尼崎の税理士が解説:フリーランス・サラリーマンなどの副業の確定申告で青色申告控除を受ける場合

税理士法人松野茂税理士事務所 フリーランス・サラリーマンなどの副業の確定申告で青色申告控除を受ける場合

フリーランスやサラリーマンの副業でも、適切な要件を満たせば青色申告特別控除65万円の適用を受けることが可能です。ただし、いくつかの重要なポイントと注意点があります。

目次

青色申告特別控除65万円を受けるための要件

1. 会計ソフトの利用が必須 65万円控除を受けるには、以下のいずれかが必要です。

  • 複式簿記による記帳を行い、貸借対照表と損益計算書を作成すること
  • e-Taxによる電子申告、または電子帳簿保存を行うこと

この点で、弥生の青色申告ソフト(デスクトップ版)は、複式簿記の記帳が確実にでき、決算書類も自動作成されるため、非常に有効です。オンライン版も同様の機能があり、どちらを選んでも問題ありません。

2. 事業所得としての要件を満たすこと 令和4年の税制改正により、事業所得と雑所得の区分が明確化されました。

事業所得と雑所得の区分(重要な改正点)

重要:300万円基準は撤廃されました

当初の改正案では「収入金額300万円以下は原則として雑所得」とする基準が示されていましたが、この300万円基準は撤廃されました。

所得税基本通達35-2(令和4年10月改正)

所得税基本通達35-2(事業所得と業務に係る雑所得の判定)

その所得に係る取引を記録した帳簿書類の保存がある場合には、原則として、事業所得に区分されるものとする。

この通達により、以下のことが明確になりました。

現在の判断基準(改正後):

  1. 帳簿書類を保存している場合
    • 収入金額の多寡にかかわらず、原則として事業所得
    • 300万円という金額基準は完全に撤廃
  2. 帳簿書類の保存がない場合(極めて重要) 帳簿書類の保存がない場合は、「その所得を得るための活動が、社会通念上事業と称するに至る程度で行っているかどうか」で判定されます。 この判定においては、以下の要素を総合的に勘案することが特に重要です:
    • 営利性:利益を得る目的で行われているか
    • 継続性:一定期間継続して行われているか
    • 反復性:同様の行為が反復して行われているか
    • 事業としての社会的客観性:その活動が社会通念上「事業」と評価されるか
    • 人的・物的設備の有無:事業に必要な設備や人員体制があるか
    • 精神的・肉体的労力の程度:相応の時間と労力を投入しているか
    • 職業としての安定性:本業との兼ね合いや収入の安定性
    単に帳簿をつけているだけでは不十分で、実質的に「事業」として行っている実態が必要です。
  3. 帳簿書類の範囲
    • 収入金額や必要経費の内容を記録した帳簿
    • 取引に関連する書類(請求書、領収書等)

雑所得となる場合:

  • 帳簿書類の保存がなく、かつ上記の営利性、継続性、反復性などの要素から「事業」と認められない場合
  • 一時的、単発的な収入で継続性・反復性が認められない場合
  • 副業的に少額の収入を得ているに過ぎず、事業としての実態が乏しい場合

損益通算における注意点

最も重要な注意事項として、副業が赤字の場合:

  1. 事業所得の場合 → 給与所得と損益通算が可能(赤字分を給与所得から差し引ける)
  2. 雑所得の場合 → 損益通算は一切できない(他の所得と相殺不可)

このため、副業を安易に事業所得として申告し、初期投資などで赤字を出して給与所得と損益通算することは、税務調査で否認されるリスクがあります。

税務調査では、以下の点が厳しく審査されます:

  • 帳簿書類が適切に保存されているか(所得税基本通達35-2)
  • 営利性、継続性、反復性などの実態があるか(特に重要)
  • 事業として成立する規模や体制が整っているか
  • 赤字が常態化していないか(営利性の欠如を疑われる)

弥生の青色申告ソフトを強く推奨する理由

なぜ弥生の青色申告なのか?

フリーランスやサラリーマンの副業で青色申告特別控除65万円を確実に受けるためには、弥生の青色申告ソフトの利用を強く推奨します。

弥生の青色申告ソフトの圧倒的なメリット

1. 通達が求める帳簿要件を完全に満たす

所得税基本通達35-2で求められる「帳簿書類の保存」を、弥生の青色申告ソフトなら自動的かつ確実に実現できます。

2. 複式簿記が簡単に実現できる

会計の専門知識がなくても、取引を入力するだけで自動的に複式簿記の仕訳が生成されます。65万円控除に必要な貸借対照表と損益計算書も自動作成されます。

3. e-Taxによる電子申告が直接できる(重要!)

弥生の青色申告ソフトにはe-Tax連携機能が標準装備されており、ソフトから直接電子申告が可能です。これにより:

  • 青色申告特別控除65万円の要件を完全に満たせる
  • 税務署に行く必要がない
  • 申告期限ギリギリでも提出可能
  • 申告データの控えが自動的に保存される

4. デスクトップ版の強み

  • データの安定性と高速処理:大量の取引データも快適に処理
  • オフラインでも作業可能:インターネット環境に左右されない
  • 詳細な設定が可能:複雑な取引にも対応
  • データのバックアップが容易:自分のパソコンで完全管理
  • 長期的なコストパフォーマンス:買い切り型で年間費用が抑えられる

5. オンライン版の強み

  • どこからでもアクセス可能:自宅でも外出先でも記帳できる
  • 自動バックアップ:データ消失の心配がない
  • バージョンアップが自動:常に最新の税制に対応
  • クラウド上で確実に保存:通達が求める帳簿保存を確実に実現
  • 初期費用が不要:すぐに始められる

6. 税務調査に強い

弥生の青色申告ソフトで作成した帳簿は:

  • 税務署が求める形式を完全に満たしている
  • 印刷やPDF出力で証拠書類として提出可能
  • 取引の流れが明確で説明しやすい
  • 会計ソフト大手の信頼性

7. 充実したサポート体制

  • 操作に迷ったときのサポートが充実
  • 税制改正への対応が迅速
  • 豊富なマニュアルと動画解説

デスクトップ版とオンライン版、どちらを選ぶべきか?

デスクトップ版がおすすめの方:

  • データを自分で管理したい
  • 大量の取引を扱う
  • 長期的なコストを抑えたい

オンライン版がおすすめの方:

  • どこからでも記帳したい
  • パソコンの管理が苦手
  • すぐに始めたい

どちらを選んでも、複式簿記、e-Tax電子申告、青色申告特別控除65万円の要件を完全に満たすことができます。

まとめ

所得税基本通達35-2の改正により、収入金額による区分(300万円基準)は完全に撤廃され、帳簿書類の保存の有無が第一の判断基準となりました。

ただし、帳簿をつけていても、営利性、継続性、反復性などの事業実態が伴わない場合は、雑所得と判定されるリスクがあります。この総合的な判断は特に重要です。

フリーランスやサラリーマンの副業で青色申告特別控除65万円を確実に受けるためには、**弥生の青色申告ソフト(デスクトップ版またはオンライン版)の利用を強く推奨します。**通達が求める帳簿要件を満たし、e-Taxによる電子申告も直接できるため、65万円控除を確実に受けられます。


フリーランスや副業での青色申告をご検討の方、弥生の青色申告ソフトの導入や使い方、事業実態の有無、適切な記帳方法、そして営利性・継続性・反復性などの要素について、専門家にご相談されることを強くお勧めします。

税理士法人松野茂税理士事務所では、30年の経験を活かし、弥生会計を使った記帳代行から青色申告のサポートまで、幅広くご対応しております。阪神尼崎駅から徒歩1分の好立地で、お気軽にご相談いただけます。

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