尼崎の税理士が解説|中小企業の決算書の見方

尼崎の税理士が解説|中小企業の決算書の見方
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スタッフとの会話で分かる!決算書に隠された「社長の意思」

スタッフA:「所長、中小企業の決算書を見ていて、いつも不思議に思うことがあるんです」

所長:「何だい?」

スタッフA:「財務分析の教科書通りにいかないんですよね。係数比率だけでは読み解けない何かがあるというか…」

所長:「いいところに気づいたね。実は中小企業の決算書には大きな特徴があるんだ。それは社長の意思が隠れているということ。今日はそれを具体的に説明しよう」


【例題1】業績好調なら利益は2倍?

所長:「じゃあ、ちょっと考えてみて。前期100万円の利益を出した会社が、今期は業績が良くて2倍の利益が予想される。今期の利益はいくらになると思う?」

スタッフB:「それは簡単です。2倍なら200万円ですよね?」

所長:「普通はそう考えるよね」


【例題2】業績不振なら赤字申告?

所長:「じゃあ逆に、前期100万円の利益だった会社が、今期は業績が悪くなって赤字50万円が予測される。この場合、今期の利益はどうなる?」

スタッフA:「マイナス50万円で赤字申告…ですか?」

所長:「うん、そう思うよね」


税理士と多くの社長の答えは…

スタッフB:「違うんですか?」

所長:「実は、私を含めた多くの税理士、そして経験豊富な社長の答えはこうなんだ。例題1も例題2も、今期の利益は100万円になる

スタッフA・B:「えっ!?」


なぜ利益を「100万円」に調整するのか

スタッフA:「どういうことですか?業績が良くても悪くても、同じ100万円?」

所長:「そう。これが中小企業の決算書の本質なんだ。中小企業の社長は、利益を一定水準にコントロールしているケースが多い」

スタッフB:「でも、なぜそんなことを?」

所長:「理由はいくつかある。まず税金対策。利益が急増すれば法人税も跳ね上がる。それなら節税策を使って利益を抑える。逆に赤字になりそうなら、金融機関の評価を考えて、何とか黒字に持っていく」

スタッフA:「なるほど…じゃあ業績が良い時は、例えば役員報酬を増やしたり、経費を使ったりして調整するんですね」

所長:「その通り。逆に業績が悪い時は、社長個人が会社に貸し付けたり、経費を削ったり、在庫評価を見直したりして、何とか黒字を維持しようとする」


決算書の裏側を読む力

スタッフB:「ということは、決算書の数字だけ見ていても、本当の業績は分からないってことですか?」

所長:「そういうこと。だから私たちは決算書の裏側を読む必要がある」

具体的には:

  • 役員報酬の推移 → 増減で業績の良し悪しが分かる
  • 地代家賃や交際費 → 不自然な増減は調整のサイン
  • 棚卸資産の動き → 在庫が急増していれば粉飾の可能性
  • 貸借対照表の変化 → 社長借入金が増えていれば資金繰りが苦しい証拠

スタッフA:「決算書って、本当に奥が深いんですね」

所長:「30年この仕事をしていても、毎回発見があるよ。中小企業の決算書は、単なる数字の羅列じゃない。社長の経営判断や想いが詰まった物語なんだ」


まとめ:中小企業の決算書を読むポイント

所長:「最後にポイントをまとめておこう」

  1. 利益は社長の意思で調整されている
  2. 財務分析だけでは本当の業績は分からない
  3. 役員報酬、経費、貸借対照表の変化に注目する
  4. 決算書の裏側にある経営者の意図を読み解く

スタッフB:「私たちも、もっと深く決算書を読めるように勉強します!」

所長:「その意気だ。お客様の決算書を見る時は、いつも『社長は何を考えているのか』を意識してほしい。それが本当の税務アドバイスにつながるからね」


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