第10回目【弥生会計】Excelで作成した取引データを効率的に取り込む方法

尼崎の税理士法人松野茂税理士事務所 スマート取引エクセルより
目次

スマート取り込みの活用

記帳代行の業務を効率化する上で、弥生会計の「スマート取引取込」機能は非常に有用なツールです。今回は、Excelで管理されている取引データを弥生会計に取り込む方法について、実務での活用ポイントを含めて詳しく解説いたします。

なぜスマート取引取込が重要なのか

記帳代行業務において、顧客から受け取る資料の多くはExcelファイルで提供されます。これらのデータを手入力で処理していては時間がかかりすぎ、ミスも発生しやすくなります。スマート取引取込を活用することで、大幅な業務効率化が実現できます。

Excelデータの準備

まず、取り込み用のデータを適切な形式で準備する必要があります。

必須項目

  • 取引日:yyyy/mm/dd形式で入力
  • 金額:数値のみで入力(カンマは不要)

推奨項目

  • 摘要:取引内容や取引先名(仕訳の推測精度向上のため)

実務のポイント 弥生会計が提供する現金出納帳のテンプレートを活用すると、フォーマットが統一されCSVへの変換も簡単になります。顧客にもこのテンプレートの使用を推奨しています。

CSV形式での保存

Excelファイルは直接取り込めないため、CSV形式に変換します。

保存を実行

「名前を付けて保存」を選択

ファイルの種類で「CSV (コンマ区切り)(*.csv)」を選択

弥生会計での取り込み作業

1. スマート取引取込の起動

  • クイックナビゲータの「取引」カテゴリ →「スマート取引取込」
  • または「ファイル」→「スマート取引取込」→「取引の取り込み」

2. CSVファイルの選択と設定

ファイルの選択

CSVファイルをドラッグ&ドロップまたはクリックで選択

「CSVファイル取込」を選択

重要な設定項目

項目の対応付け

  • CSVの各列が「日付」「金額」「摘要」のどれに該当するかを指定
  • 入金・出金が同一列なら「金額(入出金)」、分かれているなら個別に設定

取り込み開始行

  • ヘッダー行を除外するため、通常は「2行目から」を指定

取引手段の選択

該当する勘定科目を選択(現金、普通預金、未払金など)

フォーマットの登録(業務効率化のカギ)

同じ顧客から定期的に同じ形式のデータを受け取る場合は、「取込フォーマット」として設定を保存しておきましょう。これにより、次回からの作業時間を大幅に短縮できます。

4. 取り込み実行と確認作業

問題なければ取引を確定し、帳簿に反映

「取り込みを実行する」をクリック

「未確定の取引」として一覧表示される

摘要から自動推測された勘定科目を確認・修正

消費税の処理について

旧税率の問題 スマート取引取込では、消費税の旧税率(8%など)の処理が正しく行われない場合があります。該当取引については、取り込み後に手動での修正が必要です。

データの品質管理

事前チェックポイント

  • 日付形式の統一
  • 金額のマイナス表記の確認
  • 摘要の記載内容(勘定科目推測の精度に影響)

より高度な活用方法

仕訳日記帳からのインポート 第9回にあります。

詳しくは弥生のHPを参照してください。

尼崎 税理士|松野茂税理士事務所【尼崎駅徒歩1分】記帳代行・節税に強いトップページ

目次