2回目【尼崎の税理士が解説】弥生会計の初期設定:残高入力と貸借対照表科目の設定をマスターしよう

尼崎の税理士法人松野茂税理士事務所 弥生会計 開始残高
目次

開始残高に金額を直接入れます。
間違えてもいつでも修正できますよ!

新しく事業を始められた方、または他の会計ソフトから弥生会計に乗り換えた方にとって、最初の関門となるのが「初期設定」です。特に、期首の残高を正しく入力することは、その後の会計処理全体の正確性を左右する非常に重要な作業です。

この記事では、弥生会計の初期設定の中でも特に重要な「残高入力」と、その基礎となる「貸借対照表(B/S)科目の設定」について、尼崎市で多くの企業の会計をサポートする税理士が、手順を追って詳しく解説します。

なぜ残高の初期設定が重要なのか?

会計は、期首(事業年度の開始日)から期末(事業年度の終了日)までの取引を記録し、最終的に決算書を作成する一連の流れです。期首時点での資産、負債、純資産の残高が、いわば会計期間のスタートラインとなります。

このスタートラインがずれていると、どれだけ日々の取引を正確に入力しても、最終的に出来上がる貸借対照表や損益計算書は正しいものになりません。正確な経営状況を把握し、正しい税務申告を行うためにも、最初の残高設定は丁寧に行いましょう。

残高入力の前に準備するもの

スムーズに作業を進めるため、事前に以下の資料をご用意ください。

  • 前年度の決算書(特に貸借対照表): 法人の場合や、個人事業主で前年以前から事業を行っている場合に必要です。
  • 勘定科目の内訳書: 各勘定科目の詳細な内訳が記載された書類です。
  • 補助簿: 預金出納帳(通帳)、売掛金元帳、買掛金元帳など、各科目の残高の内訳がわかるものです。
  • 期中導入の場合: 会計期間の途中から弥生会計を使い始める場合は、導入前月までの残高試算表も必要です。

「科目残高入力」画面を開く

まず、残高を入力するための画面を開きます。弥生会計のメニューから、以下のいずれかの方法でアクセスできます。

  • メニューバーの「設定」から**「科目残高入力」**をクリック
  • クイックナビゲータの「導入」カテゴリから**「科目残高入力」**をクリック

2. 前期繰越残高を入力する

「科目残高入力」画面が開いたら、前年度の決算書(貸借対照表)を見ながら、各科目の「前期繰越残高」の欄に金額を入力していきます。[7][2]

【重要ポイント】補助科目から入力する
普通預金や売掛金のように、内訳管理が必要な科目には**「補助科目」**が設定されています。例えば、「普通預金」という勘定科目に「A銀行」「B銀行」という補助科目が紐づいている場合などです。 このような科目では、必ず先に補助科目の残高から入力してください。補助科目の金額を入力すると、その合計額が自動的に上位の勘定科目(この例では「普通預金」)の残高として集計されます。

もし先に勘定科目の残高を入力してしまうと、補助科目との差額が「指定なし」という項目に残ってしまいます。その場合は、各補助科目の残高を正しく入力し、「指定なし」の金額が0円になるように調整してください。

貸借のバランスを確認する

すべての科目の残高を入力し終えたら、画面下部にある**「貸借調整」**ボタンをクリックします。これにより、資産の合計(借方合計)と、負債・純資産の合計(貸方合計)が一致しているかを確認できます。[5]

ここで差額が出ている場合は、どこかに入力ミスがある証拠です。再度、元の資料と入力内容を照らし合わせて確認しましょう。

4. 残高試算表で最終確認

入力が完了したら、期首月の残高試算表(貸借対照表)を印刷し、前年度の貸借対照表と金額が完全に一致していることを必ず確認してください。これで残高の入力は完了です。[2][3]

貸借対照表(B/S)科目の設定について

弥生会計にはあらかじめ多くの勘定科目が登録されていますが、業種や管理方法によっては、新しい科目を追加したり、名称を変更したりする必要があります。

貸借対照表の科目は、大きく**「資産」「負債」「純資産」**の3つのグループに分類されます。

  • 資産: 会社が保有する財産(現金、預金、売掛金、建物など)
  • 負債: いずれ返済が必要なお金(買掛金、借入金など)
  • 純資産: 返済不要の自己資本(資本金、利益剰余金など)

これらの勘定科目は、「設定」メニューの**「勘定科目設定」から追加や修正が可能です。また、決算書に表示される際の科目名や区分は「決算書項目の設定」**で調整できます。

まとめ

弥生会計の初期設定、特に残高入力は、正確な会計処理の土台を作る大切な作業です。

最後は必ず残高試算表で元の資料と一致しているか確認する

事前に前年度の決算書などを準備する

補助科目があるものは、補助科目から先に入力する

開業初年の個人事業主の方は開始残高はありません。

次回は売上の入力から説明します、

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