スマート取り込みの活用
記帳代行の業務を効率化する上で、弥生会計の「スマート取引取込」機能は非常に有用なツールです。今回は、Excelで管理されている取引データを弥生会計に取り込む方法について、実務での活用ポイントを含めて詳しく解説いたします。
なぜスマート取引取込が重要なのか
記帳代行業務において、顧客から受け取る資料の多くはExcelファイルで提供されます。これらのデータを手入力で処理していては時間がかかりすぎ、ミスも発生しやすくなります。スマート取引取込を活用することで、大幅な業務効率化が実現できます。
Excelデータの準備
まず、取り込み用のデータを適切な形式で準備する必要があります。
必須項目
- 取引日:yyyy/mm/dd形式で入力
- 金額:数値のみで入力(カンマは不要)
推奨項目
- 摘要:取引内容や取引先名(仕訳の推測精度向上のため)
実務のポイント 弥生会計が提供する現金出納帳のテンプレートを活用すると、フォーマットが統一されCSVへの変換も簡単になります。顧客にもこのテンプレートの使用を推奨しています。
CSV形式での保存
Excelファイルは直接取り込めないため、CSV形式に変換します。
保存を実行
「名前を付けて保存」を選択
ファイルの種類で「CSV (コンマ区切り)(*.csv)」を選択
弥生会計での取り込み作業
1. スマート取引取込の起動
- クイックナビゲータの「取引」カテゴリ →「スマート取引取込」
- または「ファイル」→「スマート取引取込」→「取引の取り込み」
2. CSVファイルの選択と設定
ファイルの選択
CSVファイルをドラッグ&ドロップまたはクリックで選択
「CSVファイル取込」を選択
重要な設定項目
項目の対応付け
- CSVの各列が「日付」「金額」「摘要」のどれに該当するかを指定
- 入金・出金が同一列なら「金額(入出金)」、分かれているなら個別に設定
取り込み開始行
- ヘッダー行を除外するため、通常は「2行目から」を指定
取引手段の選択
該当する勘定科目を選択(現金、普通預金、未払金など)
フォーマットの登録(業務効率化のカギ)
同じ顧客から定期的に同じ形式のデータを受け取る場合は、「取込フォーマット」として設定を保存しておきましょう。これにより、次回からの作業時間を大幅に短縮できます。
4. 取り込み実行と確認作業
問題なければ取引を確定し、帳簿に反映
「取り込みを実行する」をクリック
「未確定の取引」として一覧表示される
摘要から自動推測された勘定科目を確認・修正
消費税の処理について
旧税率の問題 スマート取引取込では、消費税の旧税率(8%など)の処理が正しく行われない場合があります。該当取引については、取り込み後に手動での修正が必要です。
データの品質管理
事前チェックポイント
- 日付形式の統一
- 金額のマイナス表記の確認
- 摘要の記載内容(勘定科目推測の精度に影響)
より高度な活用方法
仕訳日記帳からのインポート 第9回にあります。
詳しくは弥生のHPを参照してください。