M&Aや事業承継のご相談を受けると、「先生も一緒に同席してほしい」とお願いされることがあります。
お客様のお気持ちは十分に理解できます。しかし、当事務所ではM&Aの交渉やデューデリジェンス(DD)には同席しないという方針を取っています。
なぜか?今回はその理由を詳しくご説明します。
交渉は「駆け引きの場」
M&Aの現場は、きれいな資料が並ぶ会議室のように見えますが、実際はかなり生々しいものです。売り手と買い手の利害が真正面からぶつかり、価格調整や条件交渉が続きます。
その場に税理士が入ると、どうしても「どちらかの味方をしている」と見られかねません。私たちはお客様のために中立的な立場で冷静な判断を下す必要があるため、あえて交渉の場には入りません。
税務リスクは冷静に精査が必要
交渉の場ではスピードと勢いで話が進むことが多いです。しかし税務の世界は、一つ判断を誤ると数千万円単位の課税につながることもあります。
だからこそ私は、資料を持ち帰り、冷静に税務リスクを精査します。「このスキームなら税金はいくらかかるのか」「申告時に問題が起きないか」を数字で確認し、後日お客様にご報告します。
感情や駆け引きに流されず、税務の専門家として客観的に分析することが、お客様の利益を守ることにつながります。
役割分担が大切
M&Aではそれぞれの専門家に役割があります。
- 仲介会社・弁護士 → 交渉や契約条件の調整
- 税理士 → 税務リスクの洗い出しと最終判断
私は「交渉のプレイヤー」ではなく、「最後の砦」として税務の安全を守る役割を担っています。この役割分担を明確にすることで、M&A全体の質が高まり、お客様にとって最良の結果につながると考えています。
まとめ
M&Aは華やかに見えますが、実際は交渉が中心の生々しい現場です。だからこそ、税理士は交渉には同席せず、冷静に税務リスクを検討する専門家として関与するのが最も有益だと考えています。
当事務所では、30年の経験と組織再編・M&Aの専門知識を活かし、「お客様の立場に立った税務判断」を最優先にしています。安心できるM&Aサポートをお求めの方は、ぜひご相談ください。
税理士法人松野茂税理士事務所
〒660-0861 兵庫県尼崎市御園町24 尼崎第一ビル7F(阪神尼崎駅徒歩1分)
TEL: 06-6419-5140 / FAX: 06-6423-7500
Email: info@tax-ms.jp
M&A・事業承継・組織再編のご相談は、お気軽にお問い合わせください。