2025年9月29日 | 税理士法人松野茂税理士事務所
こんにちは。税理士法人松野茂税理士事務所の松野です。
今日は「税務調査が来ることになったんですが、どう対応すればいいですか?」というお客様からのご相談について、スタッフと話した内容をブログにまとめました。
長年の実務経験から、税務調査に臨む際の心構えをお伝えします。
スタッフとの会話
スタッフ: 「松野先生、お客様が税務調査でとても緊張されているんですが、どうアドバイスすればいいですか?」
松野: 「そうだね。初めての税務調査は誰でも緊張するものだよ。でも、適切な心構えを持っていれば、必要以上に恐れることはないんだ」
スタッフ: 「心構え、ですか?」
松野: 「うん。税務調査には『やるべきこと』と『やってはいけないこと』があるんだよ」
税務調査の7つの心構え
1. 平常心を保つ
松野: 「まず一番大切なのは、平常心を保つこと」
スタッフ: 「でも、緊張しますよね…」
松野: 「もちろん緊張はするよ。でも、正しく申告していれば恐れる必要はない。税務調査は『適正な申告かどうかを確認する手続き』であって、犯罪捜査ではないんだから」
2. 雑談には要注意
松野: 「調査官は世間話から入ることが多いんだ」
スタッフ: 「それは緊張をほぐすためですか?」
松野: 「それもあるけど、雑談の中から事業の実態や経営者の性格を読み取ろうとしているんだよ。だから、雑談でも不用意な発言は避けること」
3. 指摘される覚悟を持つ
スタッフ: 「完璧に申告していても、何か指摘されるものなんですか?」
松野: 「長年の経験上、全く何も指摘されない調査の方が少ないね。税法の解釈には幅があるから、見解の相違が出ることはある。指摘される可能性があることを前提に、冷静に対応することが大切だよ」
4. しゃべり過ぎない
松野: 「これは本当に重要なポイントだね」
スタッフ: 「聞かれたことには答えないといけないですよね?」
松野: 「もちろん。でも『聞かれたことに答える』のと『必要以上にしゃべる』のは違うんだ」
必要最低限の返答を心がける
- ✅ 質問に対して的確に答える
- ❌ 質問されていないことまで話す
- ❌ 調子に乗ってしゃべり過ぎる
松野: 「緊張がほぐれてくると、ついつい余計なことまで話してしまう人がいるんだ。それが思わぬ指摘につながることもある」
5. 不利な資料は積極的に出さない
スタッフ: 「え? 隠すということですか?」
松野: 「いや、隠すのとは違うよ。求められた資料はきちんと提示する。でも、求められていない資料まで『これもあります、あれもあります』と出す必要はないということ」
スタッフ: 「なるほど。聞かれたことに答える、求められた資料を出す、ということですね」
6. きちんと主張する
松野: 「これも大切なポイントだ。不当な指摘には、はっきりと反論すべきだよ」
スタッフ: 「でも、税務署の人に反論するのは勇気がいりますね…」
松野: 「だから税理士がいるんだよ。正当な主張は堂々とすべきだし、私たちがサポートする。ただし、感情的にならず、事実と法令に基づいて冷静に主張することが重要だね」
7. 些細なものは認めてしまう
松野: 「逆に、明らかに間違いだと分かるものは、素直に認めた方がいい」
スタッフ: 「抵抗しない方がいいんですか?」
松野: 「些細なミスまで頑なに否定すると、かえって調査官の心証を悪くする。『これは確かに間違いでした』と認めるべきものは認めて、『でもこれは適正です』と主張すべきものははっきり主張する。メリハリが大切なんだ」
事前のリハーサルが重要
スタッフ: 「いざという時に、こういう対応ができるか不安です…」
松野: 「だから、事前のリハーサルが大切なんだよ」
リハーサルのポイント
1. 想定問答を準備
- よく聞かれる質問とその回答を整理
- 答えにくい質問への対応方法を考える
2. 調査官の誘導に乗らない練習
松野: 「調査官は時に誘導尋問のような質問をすることがある。『こういうことですよね?』と決めつけるような聞き方にも、冷静に『いえ、実際は…』と真正面から返答する練習をしておくといい」
3. 落ち着いた態度の練習
スタッフ: 「態度も見られているんですか?」
松野: 「そう。心の動揺は態度に出るものだからね」
心の動揺を読まれないために
注意すべき行動
松野: 「調査官は、言葉だけでなく態度も観察しているんだ」
- ❌ 不用意な動き
- ❌ 視線を泳がせる
- ❌ 何度も足を組み替える
- ❌ 落ち着きのない仕草
スタッフ: 「そんなところまで見られているんですね…」
松野: 「だから『平常心』が大切なんだよ。緊張するのは当然だけど、できるだけ落ち着いて、普段通りの態度で臨むことが重要だね」
税理士の立会いが重要な理由
スタッフ: 「やっぱり、税理士が立ち会った方がいいんですね」
松野: 「そうだね。私たちがいれば…」
✅ 専門的な質問に適切に回答できる
✅ 不当な指摘には法的根拠を示して反論できる
✅ 経営者が不用意な発言をしそうな時にサポートできる
✅ 調査の流れをコントロールできる
✅ 調査後の修正申告の必要性を適切に判断できる
松野: 「長年の実務経験があるからこそ、調査官とも対等に交渉できるんだ」
まとめ – 税務調査の心構え
スタッフ: 「今日のお話、お客様にしっかり伝えます!」
松野: 「うん。大切なポイントをもう一度まとめておこう」
- 平常心を保つ – 正しく申告していれば恐れることはない
- 雑談に注意 – 不用意な発言を避ける
- 指摘される覚悟 – 冷静に対応する準備を
- しゃべり過ぎない – 必要最低限の返答を
- 不利な資料は積極的に出さない – 求められたものだけ提示
- きちんと主張する – 正当な主張は堂々と
- 些細なミスは認める – メリハリのある対応を
そして何より、事前のリハーサルと税理士の立会いが重要です。
当事務所のサポート
当事務所では、長年の実務経験を活かし、税務調査の対応を全面的にサポートいたします。
✅ 調査前の準備と資料整理
✅ 想定問答の作成
✅ 調査当日の立会い
✅ 調査官との交渉
✅ 修正申告の要否判断と作成
税務調査の連絡が来たら、まずは当事務所にご相談ください。
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