
- 全社員で方向性を共有
- 各自の役割を明確化
- 一体感の醸成
ステップ6:会社の士気が上がる ↓
- 目標が明確
- 社長の本気度が伝わる
- 達成感を共有
最終結果:「書いたら、その通りになる」
- 魔法の書の完成
- 計画が実現する
- 会社が成長する
事業計画書に書くべき内容
スタッフB:「具体的に、何を書けばいいんですか?」
所長:「基本的な項目を教えよう」
事業計画書の基本構成
1. 経営理念・ビジョン
- なぜこの事業をやるのか
- 将来どんな会社にしたいのか
- 大切にしている価値観
2. 現状分析
- 強み(Strength)
- 弱み(Weakness)
- 機会(Opportunity)
- 脅威(Threat)
- SWOT分析
3. 問題点と改善策
- 現在の課題
- なぜその問題が起きているか
- どう解決するか
4. 数値目標
- 売上目標
- 利益目標
- 顧客数目標
- その他KPI
5. 具体的な戦略
- 商品戦略
- 価格戦略
- 販売促進戦略
- 人材戦略
6. アクションプラン
- いつまでに
- 誰が
- 何をするのか
7. 資金計画
- 必要な資金
- 調達方法
- 返済計画
所長:「これが基本だけど、会社によって内容は変わるんだ」
税理士のサポート
スタッフA:「私たちは、どうサポートすればいいんですか?」
所長:「良い質問だ。税理士の役割を説明しよう」
税理士がサポートできること
1. 数字の部分をサポート
- 売上予測の妥当性チェック
- 経費の積算サポート
- 損益計画の作成支援
- 資金繰り計画の作成
2. 実現可能性のチェック
- 「この目標は現実的か?」
- 「この経費は多すぎないか?」
- 「資金は足りるか?」
3. 過去データの提供
- 過去の決算書から分析
- 業界平均との比較
- トレンドの把握
4. 銀行提出用の体裁を整える
- 見やすいフォーマット
- 必要な資料の追加
- 説得力のある構成
5. 社員公表用のアドバイス
- どこまで公表するか
- どう伝えるか
- 発表会の進め方
所長:「でも、書くのは社長。私たちはあくまでサポート役なんだ」
まとめ:魔法の書を作ろう
所長:「最後にまとめよう」
事業計画書・経営計画書の重要ポイント
ポイント1:未来を描く
- 決算書は過去
- 事業計画書は未来
- どこへ行くのかを示す
ポイント2:社長自身が作る
- 考える過程に価値がある
- 他人が作っても意味がない
- 覚悟が決まる
ポイント3:何度も書き直す
- 最初から完璧は無理
- 5〜10回は書き直す
- 書き直すごとに良くなる
ポイント4:問題が見えてくる
- 書くことで気づく
- 改善点が明確になる
- これが最大の効果
ポイント5:2つの使い道
- 融資資料として銀行へ
- 経営計画書として社員へ
- どちらも重要
ポイント6:士気が上がる
- 社員が目標を共有
- 一体感が生まれる
- 会社が変わる
ポイント7:魔法の効果
- 書いたら、その通りになる
- 不思議だけど本当
- 長年の経験から確信している
スタッフB:「事業計画書って、本当に大切なんですね」
所長:「そう。『経営計画書は魔法の書。なぜなら、書いたらその通りになるから』。これは長年やってきて確信していることなんだ」
スタッフA:「お客様にも、ぜひ作ってもらいたいですね」
所長:「それでいい。私たちは、お客様が魔法の書を作るサポートをするんだ。そして一緒に、その魔法が実現する瞬間を見届けよう」
税理士法人松野茂税理士事務所
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弥生会計・クラウド会計対応|事業計画書作成から経営サポートまで
「経営計画書は魔法の書。なぜなら、書いたらその通りになるから」