一般社団法人(非営利共益型)設立 ~別荘地管理組合の事例と定款作成のポイント~

尼崎の税理士法人松野茂税理士事務所 共益型一般社団法人

顧客から別荘地の管理を目的とした一般社団法人の設立の相談がありまとめてみました

近年、一般社団法人を活用した組織運営が注目を集めています。特に別荘地の管理組合や業界団体において、非営利共益型の一般社団法人は税制面でのメリットが大きく、多くの組織で採用されています。本記事では、税理士として30年の実務経験を基に、一般社団法人(非営利共益型)の設立から運営まで、実務上の重要ポイントを詳しく解説します。

目次

1. 一般社団法人(非営利共益型)とは

基本概念

一般社団法人の非営利共益型とは、会員の共通の利益を図ることを目的とする法人です。営利を目的としないため、剰余金の分配を行わず、収益事業以外は法人税が非課税となる税制上のメリットがあります。

主な特徴

  • 設立要件:社員2名以上で設立可能
  • 税制優遇:収益事業のみ課税対象
  • 運営の自由度:比較的緩やかな監督
  • 永続性:社員の変更があっても法人格継続

適用場面

  • 業界団体・同業者組合
  • 別荘地・マンション管理組合
  • 学術・文化団体
  • スポーツクラブ・趣味の会

2. 非営利共益型の要件と親族制限

法的要件(4つすべて必須)

①剰余金分配禁止条項

第○条(剰余金の分配の禁止)
この法人は、剰余金の分配を行わない。

②残余財産の国等贈与条項

第○条(残余財産の帰属)
この法人が解散等により清算をする場合において、その債務を弁済してなお
残余財産があるときは、社員総会の決議を経て、公益社団法人及び公益財団法人の
認定等に関する法律第5条第17号に掲げる法人又は国若しくは地方公共団体に
贈与するものとする。

③上記条項の変更禁止規定

第○条(定款の変更)
前項の規定にかかわらず、第○条(剰余金の分配の禁止)及び第○条
(残余財産の帰属)の規定は、社員総会の決議によっても変更することができない。

④親族等理事制限条項(重要!)

第○条(理事等の親族の排除)
この法人においては、理事のうち理事である者並びにその配偶者及び三親等以内の
親族である理事の合計数は、理事総数の3分の1を超えてはならない。
監事についても同様とする。

親族制限の実務上の注意点

対象となる親族関係

  • 配偶者(事実婚含む)
  • 三親等以内の親族
    • 一親等:父母、子
    • 二親等:祖父母、兄弟姉妹、孫
    • 三親等:曾祖父母、叔父叔母、甥姪、曾孫

計算方法の具体例

理事5名の場合:親族理事は1名まで(5名×1/3=1.66→切り捨て1名)
理事6名の場合:親族理事は2名まで(6名×1/3=2名)
理事7名の場合:親族理事は2名まで(7名×1/3=2.33→切り捨て2名)

よくある違反事例

  • 夫が理事長、妻が理事、息子が理事の3名体制(理事3名中3名が親族→違反)
  • 兄弟2名と甥1名が理事の場合(理事3名中3名が親族→違反)

対策方法

  • 理事総数を増やして親族以外の理事を確保
  • 親族の一部を監事に配置
  • 社員から適格者を理事に選任

3. 別荘地管理組合での活用事例

なぜ一般社団法人が適しているか

区分所有法の適用外 別荘地は区分所有建物ではないため、マンション管理組合のような法的枠組みがありません。一般社団法人形態により、法的安定性を確保できます。

強制加入と権利承継 別荘所有者の当然加入と、売買時の権利義務承継を定款で定めることが可能です。

別荘地管理組合の特殊な定款条項

社員資格(物的会員制)

第○条(社員の資格)
この法人の社員は、管理区域内に別荘(土地及び建物)を所有する者とする。

権利義務の承継

第○条(社員権利義務の承継)
別荘の所有権が移転したときは、新所有者が前所有者の社員としての
権利義務を承継する。

管理費の継続負担

第○条(管理費の継続負担)
除名された社員であっても、別荘を所有し続ける限り、
管理費等の負担義務は継続する。

管理費の設定例

標準的な費用構造

月額管理費:1区画あたり20,000円
内訳:
・道路管理費    5,000円
・上下水道管理費  4,000円
・清掃・造園費   3,000円
・街灯・電気代   2,000円
・管理事務費    4,000円
・予備費      2,000円

修繕積立金:1区画あたり10,000円
特別負担金:大規模修繕時に別途徴収

4. 定款作成の重要ポイント

必須記載事項のチェックリスト

基本事項

  • [ ] 法人名称(「一般社団法人」を含む)
  • [ ] 事務所所在地
  • [ ] 目的・事業内容
  • [ ] 社員資格・入退社規定

非営利共益型要件

  • [ ] 剰余金分配禁止条項
  • [ ] 残余財産国等贈与条項
  • [ ] 上記2条項の変更禁止規定
  • [ ] 親族理事制限条項(1/3以下)

機関設計

  • [ ] 理事の員数・任期・職務
  • [ ] 社員総会の権限・手続き
  • [ ] 監事の設置(任意)

目的条項の書き方

良い例(具体的で明確)

この法人は、○○別荘地内の別荘所有者の共同の利益を増進し、
管理区域内の環境保全、施設の維持管理及び良好な住環境の
確保を図ることを目的とする。

避けるべき例(抽象的で不明確)

この法人は、会員相互の親睦を図り、社会に貢献することを目的とする。

事業条項の具体例

別荘地管理組合の場合

  1. 管理区域内の道路、上下水道、電気設備等の共用施設の維持管理
  2. 管理区域内の清掃、除草、除雪等の環境整備
  3. 管理区域内の防犯、防災対策に関する事業
  4. 管理区域内の建築規制、景観保全に関する指導
  5. ゴミ収集、処理に関する事業

5. 会費徴収の実務と税務

会費の法的性格

定款で定めれば法的義務 定款に会費負担を明記することで、社員の法的義務となり、滞納者への除名等の制裁措置が可能になります。

会費規定の記載例

第○条(管理費等)
社員は、次に掲げる管理費等を負担しなければならない。
(1)月額管理費 1区画につき月額○○円
(2)修繕積立金 1区画につき月額○○円
(3)特別負担金 理事会が必要と認めた場合に別途定める

滞納対策の実務

段階的督促システム

  1. 1か月滞納:電話連絡
  2. 3か月滞納:督促状送付
  3. 6か月滞納:内容証明郵便
  4. 1年滞納:除名手続き開始
  5. 除名後:法的措置(支払督促等)

延滞損害金の設定

第○条(延滞損害金)
管理費等を3か月以上滞納した社員に対しては、理事長は書面により
督促し、なお納入されないときは年利14.6%の延滞損害金を
徴収することができる。

税務上の取扱い

非営利共益型法人の会費収入

  • 原則非課税:会員向けサービスの対価
  • 課税リスク:過大な会費や収益事業該当性
  • 判定基準:サービス内容と会費額の合理性

課税を避けるポイント

  1. 会費とサービスの対応関係を明確化
  2. 類似団体との比較で適正水準を維持
  3. 非会員への有料サービスとの区別
  4. 詳細な会計処理と証憑保存

6. 設立手続きと注意事項

設立スケジュール(標準的な期間)

事前準備期間:1~2か月
・社員の確定
・定款案の作成
・設立時役員の選定

設立登記期間:2週間
・公証役場での定款認証
・法務局への設立登記申請

設立後手続き:1か月
・税務署等への届出
・銀行口座開設
・各種契約手続き

設立時の必要書類

定款認証時

  • 定款(3通)
  • 発起人の印鑑証明書
  • 委任状(代理人申請の場合)

設立登記時

  • 設立登記申請書
  • 定款
  • 設立時理事の就任承諾書
  • 設立時理事の印鑑証明書
  • 代表理事選定決議書

よくある設立時のトラブル

定款記載ミス

  • 親族制限条項の記載漏れ
  • 剰余金分配禁止条項の記載漏れ
  • 事務所住所の記載誤り

役員選任関係

  • 親族理事が1/3を超過
  • 理事の住所変更届出漏れ
  • 印鑑証明書の有効期限切れ

事後手続きの遅延

  • 税務署への届出期限超過
  • 社会保険加入手続き漏れ
  • 銀行口座開設の遅延

7. まとめ

一般社団法人(非営利共益型)は、適切に設立・運営することで大きな税制メリットを享受できる優れた法人形態です。特に別荘地管理組合のような共同管理組織には最適な選択肢といえます。

成功のための重要ポイント

設立前の入念な準備

  • 目的・事業内容の明確化
  • 適切な機関設計
  • 税務リスクの事前検討

定款作成での必須事項

  • 非営利共益型4要件の完全実装
  • 親族制限の確実な遵守
  • 実務に即した詳細規定

設立後の適切な運営

  • 会費の適正な徴収管理
  • 理事会・社員総会の適切な運営
  • 税務申告での留意事項

専門家への相談の重要性

一般社団法人の設立は法務・税務の専門知識を要する複雑な手続きです。特に非営利共益型の要件充足や親族制限の遵守は、後から修正が困難な重要事項です。設立前に必ず税理士・司法書士等の専門家にご相談いただき、適切な設立・運営を行うことをお勧めします。

8. 別荘地管理組合定款見本

実際の設立相談に基づいて作成した定款見本をご紹介します。この定款は非営利共益型の要件をすべて満たし、別荘地管理の実務に対応した内容となっています。

一般社団法人○○別荘地管理組合定款

第1章 総則

第1条(名称) この法人は、一般社団法人○○別荘地管理組合と称する。

第2条(事務所) この法人は、主たる事務所を○○県○○市○○町○○番地に置く。

第3条(目的) この法人は、○○別荘地(以下「管理区域」という。)内の別荘所有者の共同の利益を増進し、管理区域内の環境保全、施設の維持管理及び良好な住環境の確保を図ることを目的とする。

第4条(事業) この法人は、前条の目的を達成するため、次の事業を行う。 (1)管理区域内の道路、上下水道、電気設備等の共用施設の維持管理 (2)管理区域内の清掃、除草、除雪等の環境整備 (3)管理区域内の防犯、防災対策に関する事業 (4)管理区域内の建築規制、景観保全に関する指導 (5)ゴミ収集、処理に関する事業 (6)管理区域内の共用部分の修繕、改良工事 (7)別荘地の管理運営に関する調査、企画及び情報提供 (8)その他この法人の目的を達成するために必要な事業

第5条(管理区域) この法人が管理する区域は、別紙管理区域図に示すとおりとする。

第6条(公告の方法) この法人の公告は、管理区域内の掲示板への掲示により行う。

第2章 社員

第7条(社員の資格) この法人の社員は、管理区域内に別荘(土地及び建物)を所有する者とする。 2 共有名義の場合は、共有者のうち1名を代表者として定め、その者を社員とする。 3 法人が別荘を所有する場合は、その法人を社員とする。

第8条(社員となる時期) 別荘の所有権を取得した者は、所有権取得と同時に当然に社員となる。

第9条(社員権利義務の承継) 別荘の所有権が移転したときは、新所有者が前所有者の社員としての権利義務を承継する。 2 前項の場合、前所有者は遅滞なく新所有者の住所、氏名等を理事長に届け出なければならない。

第10条(管理費等) 社員は、次に掲げる管理費等を負担しなければならない。 (1)月額管理費 1区画につき月額○○円 (2)修繕積立金 1区画につき月額○○円 (3)特別負担金 理事会が必要と認めた場合に別途定める

第11条(管理費の納入) 前条の管理費等は、毎月末日までに当該月分を納入しなければならない。ただし、理事会が認めた場合は、四半期、半年又は年額での一括納入を認めることができる。 2 管理費等を3か月以上滞納した社員に対しては、理事長は書面により督促し、なお納入されないときは年利14.6%の延滞損害金を徴収することができる。

第12条(社員名簿) この法人は、社員名簿を備え置き、社員の氏名、住所、別荘所在地、持分数を記載する。

第13条(退社) 社員は、次の事由により退社する。 (1)別荘の所有権の喪失 (2)死亡又は解散(相続又は承継がある場合を除く)

第14条(除名) 社員が次の各号のいずれかに該当するときは、社員総会の特別決議により除名することができる。 (1)管理費等を1年以上滞納し、督促に応じないとき (2)管理区域内において著しく他の社員に迷惑をかける行為を行ったとき (3)この法人の名誉を著しく傷つけ、又は目的に反する行為をしたとき 2 除名された社員であっても、別荘を所有し続ける限り、管理費等の負担義務は継続する。

第3章 社員総会

第15条(構成) 社員総会は、すべての社員をもって構成する。

第16条(議決権) 各社員は、所有する区画数に応じた議決権を有する。 2 1区画につき1個の議決権とする。

第17条(権限) 社員総会は、次の事項について決議する。 (1)理事及び監事の選任又は解任 (2)管理費、修繕積立金の額の変更 (3)年額100万円を超える修繕工事の実施 (4)管理規約の制定、変更又は廃止 (5)定款の変更 (6)解散及び継続 (7)その他法令又はこの定款で定められた事項

第18条(開催) 社員総会は、定時社員総会及び臨時社員総会とする。 2 定時社員総会は、毎事業年度終了後3か月以内に開催する。 3 臨時社員総会は、理事会が必要と認めたとき、又は総議決権の5分の1以上を有する社員から請求があったときに開催する。

第19条(招集手続) 理事長は、社員総会を招集するときは、会議の日時、場所、目的である事項を記載した書面をもって、開催日の2週間前までに各社員に通知しなければならない。

第20条(議長) 社員総会の議長は、理事長がこれに当たる。理事長に事故があるときは、あらかじめ理事会において定めた順序により、他の理事が議長となる。

第21条(定足数及び決議) 社員総会は、総議決権の過半数を有する社員が出席(委任状による出席を含む)しなければ開催できない。 2 社員総会の決議は、法令又はこの定款に別段の定めがある場合を除き、出席した社員の議決権の過半数をもって行う。 3 次の決議は、総議決権の4分の3以上に当たる多数をもって行う。 (1)年額100万円を超える修繕工事 (2)管理費の大幅な変更(30%以上の増減) (3)定款の変更 (4)解散

第22条(委任状による議決権行使) 社員総会に出席できない社員は、あらかじめ通知された事項について、書面又は電磁的方法により議決権を行使することができる。 2 前項の場合、当該社員は出席したものとみなす。

第4章 理事及び理事会

第23条(理事の員数) この法人に、理事3名以上7名以内を置く。 2 理事のうち1名を理事長とし、必要に応じて副理事長及び専務理事を置くことができる。

第24条(理事の選任) 理事は、社員総会の決議によって社員の中から選任する。 2 理事長、副理事長及び専務理事は、理事会の決議によって理事の中から選定する。

第25条(理事の任期) 理事の任期は、選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結の時までとする。ただし、再任を妨げない。

第26条(理事の職務) 理事長は、この法人を代表し、その業務を執行する。 2 副理事長は、理事長を補佐し、理事長に事故があるとき又は理事長が欠けたときは、その職務を代行する。 3 専務理事は、理事長及び副理事長を補佐し、日常の管理業務を執行する。

第27条(理事会の権限) 理事会は、次の職務を行う。 (1)社員総会決議事項を除く、この法人の業務執行の決定 (2)管理業者の選定及び管理委託契約の締結 (3)年間事業計画及び収支予算の策定 (4)緊急修繕工事(50万円以下)の実施決定 (5)管理規約の制定、変更(社員総会の承認を得るものを除く)

第28条(理事会の招集及び決議) 理事会は、理事長が招集し、その議長となる。 2 理事会の決議は、理事の過半数が出席し、その過半数をもって行う。

第5章 監事

第29条(監事) この法人に、監事1名又は2名を置く。 2 監事は、社員総会の決議によって社員の中から選任する。 3 監事の任期は、理事の任期に同じ。

第30条(監事の職務) 監事は、理事の職務の執行を監査し、年1回監査報告書を作成して社員総会に提出する。 2 監事は、会計帳簿及び関係書類の調査、管理費等の収支状況の監査を行う。

第6章 管理業務

第31条(管理業者への委託) この法人は、管理業務の全部又は一部を管理業者に委託することができる。 2 管理委託契約の内容、委託業者の選定は理事会で決定する。

第32条(管理人の選任) この法人は、必要に応じて管理区域に常駐又は巡回の管理人を置くことができる。

第33条(緊急時の措置) 理事長は、管理区域内において緊急事態が発生したときは、理事会の決議を経ずに必要な措置を講じることができる。 2 前項の場合、理事長は事後速やかに理事会に報告しなければならない。

第7章 計算

第34条(事業年度) この法人の事業年度は、毎年4月1日から翌年3月31日までとする。

第35条(予算及び事業計画) 毎事業年度の予算及び事業計画は、理事会で策定し、定時社員総会の承認を得なければならない。

第36条(決算) 事業年度終了後、理事長は決算書類を作成し、監事の監査を受けた上で、定時社員総会の承認を受けなければならない。

第37条(剰余金の分配禁止) ※非営利共益型要件① この法人は、剰余金の分配を行わない。

第38条(修繕積立金の管理) 修繕積立金は、普通預金と区分して管理し、修繕工事以外には使用してはならない。

第8章 管理規約

第39条(管理規約の制定) この法人は、管理区域内における建築、使用、管理等に関する詳細な規約(管理規約)を定めることができる。 2 管理規約は、社員総会の決議により制定、変更又は廃止する。

第40条(管理規約の効力) 社員は、管理規約を遵守しなければならない。 2 管理規約に違反した社員に対しては、理事長が指導、勧告を行うことができる。

第9章 定款変更、解散等

第41条(定款変更) この定款は、社員総会の特別決議によって変更することができる。 2 前項の規定にかかわらず、第37条及び第42条の規定は、社員総会の決議によっても変更することができない。※非営利共益型要件③

第42条(残余財産の帰属) ※非営利共益型要件② この法人が解散した場合の残余財産は、社員総会の決議により、国、地方公共団体又は公益法人に贈与する。

第10章 その他

第43条(理事等の親族の排除) ※非営利共益型要件④ この法人においては、理事のうち理事である者並びにその配偶者及び三親等以内の親族である理事の合計数は、理事総数の3分の1を超えてはならない。監事についても同様とする。

第44条(細則) この定款の施行について必要な細則は、理事会の決議により別に定める。

第45条(管轄裁判所) この法人に関する訴訟については、この法人の主たる事務所の所在地を管轄する家庭裁判所を合意管轄裁判所とする。

附則

第1条(最初の事業年度) この法人の最初の事業年度は、法人成立の日から令和○年3月31日までとする。

第2条(設立時社員) この法人の設立時における社員は、別紙社員名簿記載のとおりとする。

第3条(設立時役員) この法人の設立時理事及び設立時監事は、次のとおりである。 設立時理事長  ○○ ○○ 設立時理事   ○○ ○○ 設立時理事   ○○ ○○ 設立時監事   ○○ ○○

第4条(設立時管理費) 設立時の月額管理費は、1区画につき月額○○円とする。

第5条(経過措置) この法人設立前に○○別荘地管理会が行った行為及び締結した契約等は、この法人が承継する。


以上、一般社団法人○○別荘地管理組合の定款として、ここに定める。

令和○年○月○日

設立時社員代表 ○○ ○○  印

定款のポイント解説

この定款見本では、以下の重要なポイントを織り込んでいます:

非営利共益型の4要件完備

  • 第37条:剰余金分配禁止条項
  • 第42条:残余財産の国等贈与条項
  • 第41条2項:上記条項の変更禁止規定
  • 第43条:親族理事制限条項

別荘地管理の特殊性への対応

  • 第7条:物的会員制(別荘所有者のみ)
  • 第9条:権利義務の当然承継
  • 第14条2項:除名後も管理費負担継続

実務的な運営規定

  • 第11条:延滞損害金の設定
  • 第22条:委任状による議決権行使
  • 第33条:緊急時の理事長専決事項

筆者について 税理士法人松野茂税理士事務所 代表税理士 30年の税理士実務経験を持ち、法人税・所得税・相続税の他、組織再編・M&Aなどの高度な専門知識を有する。弥生会計の記帳代行を主軸としながら、クラウド会計にも対応。一般社団法人の設立・運営支援も数多く手掛ける。


免責事項

本記事に記載された情報は、2025年9月時点の法令等に基づいて作成されており、一般的な情報提供を目的としています。個別具体的な案件については、法令の改正や解釈の変更、個別事情等により異なる取扱いとなる可能性があります。

重要な注意事項:

  • 本記事の内容は一般的な参考情報であり、具体的な法的助言や税務助言を提供するものではありません
  • 実際の一般社団法人設立にあたっては、必ず税理士、司法書士、弁護士等の専門家にご相談ください
  • 法令の解釈や適用については、所轄官庁や専門家の判断に従ってください
  • 本記事に基づいて行った行為により生じた損害について、筆者及び税理士法人松野茂税理士事務所は一切の責任を負いません

定款見本の使用について:

  • 掲載している定款見本は参考例であり、実際の使用にあたっては個別の事情に応じた修正が必要です
  • 定款の作成・修正は法的効果を伴うため、必ず専門家の指導の下で行ってください
  • 法務局での登記手続きについては、司法書士にご相談いただくことをお勧めします

最新の法令情報や具体的な手続きについては、関係機関や専門家にご確認いただきますようお願いいたします。


関連リンク・参考資料

法令・制度に関する公式情報

  • 法務省 一般社団法人・一般財団法人制度について
    https://www.moj.go.jp/MINJI/minji153.html
  • 国税庁 一般社団法人等に関する税務
    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5942.htm
  • 国税庁 非営利型法人の要件
    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5943.htm

申請・手続きに関する情報

  • 法務局 商業・法人登記の申請書様式
    https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/category_00002.html
  • 日本公証人連合会(定款認証手続き)
    http://www.koshonin.gr.jp/

関連する専門家団体

  • 日本税理士会連合会
    https://www.nichizeiren.or.jp/
  • 日本司法書士会連合会
    https://www.shiho-shoshi.or.jp/

弊所関連ページ

  • 税理士法人松野茂税理士事務所 公式サイト

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