連載1回目
税理士法人設立を記念して、私、松野茂税理士事務所の30年間の実務経験をもとに、節
税について10回程度の連載ブログをお届けします。
連載6回目 事前届け出給与による社会保険削減スキームがそろそろ崩壊か?
連載7回目 消費税は税抜経理または税込経理どちらか節税になるの?
連載10回目 節税効果の高い3つの社内制度とその実務ポイント
若手税理士が陥りがちな「節税至上主義」の落とし穴
税理士になりたての頃は、「節税こそが税理士の使命」と考える方が少なくありません。しかし、30年間にわたって多くの企業を見てきた経験上、過度な節税は会社の存続にとって決してプラスにならないことをお伝えしたいと思います。
なぜ節税がダメなのか?答えは「キャッシュの流出」
ほとんどの節税手法は、実はお金を外部に流出させてしまうのです。
具体例で考えてみましょう:
ケース1:100万円の無駄遣いを経費計上した場合 → 手元に残るお金:0円
ケース2:100万円を使わず法人税(35%)を支払った場合 → 手元に残るお金:65万円
どちらが会社にとって有利でしょうか?答えは明らかです。
過度な節税が招く3つのリスク
1. キャッシュフローの悪化
お金がなくなることで資金繰りが悪化し、借入金の返済が困難になります。
2. 銀行からの信用失墜
損益計算書の見栄えが悪くなり、金融機関からの評価が下がってしまいます。
3. 税務調査のリスク増大
無理やり経費を作っていると、税務署に目をつけられやすくなります。
税理士として推奨する「基本の節税対策」
では、節税は全くしてはいけないのでしょうか?もちろん、そんなことはありません。
私が新規のお客様と面談する際、必ずチェックする3つの基本的な節税対策があります:
- 小規模企業共済
- 経営セーフティ共済(倒産防止共済)
- 生命保険の活用
これらの対策がされていない場合、「この会社は今まで利益を出したことがないのでは?」と疑問に思うほど、定番中の定番の節税手法です。
実は存在する「お金のかからない節税方法」
ここまで「節税にはお金がかかる」とお話ししてきましたが、実はお金をかけずに行える節税方法も存在します。
次回のブログでは、この「お金のかからない節税方法」について詳しく解説いたします。