税理士法人松野茂税理士事務所 松野先生とスタッフの田中さんの会話から、法人設立による節税効果を分かりやすく解説します
Q&A 1:「個人事業主はいつ法人成りを検討すべきですか?」
田中スタッフ: 松野先生、個人事業主のお客様から「いつ頃法人成りを検討すべきでしょうか?」という質問をよく受けるのですが…
松野先生: それは重要な質問ですね。一般的に、個人事業主の所得が一千万円を超えたら法人成りする方が税金は確実に安くなります。
田中スタッフ: では、所得がそれより少ない場合はどうでしょうか?
松野先生: 例えば、個人事業主の所得が300万円で事業専従者給与が200万円程度なら、法人成りによる節税効果はほとんどありません。むしろ法人設立費用や維持費用を考えると、節税メリットは薄いですね。
Q&A 2:「社会保険の負担軽減のために法人を使う方法があるって本当ですか?」
田中スタッフ: 税金以外で法人を活用する方法はありますか?
松野先生: はい、実は国民健康保険や国民年金の負担軽減のために会社を利用する方法があります。
田中スタッフ: どういうことですか?
松野先生: 例えば、所得が300万円で専従者給与が200万円程度でも、国民健康保険は多額になりますし、夫婦の国民年金を合計すると80万円程度になります。この負担を軽減するために、個人事業のまま会社を設立して社会保険に加入する方法があるんです。
Q&A 3:「具体的にはどのようなスキームになりますか?」
田中スタッフ: 具体的な方法を教えてください。
松野先生: 理美容業や鍼灸整骨院などの夫婦2人と従業員が2名程度の商売の場合を例にしましょう。
受付業務や広告宣伝業務、会計業務だけを目的とした会社を設立して、ご主人が代表者となり、毎月9万円程度の役員報酬を取ります。
田中スタッフ: その会社と本業の関係はどうなるんですか?
松野先生: こういう構造になります:
- 本業 → 会社(会社を外注先として毎月20万円の外注費を支払う)
- 会社の役員として社会保険に加入
- 9万円の給与に対する社会保険料は月2万7千円程度(年間約30万円)
- 奥様は第3号被保険者に該当するので負担なし
田中スタッフ: どのくらいの節約になるんですか?
松野先生: およそ50万円程度の社会保険料の節約になります。
Q&A 4:「このスキームには問題点もありますよね?」
田中スタッフ: メリットは分かりましたが、注意点もあるのでしょうか?
松野先生: もちろんです。いくつか重要な問題点があります:
1. 本業の所得が安定していること 本業の所得が安定していないと効果が薄れます。
2. 事業の分離が必要 本業と会社の事業は明確に分離できなければいけません。
3. 法人税の負担 最低でも10万円程度の法人税を支払う必要があります。
4. 維持費用 法人税の申告書や帳簿などの作成で費用がかかります。
田中スタッフ: 実際の節約効果はどの程度になりますか?
松野先生: 実質的には、うまくやっても25万円程度の節約が限界です。
計算すると:
- 社会保険料の節約:50万円
- 法人税:△10万円
- 法人税申告書作成等の費用:△15万円
- 実質節約額:25万円
Q&A 5:「どんな業種に向いているスキームですか?」
田中スタッフ: このスキームが向いている業種はありますか?
松野先生: 特に効果的なのは、夫婦でご商売をされている場合です。第3号被保険者の負担が無くなるので非常に効果的です。
具体的には:
- 理美容業
- 鍼灸整骨院
- 小規模な飲食店
- 各種サービス業
など、夫婦中心で運営されている事業が適しています。
田中スタッフ: 個人事業主の方には魅力的な選択肢ですね。
松野先生: ただし、事業の実態と税務上の要件をしっかりと満たすことが重要です。適切な設計と運営が必要なので、必ず専門家にご相談いただくことをお勧めします。
まとめ:法人設立は総合的な判断が重要
松野先生からのアドバイス:
法人設立による節税や社会保険料の軽減は、単純な所得金額だけでなく、事業の性質、家族構成、将来の事業展開など総合的な要素を考慮して判断する必要があります。
当事務所では、豊富な経験を活かして、お客様一人ひとりの状況に最適な提案をいたします。弥生会計やクラウド会計での適切な会計処理から、法人設立後の運営サポートまで、トータルでお手伝いします。
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