検収基準とは何か?
検収基準は、売上の計上時期を決める重要な会計基準の一つです。企業の売上計上には主に以下の3つの基準があります。
- 出荷基準:商品や製品を出荷した時点で売上を計上
- 納品基準:商品を納品した時点で売上を計上
- 検収基準:顧客から検収通知を受けた時点で売上を計上
この中で、検収基準は最も遅く売上を計上する基準となります。
検収基準の具体例
機械設備の販売を例に考えてみましょう。
- 機械を製造・出荷(出荷基準ならここで売上計上)
- 顧客先に機械を納品(納品基準ならここで売上計上)
- 機械を設置し、試運転を実施
- 顧客から検収確認書を受領(検収基準はここで売上計上)
このように、検収基準では実際に顧客が商品・サービスの完成を確認し、受け入れを表明した時点で初めて売上として認識します。
節税効果のポイント
検収基準を採用することで、以下のような節税効果が期待できます。
売上計上の繰延効果
- 検収が翌期にずれ込めば、その分売上計上も翌期となる
- 結果として当期の課税所得を圧縮できる
- 資金繰りの改善にもつながる
保守的な会計処理
検収基準は最も保守的な会計処理方法として税法でも正式に認められており、税務調査でも問題となりにくい基準です。
適用時の注意点
継続適用の原則
検収基準を採用する場合は、毎期継続して適用する必要があります。税法上、継続適用とは原則として3年以上の適用が求められます。
検収確認の仕組み作り
検収基準を適用するためには、顧客から「検収確認書」などの書面で検収の通知を受ける仕組みを整備することが重要です。
まとめ
検収基準は適切に運用すれば有効な節税手法となり得ますが、継続適用の原則や適切な証憑管理が必要です。
貴社の事業内容や取引形態に応じて、検収基準の採用が適切かどうかを慎重に検討することをお勧めします。
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