弥生会計という選択が、すべてを変えた
「どこの会計ソフト使ってます?」
当時の税理士業界では、これが飲み会での定番の挨拶でした。オフコンから市販の会計ソフトへと移行する時代の転換期。勘定奉行やPCAを使う先生たちが「最先端」ともてはやされていた頃のことです。
私はその流れに乗らず、まだほとんど知られていなかった弥生会計を選びました。PAP制度が始まった初年度に会員登録したのですが、当時は弥生会計を使っている税理士事務所など皆無に等しい状況でした。
あまりにマイナーだったため、弥生会計の大阪支店長が直接挨拶に来られたほどです。その支店長と1時間ほどお話しする機会がありました。
「パソコンはよく壊れるので、将来はネット上に弥生のデータを保管できるようになるといいですね」
今思えば、これがクラウド会計の原点でした。また、ビスカスの女性創業者が訪問されたこともあり、ようやく税理士事務所らしい体制が整ってきました。
ホームページ集客の黎明期
次に飛び乗ったバスは、ホームページ集客でした。
支部でも研修が開催され、ドメイン、メール、サーバーについて学びました。そこで「京都に【権威】と呼ばれる制作会社がある」という噂を聞きつけ、すぐに行動に移しました。
複数のホームページを立ち上げると、効果は絶大でした。月に1件程度のペースで新規顧客を獲得でき、従業員を4名まで増やすことができました。順調そのものでした。
ある日突然、バスが止まった
しかし、ある日突然、状況は一変しました。
Googleのアルゴリズムが大幅に変更されたのです。「パンダアップデート」「ペンギンアップデート」と呼ばれるこの変更により、それまで効果を上げていたSEO手法が一夜にして通用しなくなりました。
サイトを循環していた顧客の流れが止まり、新規の問い合わせは途絶えました。
まさに、乗っていたバスが突然停車してしまったのです。
次回は 尼崎への事務所移転 税理士法人の設立をお伝えします。