第9回尼崎の税理士が解説 弥生会計の業務効率化の決定版!Excelからの仕訳データインポート

尼崎の税理士法人松野茂税理士事務所 弥生会計データインポート
目次

エクセルの活用

今回は、弥生会計の隠れた便利機能である「Excelからの仕訳インポート」について、実務で使えるノウハウを交えて詳しく解説いたします。

なぜExcelインポートが必要なのか

現代の経理業務では、以下のような課題が頻繁に発生します:

  • 大量の取引データの処理: ECサイト運営や小売業では日々数百件の取引が発生
  • 複数の決済手段への対応: 現金、クレジット、電子マネー、QR決済など多様化
  • 従業員からの経費データ: Excelで管理された経費精算書や現金出納帳
  • 他システムからのデータ移行: POSレジや他会計ソフトからの移行

これらを手入力で処理していては、時間もコストもかかりすぎます。そこで活用したいのが弥生会計のExcelインポート機能です。

Excelインポートの3つのステップ

ステップ1: インポート用データの作成

弥生会計には「弥生インポート形式」という決められたフォーマットがあります。慣れてしまえば簡単ですが、最初は少し戸惑うかもしれません。

主要な項目と配置

  • 1列目: 識別フラグ(単独仕訳の場合は「2000」)
  • 4列目: 取引日(2025/09/19 または 20250919 形式)
  • 5列目: 借方勘定科目
  • 7列目: 借方金額
  • 8列目: 貸方勘定科目
  • 10列目: 貸方金額

実務で使える効率化テクニック

私が顧客にお勧めしているのは、以下の2つの方法です:

  1. 雛形(テンプレート)の活用 まず弥生会計から少量のサンプル仕訳をエクスポートし、それを雛形として保存しておきます。これにより、形式を間違えるリスクを大幅に減らせます。
  2. 二段階シート方式
    • 入力用シート:普段慣れ親しんだ現金出納帳形式
    • 変換用シート:IF関数等を使って弥生形式に自動変換
    この方式により、入力作業の手間を最小限に抑えながら、正確なデータを作成できます。

ステップ2: CSV形式での保存

Excel形式のファイルは直接インポートできないため、CSV(カンマ区切り)形式での保存が必要です。

保存時の注意点

  • 「名前を付けて保存」でファイル形式を「CSV (カンマ区切り) (*.csv)」を選択
  • 見出し行や説明文は事前に削除
  • 文字コードの問題を避けるため、保存後に内容を確認

ステップ3: 弥生会計でのインポート実行

  1. クイックナビゲータの[取引]→[仕訳日記帳]を開く
  2. [ファイル]メニューから[インポート]を選択
  3. [参照]ボタンでCSVファイルを選択
  4. ファイル形式が「テキストファイル」になっている場合は「すべてのファイル」に変更

エラーが発生した場合は、エラー内容を示すファイルが出力されるので、それを参考に修正して再度インポートします。

実務での活用シーン

1. 銀行取引データの効率化

スマート取引取込に対応していない金融機関でも、通帳の内容をExcelに入力してインポートすることで、大幅な時間短縮が可能です。

2. 最新決済サービスへの対応

PayPay、Square、Airペイなど、新しい決済サービスのデータも、CSV出力機能があれば弥生会計に取り込めます。DX化を進める上で重要なポイントです。

3. 従業員経費の一括処理

従業員がExcelで作成した経費精算書も、フォーマットを統一すれば一括処理できます。月末の経理作業が劇的に楽になります。

4. 他システムからの移行

他の会計ソフトから弥生会計へ移行する際も、このインポート機能を活用することで、過去データを効率よく引き継げます。

まとめ:DX時代の経理業務効率化

弥生会計のExcelインポート機能は、単なる便利機能ではなく、現代の経理業務に欠かせないDXツールです。特に、複数の売上チャネルを持つ事業者や、従業員数が多い法人では、この機能を活用することで月次処理時間を大幅に短縮できます。

当事務所では、弥生会計だけでなく、freee、マネーフォワードクラウドなどの各種クラウド会計ソフトにも対応し、お客様の業務形態に最適なソリューションをご提案しています。

記帳代行や会計ソフトの導入でお困りの方は、お気軽にご相談ください。


インポート形式の作り方

対象となる仕訳をエクスポートすればできあます。

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