税理士法人松野茂税理士事務所 阪神尼崎駅徒歩1分
📚 目次
<a name=”売上予測”></a>
1️⃣ 売上予測の立て方
Q:売上予測ってどうやって立てるの?
スタッフ: 先生、創業融資のクライアントさんから「売上予測ってどう立てればいいの?」って聞かれました。
松野税理士: 感覚で「月100万円くらい」って決めちゃダメですよ。客観的なデータを使うのが基本です。
✅ 参考にすべきデータ
- 日本政策金融公庫「小企業の経営指標」
- 中小企業庁「中小企業の経営指標」
業種別のデータを使えば、現実的な数字が見えてきます。
業種別の売上予測方法
【美容室・理容室・飲食店】
売上 = 顧客単価 × 座席数 × 回転数 × 営業日数
例:美容室の場合
- 顧客単価:5,000円
- 座席数:4席
- 1日の回転数:3回転
- 営業日数:月25日
月間売上 = 5,000円 × 4席 × 3回転 × 25日 = 150万円
【コンビニ・小売店】
売上 = 1㎡あたりの売上 × 売り場面積
例:コンビニの場合
- 1㎡あたりの月間売上:15万円(業界平均)
- 売り場面積:50㎡
月間売上 = 15万円 × 50㎡ = 750万円
新規事業の場合は?
スタッフ: 全く新しい事業だとデータがないですよね?
松野税理士: その場合は:
- 類似業種のデータを参考
- 競合店の調査
- 段階的な目標設定(初月50% → 3ヶ月後80% → 半年後100%)
- 保守的な数字で計画
<a name=”資金繰り改善”></a>
2️⃣ 資金繰り改善の7つのポイント
Q:借入れする前にできることって?
スタッフ: 先生、資金繰りが厳しいクライアントさん、すぐ借入れした方がいいですよね?
松野税理士: ちょっと待って!借入れは一時的な対処療法です。根本原因を解決しないと、返済が始まったらもっと苦しくなりますよ。
資金繰り改善の7つの方法
①在庫管理の徹底
問題: 在庫 = お金が倉庫に眠っている状態
改善策:
- 売れ筋商品を分析して集中管理
- 死に筋商品は処分セールで現金化
- レアな注文はネット仕入れで対応
②ムダな経費の削減
チェックポイント:
- ❌ 効果のない広告宣伝費
- ❌ 使っていないサブスク
- ❌ 過剰な接待交際費
- ❌ 必要以上の通信費
月5万円削減 = 年間60万円の資金が浮く!
③売上債権の回収サイト短縮
改善例:
- 現在:納品から2ヶ月後入金 → 1ヶ月後入金
- 手形120日 → 60日に短縮
⚠️ 注意: 慎重に交渉しないと「経営が危ない」と思われる
④仕入債務の支払サイト延長
ポイント:
- 無理のない範囲で交渉
- 仕入先に誠実に説明
- 「効率化のため」など前向きな理由で
⑤売上債権回収の徹底(超重要!)
要注意取引先:
- 支払条件が他社より極端に悪い
- 手形サイトが異常に長い(120日超)
- 業界で悪い噂がある
対策:
- 回り手形を受け取る
- 大きな取引は控える
- 倒産防止共済に加入
連鎖倒産を防ぐのが最優先!
⑥材料・商品の仕入先見直し
- 相見積もりで価格比較
- 発注ロットの最適化
- 仕入先の集約で値引き交渉
⑦遊休資産の売却
売却検討:
- 使っていない不動産・機械設備
- 収益性の低い投資物件
お金を生まない資産 = 負債と同じ
資金繰りの健康診断:4つの指標
①流動比率 = 流動資産 ÷ 流動負債 × 100
目安:150%以上
②棚卸資産回転期間 = (期首在庫+期末在庫)÷2 ÷ 月商
目安:1〜2ヶ月
③売上債権回転期間 = (受取手形+割引手形+売掛金) ÷ 月商
目安:2ヶ月以内
④仕入債務回転期間 = (支払手形+買掛金) ÷ 月商
目安:売上債権回転期間より長い
<a name=”決算書の見方”></a>
3️⃣ 融資を受けるための決算書の見方
【衝撃】古き良き時代の3つの迷信
スタッフ: 先生、支店長と仲良くすれば融資が通りやすいって…
松野税理士: それ、完全に昔の話です!
❌ 古き良き時代の迷信
- 支店長や融資担当者と人間関係を構築すれば大丈夫
- 経営者の人間性や経営能力を見て融資判断する
- 黒字を出していれば融資可能
今は:
- 支店長とゴルフ → コンプライアンス違反
- 口のうまい経営者 → 関係なし
- 黒字でも右肩下がりの業種 → 融資困難
銀行が見るのは「数値化された格付け」
松野税理士: 銀行は**「安全性・収益性・成長性」を数値化**して判断します。
重要書類:
- 損益計算書
- 貸借対照表
- キャッシュフロー計算書
- 勘定科目内訳書
【損益計算書】税理士vs銀行の考え方
税理士の考え方
利益が多い = 税金が増える
→ 節税のため利益を圧縮
銀行の考え方
返済原資 = 税引後利益 + 減価償却費
→ 税金を払っても利益を出してほしい
重要:
融資の年間返済額 < 税引後利益 + 減価償却費
でないと現金が不足します!
【損益計算書】銀行が見るポイント
- 売上高(一番最初に見る)
- 営業利益(本業の収益力)
- 税引後利益(一番重視する)
NG: 税引後利益10万円とか、赤字隠しの決算書
【貸借対照表】社長の意思が見える
スタッフ: 貸借対照表ってどこを見られますか?
松野税理士: まず**「繰越利益」**です。
繰越利益の重要性
- 繰越利益 = 長年積み上げた利益の累計
- 繰越欠損(赤字) = 銀行から軽く扱われる
決算書の違い
- 損益計算書 = 従業員の1年間の成績表
- 貸借対照表 = 社長の意思が反映された通知表
理想的な財務体質
【資産】
- ⭕ 流動資産が多い(現金、売掛金)
- ❌ 固定資産が少ない(不動産、機械)
【負債】
- ⭕ 流動負債が適正
- ❌ 固定負債が少ない
理想の比率:
- 流動資産 > 固定資産
- 流動負債 > 固定負債
- 繰越利益が多い
銀行は「身軽でキャッシュの多い会社」を好む
【危険】役員貸付金は100害あって一利なし
松野税理士: 役員貸付金があると、私は必ずこう言います。
「社長、会社に返済してください」
役員貸付金が疑われる3つのこと
- お金の管理がずさん
- 売上の過大計上(仮装経理)
- 帳尻合わせ(赤字隠し)
結果:格付けが下がり、融資に超不利!
【重要】勘定科目内訳書を細かくチェック
勘定科目内訳書 = 貸借対照表の詳細な内訳
項目 | 危険な状態 | 疑われること |
---|---|---|
現金残高 | 異常に多い | 実際にあるか疑われる |
売掛金 | 前年より増加 | 仮装経理の疑い |
受取手形 | サイトが長い | 回収リスク |
役員貸付金 | 残高増加 | 不明金・赤字隠し |
棚卸資産 | 大きく増加 | 売れ残り・赤字隠し |
貸借対照表の内訳だから、仮装経理が見破られる!
<a name=”キャッシュフロー”></a>
4️⃣ キャッシュフローと返済能力
銀行が最重視するのは「返済能力」
スタッフ: 黒字なのに融資が通らなかったクライアントさんがいるんですけど…
松野税理士: **「利益」よりも「キャッシュフロー」**を銀行は見ています。
重要書類:
- キャッシュフロー計算書
- 資金繰表
- 事業計画書
黒字倒産 = 利益が出ていても現金が回らない
銀行がチェックする3つのポイント
①売掛金の回収状況
チェック内容:
- 売掛金の残高が増えていないか?
- 取引条件が悪化していないか?
- 不良債権はないか?
危険信号:
- 売上増加なのに売掛金がさらに増加
- 回収サイトが長くなっている(2ヶ月→3ヶ月)
- 特定の取引先への売掛金が異常に多い
②受取手形の増減
チェック内容:
- 受取手形の残高が増えていないか?
- 手形サイトが伸びていないか?
- 不渡りの可能性は?
危険信号:
- 正常:60日サイト → 危険:120日サイト
- 不渡りリスク = 連鎖倒産のリスク
③銀行融資の増加
チェック内容:
- なぜ借入金が増えているのか?
- 運転資金として適正か?
- 返済可能な範囲か?
危険信号:
- 短期間で急増
- 実は赤字補填
- 返済能力を超えている
取引先の信用力も重要
有利に働くケース
✅ 大口取引先が優良企業(上場企業、大手)
- → 売掛金回収が確実
- → 融資に有利
不利に働くケース
❌ 大口取引先が零細企業や格付けの悪い会社
- → 回収に懸念
- → 連鎖倒産リスク
- → 融資に超不利
理想的な取引先構成
❌ 危険なパターン(一社依存)
A社:売上の60%
B社:売上の30%
C社:売上の10%
→ A社倒産で会社が危ない!
⭕ 安全なパターン(小口分散)
A社:売上の20%
B社:売上の15%
C社:売上の15%
D社:売上の10%
その他:売上の40%
→ 1社倒産しても影響限定的
「得意先を小口分散させる」が融資に有利
<a name=”返済計画”></a>
5️⃣ 返済計画の正しい立て方
返済原資の基本
松野税理士: 借入金の返済は、税金を支払った後の利益から行います。
【法人】返済財源の計算式
返済財源 = 税引後当期利益 + 減価償却費
例:
- 税引後当期利益:300万円
- 減価償却費:200万円
返済財源 = 500万円
なぜ減価償却費を加えるのか?
減価償却費 = 支出を伴わない費用だから
例:500万円の機械を購入(耐用年数5年)
年 | 減価償却費 | 実際の支出 |
---|---|---|
購入時 | 0円 | 500万円支出 |
1年目 | 100万円 | 0円 |
2年目 | 100万円 | 0円 |
実際にお金は出ていないから、返済財源に使える!
【個人事業主】返済財源の計算式
返済財源 = (所得 + 減価償却費 - 税金) - 生活費
例:
- 所得:600万円
- 減価償却費:100万円
- 税金:120万円
- 生活費:360万円(月30万円×12)
返済財源 = (600万円 + 100万円 – 120万円) – 360万円 = 220万円
個人事業主は生活費を必ず考慮!
よくある3つの失敗パターン
❌ 失敗①:売上から返済できると思っている
「売上3,000万円あるから、年間360万円は余裕」
現実:
- 売上3,000万円
- 経費2,500万円
- 税金100万円
- 税引後利益400万円
足りない!
❌ 失敗②:税金を忘れている
「利益500万円出たから、480万円返済できる」
現実:
- 利益500万円
- 税金100万円
- 税引後利益400万円
税金を忘れている!
❌ 失敗③:減価償却費を忘れている
「税引後利益200万円だから、200万円しか返済できない」
現実:
- 税引後利益200万円
- 減価償却費150万円
- 返済財源350万円
実は350万円返済できる!
返済可能額の目安
年間返済額 ≦ 返済財源 × 70〜80%
例:返済財源500万円の場合
- 安全な年間返済額:350〜400万円
- 月額返済額:29〜33万円
なぜ70〜80%?
- 予期せぬ出費
- 売上減少リスク
- 運転資金の確保
20〜30%の余裕を持たせる!
返済計画の5ステップ
ステップ①:返済財源を計算
法人:税引後利益 + 減価償却費
個人:(所得 + 減価償却費 - 税金) - 生活費
ステップ②:余裕率を設定
安全な返済額 = 返済財源 × 70〜80%
ステップ③:月額返済額を算出
月額 = 安全な返済額 ÷ 12ヶ月
ステップ④:借入可能額を逆算
ステップ⑤:事業計画書に反映
返済計画チェックリスト
✅ 税金を考慮している?
✅ 減価償却費を加えている?
✅ 生活費を引いている?(個人)
✅ 余裕を持たせている?(70〜80%)
✅ 現実的な数字か?
✅ 複数年で計画している?
<a name=”サービス案内”></a>
🏢 税理士法人松野茂税理士事務所のサービス
当事務所の強み
30年の実績・税理士2名・スタッフ7名体制
得意分野
- ✅ 所得税・法人税・消費税
- ✅ 相続税・相続対策
- ✅ 組織再編・M&A(高度な専門知識)
- ✅ 弥生会計・クラウド会計のフルサポート
融資・資金繰りサポート
✅ 事業計画書の作成支援
✅ 融資申請サポート
✅ 返済計画の策定
✅ 資金繰表の作成と分析
✅ 財務体質改善アドバイス
✅ 金融機関との交渉サポート
記帳代行・会計サポート
✅ 弥生会計の記帳代行(30年の実績)
✅ クラウド会計導入支援
✅ 月次決算サポート
✅ 給与計算・年末調整
✅ 決算・申告書作成
開業・創業サポート
✅ 開業時の届出・申請
✅ 創業融資サポート
✅ 個人事業から法人成りのアドバイス
✅ 助成金申請サポート
✅ 開業後の料金割引
経営改善サポート
✅ 節税対策の提案
✅ 経営計画書の作成
✅ 財務分析とアドバイス
✅ 税務調査対応
✅ 組織再編・M&Aのサポート
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税理士法人松野茂税理士事務所
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こんな方はぜひご相談ください
✔️ 開業・創業したばかり
✔️ 融資を受けたい
✔️ 資金繰りに困っている
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✔️ 弥生会計のサポートが欲しい
✔️ クラウド会計に移行したい
✔️ 節税対策を知りたい
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✔️ 事業承継・M&Aを検討している
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新規のお客様限定
✨ 初回相談無料
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💼 税理士法人だからできること
安心の体制
- 税理士2名体制 → 専門性の高い相談にも対応
- スタッフ7名 → きめ細やかなサービス
- 30年の実績 → 豊富な経験とノウハウ
- DXに力を入れている → 最新の会計ソフト対応
専門分野
- 所得税・法人税・消費税
- 相続税・贈与税
- 組織再編(合併・分割・株式交換)
- M&A(事業承継・企業買収)
長年のお客様から相続対策やM&Aのご要望を多くいただいています。
📝 まとめ
融資・資金繰りの5つのポイント
①売上予測は客観的データで
- 日本政策金融公庫・中小企業庁のデータ活用
- 業種別の計算式を使う
②資金繰り改善を優先
- 在庫管理、経費削減、回収サイト短縮
- 借入れは根本的な解決にならない
③決算書の見方を理解
- 税理士と銀行では見方が違う
- 節税と融資のバランスが大事
④キャッシュフロー=返済能力
- 利益よりキャッシュフローが重要
- 取引先の信用力とリスク分散
⑤正しい返済計画
- 税引後利益+減価償却費が返済財源
- 70〜80%に抑えて余裕を持たせる
🌟 最後に
松野税理士から経営者の皆様へ
融資や資金繰りは、会社の「血液」とも言える重要なテーマです。
30年間、数多くの経営者の方々をサポートしてきた経験から言えることは:
- 節税だけでなく、融資も見据えた決算書作りが大切
- 借入れの前に、まず資金繰り改善を
- キャッシュフローを常に意識した経営を
- 無理のない返済計画で安心経営を
当事務所は、単なる記帳代行や申告書作成だけでなく、経営者のパートナーとして、会社の成長をサポートいたします。
お困りのことがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。
税理士法人松野茂税理士事務所
代表税理士 松野茂
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