税理士法人松野茂税理士事務所 松野先生とスタッフの田中さんの会話から、役員関連の経費処理について分かりやすく解説します
Q&A 1:「役員のゴルフ入会金は会社の経費になりますか?」
田中スタッフ: 松野先生、お客様から「役員のゴルフクラブ入会金を会社で負担したいのですが、経費になりますか?」という質問がありました。
松野先生: ゴルフクラブの入会金は、入会方法によって税務処理が大きく変わります。まず、法人会員として入会できるかどうかを確認する必要があります。
田中スタッフ: 法人会員の場合はどうなりますか?
松野先生: 法人会員として入会した場合は:
- 入会金:資産計上
- 年会費:交際費として処理
- 脱会・解約時:入会金の返還されない部分は損金算入
ただし、法人として入会できない場合でも、法人の取り扱いとなることがあります。
田中スタッフ: 個人会員の場合はどうでしょうか?
松野先生: 個人会員として入会した場合は、入会金・年会費ともに役員への給与課税となります。会社が負担しても役員の所得として課税されるんです。
Q&A 2:「レジャークラブの入会金も同じ扱いですか?」
田中スタッフ: ゴルフクラブ以外のレジャークラブはどうでしょうか?
松野先生: レジャークラブなど期間の定めがあるものの入会金は、繰延資産として処理します。ゴルフクラブとは少し処理が異なりますね。
田中スタッフ: なるほど、クラブの種類によって処理方法が変わるんですね。
Q&A 3:「ロータリークラブなどの社交団体の会費はどうなりますか?」
田中スタッフ: ロータリークラブのような社交団体の会費についても教えてください。
松野先生: 社交団体も入会方法によって処理が変わります:
- 法人会員:交際費として処理
- 個人会員:給与課税
ロータリークラブなどは主に交際目的ですので、法人会員であれば交際費になります。
田中スタッフ: 交際費の限度額も関係してきますね。
松野先生: その通りです。中小企業の場合、年間800万円までの交際費は損金算入できますが、それを超える部分は損金不算入となります。
Q&A 4:「渡切交際費ってどのような制度ですか?」
田中スタッフ: 「渡切交際費」という言葉を聞いたことがあるのですが、これはどのような制度でしょうか?
松野先生: 渡切交際費は、役員に一定額を渡して交際費として使ってもらう制度です。ただし、税務上の取り扱いには注意が必要です:
- 使途が不明なもの:給与課税
- 使途が明らかにされたもの:交際費その他関連科目
田中スタッフ: 使途を明確にすることが重要なんですね。
松野先生: はい、領収書や使用目的を明確にしておかないと、全額が役員給与とみなされてしまいます。
Q&A 5:「役員給与として処理される場合の注意点はありますか?」
田中スタッフ: 役員給与として処理される場合、何か注意点はありますか?
松野先生: 役員給与として処理する場合は、以下の点に注意が必要です:
- 毎月定額の支給:定期同額給与として損金算入可能
- 臨時的なもの:損金不算入
つまり、不定期に支給される役員関連の経費は、会社の損金として認められません。
田中スタッフ: 計画的な支給が重要ということですね。
Q&A 6:「役員が亡くなった場合の取り扱いを教えてください」
田中スタッフ: 万が一、役員が亡くなられた場合の税務処理はどうなりますか?
松野先生: 役員の死亡に関する取り扱いは複雑ですが、事前に規定を整備しておくことが重要です。
事前準備として:
- 社葬規定
- 退職金規定
- 弔慰金規定
これらを整備しておくとスムーズに処理できます。
田中スタッフ: 具体的な税務処理はどうなりますか?
松野先生: 主な処理は以下の通りです:
1. 会社が行った葬式費用 経費処理が可能です。
2. 死亡退職金
- 3年以内に支給確定:みなし相続財産として相続税課税(非課税枠あり)
- 3年経過後:遺族の一時所得として課税
3. 弔慰金の非課税枠
- 業務上の死亡:給与の3年分
- 業務上以外の死亡:給与の6ヶ月分
Q&A 7:「これらの規定は必ず作成すべきでしょうか?」
田中スタッフ: 社葬規定や退職金規定は、どの会社でも作成すべきでしょうか?
松野先生: 特に中小企業では、役員が創業者であることが多く、突然の事態に備えておくことは非常に重要です。
規定作成のメリット:
- 税務上の取り扱いが明確になる
- 遺族との間でトラブルを避けられる
- 適切な節税対策ができる
田中スタッフ: 会社の継続性という観点からも重要ですね。
松野先生: その通りです。事業承継やM&Aを検討する際にも、これらの規定は重要な要素になります。
まとめ:役員関連の経費は事前の検討と適切な処理が重要
松野先生からのアドバイス:
役員に対する経費は、税務上の取り扱いが複雑で、誤った処理をすると思わぬ課税を受けることがあります。特に以下の点にご注意ください:
- 入会方法(法人会員vs個人会員)による処理の違い
- 交際費の限度額管理
- 役員給与の定期同額要件
- 万が一の場合に備えた規定整備
当事務所では、豊富な経験を活かして、役員関連の経費処理から事業承継対策まで、総合的にサポートいたします。弥生会計やクラウド会計での適切な会計処理も含めて、お客様の状況に最適な提案をいたします。
役員の経費処理や事業承継対策でお悩みの際は、阪神尼崎駅徒歩1分の松野茂税理士事務所まで。豊富な経験の実績と専門知識で安心サポートいたします。
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